ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

卵をむきながら

2023-03-28 11:20:14 | エッセー

 家庭での仕事は実にたくさんある。私は仕事人間だったため30年間以上

料理と買い物だけはしたが、すべて長年助けてくれた何人かの家政婦さん

達に頼んでいた。今はそれらをすべて一人でやっているが、お掃除が

一番疲れると思う。なんでも人一倍早かったのに、それがだんだん早く

できなくなり時折もどかしいがでも、もう高齢だから仕方がないのだと

いつも自分に言い聞かせている。

 今ゆで卵をむきながら考えていて、私の友人たちは全部未亡人で

かなり老化している人が多くなった。むろん私も忘れることも多くなり

物覚えも悪くなったけれど、まだウインドーズ11に切り替え、それを

どのように使いこなすかなど、まだいろいろ意欲だけはある。

 高齢になると単純な記憶や生理的な衰えは仕方がない、思いつい

たら即行動できる人なんで、たぶん同世代前後の人は一人もいない。

 衰えつつある能力を今までより注意して、誰にも迷惑をかけずに

生きていくしかないのだ。ここまで書いたら、突然パリのモンパルナス

ホテル、メディリアンで誰もいない部屋で、電気鍋で工夫して料理した

ことを思い出した。まだ感性も向上心も意欲も(実はあり過ぎて

困っているが)行動力も衰えてはいない。

 きれいにむけた卵は、料理好きな私に元気を与えてくれた。

コメント
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