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参議院選挙と議員定数不均衡

2010-07-13 11:31:00 | 時評
昨年の総選挙の裏返しとまでは言えませんが、民主党の敗北、自民党の復調、みんなの党の躍進でした。
少し細かく見ると、民主・自民両党の明暗はそんな単純なものではありません。まず、比例区。両党とも得票率が大幅に低下しています(民主党が8ポイント、自民党が4ポイント)。民主党の減り方もひどいけど、自民党の12議席は過去最低です。両党が減った分はそのままみんなの党(得票率13.6%、7議席)に行った感じ。
複雑なのは選挙区。確認ですが獲得議席は、民主党28、自民党39(他にみんな・公明各3)。しかし、民主党の得票率は、大勝利だった前回(2007年)参議院選挙(民主40、自民23)から2ポイント弱低下の39.0%で(2人区での2人立候補の水増し分を多少割り引く必要ありますが)、逆に自民党の得票率は惨敗の前回から2ポイント増の33.4%にすぎません。それでも獲得議席は大差で自民党の勝利。自民党は、1人区で21勝8敗と圧勝したのが大きかった。この分を差し引くと、民主20対自民18(比例区は16対12)で負けています。
小選挙区はわすがな有権者の心変わりで天国と地獄が入れ替わるから恐ろしいと昨夏に書きましたが(9/7)、加えて参議院には議員定数不均衡問題が大きくのしかかっています。鳥取県の有権者も神奈川県の有権者も投ずるのは1票ですが、その価値が5倍も違うということです。当然この1票の価値が高い(有権者の少ない)選挙区はほとんどが1人区ですから、1票の価値が低い(有権者が多い)選挙区ではあまり奮わなかった自民党は、その恩恵で「大復調」したようにみえるわけです。
1票の価値が最も高い(有権者の少ない)鳥取県と2番目に高い島根県を合区してその分の議席を神奈川県に加えるだけで、格差は一気に5.0倍から3.7倍に縮小するのになぜしない!?とは素人考えでしょうか? いくつかの政党が声高に叫んでいる議員定数削減よりはるかに重要なテーマと思います。
この参議院議員定数不均衡問題は毎回の選挙で選挙無効訴訟が提起され、最高裁判所は違憲判決こそ下していないものの、国会への視線はだんだん厳しくなって、まあ切れる一歩手前というところでしょう。最もきつい言い方をされた昨年9月の大法廷判決から何の改善もなく今回の参議院選挙は行われました。ここらで、もう違憲判断がほしいところです。また「執行猶予」判決ではなめられるだけだと思いますが。
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