森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

大捕り物 その2

2015-07-06 | 動物
遅ればせながら、前の日記の続きを;

助け降ろされたものの、私の手をあっという間にすり抜けた仔猫が向かった先は
すぐ横のバス通りに面した敷地ギリギリの場所にある植え込みの中だった。
そっと手を伸ばすと更に茂みの奥に仔猫は姿を隠してしまった。

そのうち、わらわらと5・6人の人が現れ出てきて、植え込みの周りをウロウロ
しながら「出てきなさーい」などと声を掛け始めた。
聴けば、その人たちは私よりも先にその事態を把握していて、ずっとカラスが
仔猫を狙っているので気になっていたそう。

これまでは食事を人に依存していながらも距離を置くその母猫に、「くうちゃん」
という名前まで付けて呼んでいたということも判った。
前回その母猫が出産したときには、誰かが通報し全ての仔猫が処分されたというこ
とで、今回は用心して空き家になっている2階のベランダで産んだのだろうという。
けれどその人たちはいずれも「追えば逃げる」という猫の習性を知らないためか、
私が家に仔猫をおびき寄せるためのフードを取りに行っている間に、なおも傍を離
れず、雑談を始め、大声で猫に声を掛けたりしている。

でも悪気はないのだから仕方ない。仔猫は怯えてすでに姿は見えない。  
すでに母猫の野良教育ができているせいか、やはり簡単にご飯に近づいては来ない
し、少しでも近づくと仔猫は植え込みからも逃げる態勢に入るので、そのまま道路
に出してしまうことだけは避けたい。

思いつく最良の手段は、母猫に「助け出されてここにいる」ことを気付いてもらい
一緒に連れ帰ってもらうしかない。
母猫はいつの間にか何処かから姿を現し、それまで仔猫が取り残されていた場所に
上がったり下りたりして探している様子。
仔猫のいる場所はそこから数十メートルも離れている。

「こっちに仔猫がいるよ」と母猫に何度も声を掛けるけれど、不審そうな眼をして
付いては来ない。 せっかく助けたものの、そのせいで仔猫と親猫が離れ離れにな
ることでこの先の仔猫がちゃんと生きていけるか分らない。どうしたものかと困り
果てている時に、娘の友人のお母さんで猫を数匹飼っている同じ集合住宅に住むK
さんがやってきた。

Kさんも昼からずっと見守っていたひとりで、「明日しか主人が戻ってこないので
私ではどうすることもできないし、それまで雨とかカラスとか心配で」と言う。
けれどもそうこうするうちに、彼女は優しく声を掛けながらそうっと仔猫を捕まえ
て茂みから引きずり出してくれた。さすが猫好き@@オトし技は心得ていると、感
動。

それでも仔猫は彼女をひっかきながら逃げようともがいていたので、私が捕獲用の
洗濯ネットとバスタオルを家まで取りに走り、それらで包むように抱くと、急に力
を抜いて彼女の胸に身を委ねた。
ああ、良かった。その場にいた全員が安堵したときにはもうあたりは真っ暗。

残ったKさんと私が仔猫を引き渡そうと親猫を探すけれども、全然見つからず何処
かに消えていた。
母猫には気の毒だけれど、Kさんのご主人の友人が「仔猫を欲しがっている」とい
うことで、取り敢えずKさんがその仔猫を家に連れて帰ると言ってくれて、どうな
ることかと不安だった身には、もう嬉しくて。
 
家に帰ると8時半を回り、すでに帰宅した娘が晩御飯を食べていた。その事件で
コンロに仕掛けた肉じゃがを見に帰ったりを合わせると、一体何度その場所と家と
の間を往復したかは数え切れずで、汗まみれの身体は目いっぱい疲れていたのに
アドレナリンが出まくったせいで眠れなかったという結末・・(笑)

翌日職場で大変なことが待ち受けているとは全く知らず、その夜は眠れずともただ
「Kさん、Tさんのご主人ありがとう・・」と安堵の気持ちに浸りきった私。

職場で突如降りかかった理不尽な話の全てをぶちまけると、少しはスッキリするか
もしれないけれど、同僚たちからはいつもどおり優しい言葉をかけてもらい、意気
消沈から少し抜け出せたかも・・・;;
それにしても同じ対応をしたつもりでも「人」のその時の気持ちによって捉え方が
全く逆になるという怖さを痛感;

 


コメント (2)