新宿まで行くとき「今日は立ってどこも掴まらないで行こう」と思ったのは、しば
らくこれをやっていないからだ。夫を座席に座らせてドアの前に立ったのは、ドアの
前なら揺れが強いとすぐに掴まれるから危なくないからだ。
新宿までは15分だが、過去に何度かやったが、一度も失敗したことはなかった。
若い方なら別に大したことはないが、でも、今月また年齢を重ねる末期高齢者の私。
死ぬまで自分の足で歩きたいと、長年適度にレッスンしているし、痩せても枯れても
元ダンス教師の私だ。電車は空いていたが、何時もは揺れたことがない次の駅の世田谷
辺りで揺れたので、「この運転手さんはあまり上手でない」と感じた。
小田急線はあまり揺れないが、いつも代々木八幡と参宮橋の間は比較的揺れるが
私が揺れを経験したことがない場所で揺れたので、相当揺れるのだと覚悟した。
体重をインサイドにして、足を動かしながらバランスをとったが、やはりいつの
より揺れが大きい。危うく掴まりそうになったが、何とか新宿まで掴まらずに着いた。
これは老いに対する小さな成功体験かも知れないが、とても嬉しかった。