ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

実家のお墓詣り

2023-05-06 08:36:51 | エッセー

 今日は父の命日、59歳で亡くなった時、私は第二子の息子の出産予定日

が近く、タクシーで2歳の娘を連れ父に会いに行ったが、お葬式には出られなかった。

 あれから60年以上経ち、夫の足が弱っていくので毎回のお参りには、(これが

最後かしら?)と感じていた。都心にあるお寺は昔の山を崩して建てられたようで

墓地全体が段差があるからだ。父のお墓はその最も高台で、代々住職のお墓と並ん

だ位置にあるので、相当高い石段を登らなければならない。

 大久保彦左衛門の菩提寺でもあり、史跡にも出ているかなり由緒あるお寺だ。

 

 夫は石で作られた厳しい階段を、手すりに摑まりながら登っていたが「もう俺ダメだ」

と中ほどで座り込んでしまった。夫をそこに待たせて、私は一人でお墓参りをした。

 高台なので昔は見晴らしが良かったが、今は高層ビルで囲まれている、夫はもう再び

この景色は見られないと思うと、夫の年齢を思えば当然だが、何だか胸が迫った。、

 帰りに白金高輪のいつも行くお店で食事するつもりだったが、お寺の前のその一角は

更地になっていたので驚いた。

「それではお昼は家で、ビール飲もうか」と、渋谷行の都バスに乗った。

実家のお墓参りは地下鉄でも行けるが、最近は梅丘から渋谷まで、渋谷から白金高輪駅前

二つのバス路線で3.40分位比較的楽に行ける。途中の渋谷は相変わらずすごい雑踏で

駅前は若い人が多く、ぶつかっては大変と、夫をかばうように腕を組んで歩いた。

 家に着いたのは12時40分、バスの中で冷蔵庫の中を考え、「お昼はビール」に

と、機嫌がよくなった夫のために15分で準備完成。昼間から乾杯したお墓参りの日だった。

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