明日の風

明日は明日の風が吹く。気楽にいきましょう!

日本では、何も考えずに行動していたら普通に憲法違反に!?

2021-09-17 11:44:51 | 読書
法律業界のトップ出版社、有斐閣のPR誌「書斎の窓」に連載されていた『平らな鏡で世界を見れば』が面白かったです。ご関心の向きは、著者・辰井聡子さんのHPからどうぞ。WORKS – Satoko Tatsui その要旨は、フランスの歴史学者、エマニュエル・トッドの主張を引いて、国の社会や政治制度のあり方は、その国の家族システムに規定される、封建的・専制的な社会が、人々の営みによって、自由 . . . 本文を読む
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ネルソン・マンデラ―分断を超える現実主義者

2021-08-03 07:06:14 | 読書
堀内隆行『ネルソン・マンデラ』(岩波新書)を読んだ。アパルトヘイト政策を採っていた南アフリカを普通の国にしたマンデラほど、世界中から称賛される人物は稀だと思う。私も例外ではなく、彼を尊敬している。 堀内によると、本書は「マンデラを「聖人」とは見なさない」、政治家としてのマンデラを冷静に評価しようとしたもので、「マンデラへの愛が足りず、それもあってマンデラの「偉大さ」が強調されてない難がある」そう . . . 本文を読む
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歴史人口学

2021-06-04 16:55:55 | 読書
静岡県立短大の非常勤講師控室に、この3月まで学長だった鬼頭宏さんの本が置かれています。面白そうなので、そのうちの『人口から読む日本の歴史』を手に取ってみました。 1.平均余命が一番長いのは何歳のときでしょう? 何を当たり前のことを聞いているんだ!?と思われる方がほとんどと推測します。現在はもちろん0歳のときです。 でも江戸時代はそうではなかった。5~6歳のときだったと。いかに幼く命を落とす子ど . . . 本文を読む
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山田昌弘さん

2021-04-26 17:05:48 | 読書
かつて「パラサイトシングル」、その後「婚活の時代」、最近なら「希望格差社会」の山田昌弘さんの『日本の少子化対策はなぜ失敗したか?』を読みました。 はしがきの、奨学金を借りている人は付き合うなと母親から言われた指導学生や同種の話題(大手出版社社員の奨学金返済までは結婚しないという話)には、奨学金を借りていた山田さん自身、今なら自分は交際を断られたかもと自嘲気味ですが、私も絶句します。 少子化の話 . . . 本文を読む
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日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか

2018-11-01 22:55:18 | 読書
筒井淳也『仕事と家族』(中公新書、2015年)を読んだ。「日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか」という本である。大雑把に言えば、男性正社員の無限定かつ無制限な働き方が諸悪の根源という主張だ。私もそう感じていたので共感するところが多かったが、なぜ日本では、共働き世帯でも家事をほとんどしない男が多数なのかという分析が特に面白かった。よく言われるのは、男性は長時間労働で、したくてもできない。しかし筒井は . . . 本文を読む
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クルマ社会

2017-10-28 11:57:33 | 読書
高齢者が起こす交通事故に関連して、高齢者の運転免許返納が話題になっています。免許を返納したドライバーは、心底偉いと思います。私が同じ立場だったらよほどのことがない限り返納しませんね。実際には免許がない私は、電車やバスに乗りなれているから高齢になってもたいした不都合は感じないと思います。でも、それまでクルマ中心の生活を送ってきた人だと、以降運動能力は次第に衰えるうえに劇的に不便な生活になりそう。結局 . . . 本文を読む
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吉村昭さん

2006-08-10 14:17:00 | 読書
作家の吉村昭氏が亡くなった。私が初めて氏の小説を読んだのは、朝日新聞に連載されていた「長英逃亡」だった。綿密な時代考証に裏打ちされたかっちりとした文章に引き込まれた。他には、大津事件を題材にした「ニコライ遭難」などが特に印象に残っている。あまり取り上げられないが「漂流」というノンフィクションをここでは話題にしたい。この小説は、江戸時代に暴風雨で遭難し鳥島に打ち上げられた漁師が、仲間と力を合わせて1 . . . 本文を読む
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