森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

何なん それ。

2024-08-09 | 社会問題・政治関連
数回前の朝ドラ「虎に翼」の中で、星航一(岡田将生)が戦争で家族を失った弁護士の話を
聴いた後、「ごめんなさい」と何度も何度も泣きながら謝罪する場面があった。
星は、これまで口止めされていたその驚くべき理由を初めて寅子たちの前で語るのだった。

「僕は、総力戦研究所に居たんです」その場にいた寅子はじめ、周囲の誰ひとりとして、そ
の名を知らなかった。「知らなくて当然です。そこでのことを口外するなと禁じられていまし
たから」「昭和15年に設置された内閣総理大臣直轄の研究所です。官界や民間組織から30代の
優秀な人材が集められました。研究所の目的は総力戦の本質を明らかにし、その運営の中枢人
物たるに必要な能力を習得させること。

そして大戦に向けて、軍を、国民を、指揮監督する人材を育成すること。僕たち研究生は模擬
内閣を発足させ、机上演習を行いました。日米戦争を想定した総力戦の机上演習です。机上演
習の結果は日本が敗戦。その理由は資源の自給率の低さなど様々。

何度も演習を重ねましたが、その結果が覆ることはなかった。僕らは机上演習の結果を報告し
た。当時の国の中枢を握っていた人たちの前でね。でも彼らは言った『これは机上演習であっ
て、実際の戦争とは全く異なる。研究に関する諸君らの努力は認めるが、この演習の結果は政
府の方針とは何らの関係もない』僕らは口外を禁じられて解散となりました。その後戦争は机
上演習をなぞるように進み、日本は敗戦した。流石に原爆投下は予想できませんでしたが」

「もちろん僕一人が何が出来たか、たかが知れてる。でも、大事な人を失った人間が大勢いる。
その責任が微塵もないなんて。自分は従ったまでなんて、どうしても僕は言えない。その罪を
ぼくは誰からも裁かれることなく生きている。僕はそんな自分という人間を何も信じていない。
そんな人間が何かを変えられるとは思わない。だから謝るしかできないんです。」

(この回のこの箇所だけ切り取って保存していた映像を文字起こししたので、不正確な部分
があれば訂正します)その後調べてみたら、沢山の記述があった。

その一つ、wikiの記述の中にも、そのメンバーに星の実際のモデル「三淵乾太郎」の名もあった。
星さんが謝ることじゃないことは誰にだってわかる。責任を取らなかったのは、国なんだと。
省かずにこのシーンを入れてくれたこと一つとっても、このドラマの脚本家が伝えたいこと
が判る気がした。 

先日の「膨張と忘却」でも、 原子力・エネルギー関係の政府審議会で、委員の意見を聞かな
かった国の態度と共通しているのは、どちらも初めに政府側の「結論ありき」で発足している
ところ。ちゃんと議論を重ねたという体(てい)を見せたいだけなのだと。何なん、それ。

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