前々回の日記の続きです。
一息入れずにはいられない内容なので、分けてみました;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
嘘やヘイト、デマ情報ほど拡散しやすくなる仕組みは、アルゴリズムにより、広告を表示
する側がそう仕向けていることが主な原因の一つだったが、その内容はますますエスカレー
トし、特に米国では今やそれが国民の分断を煽り、議会襲撃事件に至ったことは明らかだった。
「行動を起こすのは今だ、ペンス副大統領が国と憲法のために立ち上がることを切に願う。
さもなくば、君に大いに失望するだろう」と、トランプが国民を扇動した結果であり、また
フェイスブックのアルゴリズムが襲撃事件に繋がる有害なコンテンツをどんどん拡散させ
「選挙が盗まれた」という主張に興味を持った人たちに、次々にお勧めのグループを紹介し
たのも一因だった。
米国に限らず、イギリス下院議員のジョーコックスさんは、EU離脱の是非を問う国民投票
の直前に白人至上主義者に殺された。犯人はニセ情報に踊らされ、彼女を殺すべきだと信じ
込み、「ブリテンファースト!裏切り者に死を!」と叫んでいた。極右団体ブリテンファース
トが、フェイスブックで100万回の「イイね」を獲ったと主張。
そして、Xのオーナーとなったイーロンマスクは主張する。
論理の破綻どころではない意味不明の弁に、驚く。さすが、トランプ支持者である。
トランプ支持者の議会襲撃の前後、潜入捜査をした女性は、アメリカの民兵組織や極右団体
のオンラインコミュニティに架空の人物に成りすまして潜入した。事件後には彼女のフェイ
スブックには山ほどの選挙の不正を主張する記事や投稿が表示され、同時に軍の装備品の広
告も出てくるようになった。
フェイスブックが特定の個人に特定の広告を表示する仕組みには、その人の関心があると
されるカテゴリーに、検索したワードを残すことにあるという。「SNSでの民兵組織や
過激派の活動を禁じる」と大々的に発表していたにも拘らず、こうした広告は規制されず
ユーザーの関心のキーワードに(彼女の場合)「民兵」を残して利益を上げようとしていた。
結果的に襲撃を応援していたことになる。フランスの大学院で、人工知能について学び、
学位をとった後にグーグルに就職した男性は、ユーチューブのソフトウエアの改良に取り組
んだが、「次に見る動画を勧める時、A 案とB案のどちらが有効か、つまりどちらがユーザー
をより長い時間ユーチューブに引き留められるか探っていたのです」と語った。
私たちのSNS上での行動はつぶさに分析されている。どこでスクロールし、どこで止めたのか
それらの情報を基に、入念に設計されたアルゴリズムが、どのコンテンツを勧めるのが効果的
か個々に判断する。
次々に同じ陰謀論のビデオを観ていると、こんなに多くの動画があって、皆同じことを言って
いるのだから、事実に違いないと思うようになる。その主張に納得したからではなく、繰り返
しこそがユーザー引き留めのためにグーグルがとった戦略なのだという。
彼は、陰謀論を大量に勧める傾向にあるユーチューブに反発して、本来の「ユーザーが新しい
コンテンツを発見したり今までと違う視点にであう為のおすすめ機能を作ろう」と提案したが、
会社は受け入れず、クビになった。
「ユーザーはスクロールして投稿や記事を読み続ける。すると投稿3つごとに広告が現れ金が落
ち、(表示されるだけで広告主からお金を獲れる)次の3つでまた広告が出る。彼らは私たちの頭
の中を乗っ取ることで巨万の富を得ている」
ネット広告の表示で収益を得る仕組みのプラットフォーム企業は、常により多くのユーザーを取
り込もうとしているが、世界には経済的な理由でインターネット接続が困難な人々がいる。そこ
でフェイスブックはフィリピンやインドネシア、ブラジルなどで携帯電話の関連企業と提携して
サービスの無料提供を始めた。(食べるものにも困っているという人たちが、なぜネットに繋が
っているのかずっと不思議だったけど、そういうことか‥と納得)
それにより、そこでは「フェイスブック」がインターネットを指す言葉になった。だが彼らはフェイ
スブックの垣根を超えることは出来ず、事の真偽を確かめたくても、他の検索サイトは使えない。そ
のような限られたネット環境しか持たないインターネットに関する知識に疎い人々に、管理者のチェ
ックを受けない山ほどの偽情報やヘイトが組み合わさると、とんでもない惨事が起こる。
実際、ミャンマー、エチオピア、中東諸国でそれは起こった。ケニアでは選挙の数か月前からヘ
イトスピーチに関する検知能力をチェックしたが、フェイスブックに関してMetaはチェックして
いると公言していたにも拘らず、試しにヘイト内容の広告を出してテストしてみた所、すべて審査
を通過したという。
今や何千もの企業が、私たちのスマホやパソコンが生み出す膨大なデータを、競って収集分類し、
販売している。データの売買は世界中で行われ、スマホやアプリが普及している国なら必ず、デー
タのブローカーが居て、あなたのデータを集めている。
2023年ジョアン・キムという女性が精神衛生に関わるデータの販売について調査した。彼女はデー
タブローカーにそれらのデータを買いたいと持ち掛けた所、販売を承諾した会社は10社以上あり、
その症状ばかりか使用した薬剤、経済状況や位置情報までのリストが提供されようとしたという。
驚いたことに、家族計画クリニックの駐車場にどの端末が訪れたかというデータまで、位置情報
により検知されている実態まで明らかになり、ここを訪れた女性のスマホには「人工妊娠中絶反対」
の組織から、「中絶予約はキャンセルできる」などと言う広告が表示されたという。
オランダでは、エリックヴァンデンバーグという男性が小遣い稼ぎの振りをして「ビットコインで有
名人が大儲け」という広告を打った相手にコンタクトを取ったところ、相手はすぐさま連絡をしてき
てデータ1式の圧縮ファイルを送ってきた。解凍すると中には11のマーケット向けに加工された48
の捏造記事があり、それらを彼がSNSに投稿し誰かがクレジットカードの番号を入力すれば、1件に
つき600ドル貰えるということだった。
今や、おとり広告、投資詐欺、銀行口座の情報抜き取り、サイバー犯罪の被害者は世界中で絶えない。
ヨーロッパ連合では、デジタルサービス法が合意に達したという。オフラインで違法なものは、オンラ
インでも違法だとするデジタルサービス法。
これに対し、IT大手は莫大なカネを投じて必死にロビー活動を行っている。(手前はマークザッカーバーグ)
詐欺グループはグーグルやフェイスブックに広告掲載料を払っている。なので巨大IT企業の利益追求と、厳格
な広告に対する規制とは相反する関係にある。彼らは防止策を講じるとは言うが、全力を尽くすかどうかは
疑問。巨大IT企業がビジネスの透明性を高めない限り、問題は闇の中に埋もれたままだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
とてつもなく長い文章になりましたが、この実態はますます水面下で加速することでしょう。あなたや私の
周りでも、いつ被害に遭う人たちが現れるかもしれない。私に、「陰謀論」を唱えるユーチューバーのチャン
ネルを観てという友人も、知らないうちに片棒を担いでしまっている実態。「観ない」ことでしか、自分さえ
守れないのだから、すでに暴走を始めた人たちを止められるわけがないのかもしれない・・・。
(参考書籍)
※余談ですが、私の今日の記事の下に表示されている広告は、動物関連ばかり(笑)なんかホッとする~~
でも他所に行けば、以前チェックした画材だったり、洋服や雑貨、衛生用品などがずらり。やっぱり抜き取
られている?@@; あなたには何が表示されていますか!?
一息入れずにはいられない内容なので、分けてみました;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
嘘やヘイト、デマ情報ほど拡散しやすくなる仕組みは、アルゴリズムにより、広告を表示
する側がそう仕向けていることが主な原因の一つだったが、その内容はますますエスカレー
トし、特に米国では今やそれが国民の分断を煽り、議会襲撃事件に至ったことは明らかだった。
「行動を起こすのは今だ、ペンス副大統領が国と憲法のために立ち上がることを切に願う。
さもなくば、君に大いに失望するだろう」と、トランプが国民を扇動した結果であり、また
フェイスブックのアルゴリズムが襲撃事件に繋がる有害なコンテンツをどんどん拡散させ
「選挙が盗まれた」という主張に興味を持った人たちに、次々にお勧めのグループを紹介し
たのも一因だった。
米国に限らず、イギリス下院議員のジョーコックスさんは、EU離脱の是非を問う国民投票
の直前に白人至上主義者に殺された。犯人はニセ情報に踊らされ、彼女を殺すべきだと信じ
込み、「ブリテンファースト!裏切り者に死を!」と叫んでいた。極右団体ブリテンファース
トが、フェイスブックで100万回の「イイね」を獲ったと主張。
そして、Xのオーナーとなったイーロンマスクは主張する。
論理の破綻どころではない意味不明の弁に、驚く。さすが、トランプ支持者である。
トランプ支持者の議会襲撃の前後、潜入捜査をした女性は、アメリカの民兵組織や極右団体
のオンラインコミュニティに架空の人物に成りすまして潜入した。事件後には彼女のフェイ
スブックには山ほどの選挙の不正を主張する記事や投稿が表示され、同時に軍の装備品の広
告も出てくるようになった。
フェイスブックが特定の個人に特定の広告を表示する仕組みには、その人の関心があると
されるカテゴリーに、検索したワードを残すことにあるという。「SNSでの民兵組織や
過激派の活動を禁じる」と大々的に発表していたにも拘らず、こうした広告は規制されず
ユーザーの関心のキーワードに(彼女の場合)「民兵」を残して利益を上げようとしていた。
結果的に襲撃を応援していたことになる。フランスの大学院で、人工知能について学び、
学位をとった後にグーグルに就職した男性は、ユーチューブのソフトウエアの改良に取り組
んだが、「次に見る動画を勧める時、A 案とB案のどちらが有効か、つまりどちらがユーザー
をより長い時間ユーチューブに引き留められるか探っていたのです」と語った。
私たちのSNS上での行動はつぶさに分析されている。どこでスクロールし、どこで止めたのか
それらの情報を基に、入念に設計されたアルゴリズムが、どのコンテンツを勧めるのが効果的
か個々に判断する。
次々に同じ陰謀論のビデオを観ていると、こんなに多くの動画があって、皆同じことを言って
いるのだから、事実に違いないと思うようになる。その主張に納得したからではなく、繰り返
しこそがユーザー引き留めのためにグーグルがとった戦略なのだという。
彼は、陰謀論を大量に勧める傾向にあるユーチューブに反発して、本来の「ユーザーが新しい
コンテンツを発見したり今までと違う視点にであう為のおすすめ機能を作ろう」と提案したが、
会社は受け入れず、クビになった。
「ユーザーはスクロールして投稿や記事を読み続ける。すると投稿3つごとに広告が現れ金が落
ち、(表示されるだけで広告主からお金を獲れる)次の3つでまた広告が出る。彼らは私たちの頭
の中を乗っ取ることで巨万の富を得ている」
ネット広告の表示で収益を得る仕組みのプラットフォーム企業は、常により多くのユーザーを取
り込もうとしているが、世界には経済的な理由でインターネット接続が困難な人々がいる。そこ
でフェイスブックはフィリピンやインドネシア、ブラジルなどで携帯電話の関連企業と提携して
サービスの無料提供を始めた。(食べるものにも困っているという人たちが、なぜネットに繋が
っているのかずっと不思議だったけど、そういうことか‥と納得)
それにより、そこでは「フェイスブック」がインターネットを指す言葉になった。だが彼らはフェイ
スブックの垣根を超えることは出来ず、事の真偽を確かめたくても、他の検索サイトは使えない。そ
のような限られたネット環境しか持たないインターネットに関する知識に疎い人々に、管理者のチェ
ックを受けない山ほどの偽情報やヘイトが組み合わさると、とんでもない惨事が起こる。
実際、ミャンマー、エチオピア、中東諸国でそれは起こった。ケニアでは選挙の数か月前からヘ
イトスピーチに関する検知能力をチェックしたが、フェイスブックに関してMetaはチェックして
いると公言していたにも拘らず、試しにヘイト内容の広告を出してテストしてみた所、すべて審査
を通過したという。
今や何千もの企業が、私たちのスマホやパソコンが生み出す膨大なデータを、競って収集分類し、
販売している。データの売買は世界中で行われ、スマホやアプリが普及している国なら必ず、デー
タのブローカーが居て、あなたのデータを集めている。
2023年ジョアン・キムという女性が精神衛生に関わるデータの販売について調査した。彼女はデー
タブローカーにそれらのデータを買いたいと持ち掛けた所、販売を承諾した会社は10社以上あり、
その症状ばかりか使用した薬剤、経済状況や位置情報までのリストが提供されようとしたという。
驚いたことに、家族計画クリニックの駐車場にどの端末が訪れたかというデータまで、位置情報
により検知されている実態まで明らかになり、ここを訪れた女性のスマホには「人工妊娠中絶反対」
の組織から、「中絶予約はキャンセルできる」などと言う広告が表示されたという。
オランダでは、エリックヴァンデンバーグという男性が小遣い稼ぎの振りをして「ビットコインで有
名人が大儲け」という広告を打った相手にコンタクトを取ったところ、相手はすぐさま連絡をしてき
てデータ1式の圧縮ファイルを送ってきた。解凍すると中には11のマーケット向けに加工された48
の捏造記事があり、それらを彼がSNSに投稿し誰かがクレジットカードの番号を入力すれば、1件に
つき600ドル貰えるということだった。
今や、おとり広告、投資詐欺、銀行口座の情報抜き取り、サイバー犯罪の被害者は世界中で絶えない。
ヨーロッパ連合では、デジタルサービス法が合意に達したという。オフラインで違法なものは、オンラ
インでも違法だとするデジタルサービス法。
これに対し、IT大手は莫大なカネを投じて必死にロビー活動を行っている。(手前はマークザッカーバーグ)
詐欺グループはグーグルやフェイスブックに広告掲載料を払っている。なので巨大IT企業の利益追求と、厳格
な広告に対する規制とは相反する関係にある。彼らは防止策を講じるとは言うが、全力を尽くすかどうかは
疑問。巨大IT企業がビジネスの透明性を高めない限り、問題は闇の中に埋もれたままだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
とてつもなく長い文章になりましたが、この実態はますます水面下で加速することでしょう。あなたや私の
周りでも、いつ被害に遭う人たちが現れるかもしれない。私に、「陰謀論」を唱えるユーチューバーのチャン
ネルを観てという友人も、知らないうちに片棒を担いでしまっている実態。「観ない」ことでしか、自分さえ
守れないのだから、すでに暴走を始めた人たちを止められるわけがないのかもしれない・・・。
(参考書籍)
※余談ですが、私の今日の記事の下に表示されている広告は、動物関連ばかり(笑)なんかホッとする~~
でも他所に行けば、以前チェックした画材だったり、洋服や雑貨、衛生用品などがずらり。やっぱり抜き取
られている?@@; あなたには何が表示されていますか!?