森の中のティータイム

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映画「スキャンダル」に見るトランプ氏の正体

2022-07-25 | 映画ドラマ
無料のBSチャンネルで、2020年に日本でも公開された映画「スキャンダル」を観た。

「2016年に米テレビ局FOXニュースで実際に起きたセクシュアルハラスメントの裏側を描
いた作品」とあるが、日本ではその後の「Me Too」運動のきっかけになった映画界のセク
ハラ事件ほどの大きな扱いがなかったためか、私はアカデミー賞候補に挙がったことと、有
名女優達が競演したことくらいしか知らなかった。



映画の中で明らかにされたFOXニュースのロジャーという人物のセクハラは、気分が悪くな
る酷いものだったが、同じようなことが多くの現場で起きていただろうこと、そしてそれら
が長い間闇に葬られていただろうことは容易に想像がつく。

実際、アメリカだけではなく日本の映画界でも近年、そういう声が上がっている。
被害に遭った側からの声は届きにくいものだという現実も理解しているが、この映画では、
最終的に経営者側(マードック氏)が、女性たちの証言の信ぴょう性を覆せない状況を見て、
ロジャーを解雇するという結論に至るまでを描いていて、胸のすく思いになる。それだけで
被害に遭った女性たちの「心の傷」が癒えるわけではないけれど。

また、この共和党寄りの「FOX」という会社の特性上、この映画でもドナルド・トランプ
との癒着が見てとれる。先日事故で亡くなったとされたトランプ氏の元妻「イヴァナ」さ
んが、トランプ氏が大統領候補になる前に「トランプとのセックスはレイプ同然だった」
と訴えた事実を、女性キャスターが報じた部分。

ロジャーは彼女に「トランプがカンカンだぞ」と電話し、「トランプは手放せない。丸く
収めろ!」と電話を切る。レーガン、ニクソン、パパブッシュにも有利なように公開討論
会を仕掛けたのも、ロジャーだった。彼は「ニュースも船と同じで舵から手を離すとすぐ
左側に引っ張られる」の持論をもっていた。

彼に反発する女性キャスターは、トランプが大統領選に臨む前の公開討論会でトランプに
公開質問する。「意見の合わない女性のことをこう呼ぶのはいかがなものでしょう。太っ
た豚 雌犬、のろま、そして薄汚いケダモノ。しかも外見を揶揄するツイートがいくつか
見られました。あなたの番組ではある女性出場者に膝まづく姿が見たいとも仰った。ご自
身が大統領にふさわしい人格だと本当に思われますか」

これに対してトランプは一晩中15回ものツイートで「FOXの尻軽女メーガンに最低評価を」
などと口汚く罵った。彼女を敵対視し始めた共和党の一般人は、同じような品のない態度で
酷い言葉を彼女に投げつけた。だが良識ある人たちの殆どが、このような人物が勝てるわけ
がないと当時は思っていた。

しかし彼女の周囲では「トランプは一日中FOXニュースを観ている。ロジャーが彼のイカれ
たスピーチを一日中垂れ流すからご機嫌なんだ。あの二人は考え方が同じだからだ」と彼女
に進言し、ロジャーの力を恐れた。ロジャーは実際そういう権力を持っていた。

日本人で一時期トランプを擁護していた人たちは、このようなトランプの醜聞を本当に「デ
マ」だと思っていたのかもしれない。或いは「安倍総理」を応援するあまり、親しいとされ
るトランプの醜聞を聴かぬふりしたのかもしれない。
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実際の人物に近づけるための特殊メイクはあの「辻一弘さん」だそうで、ニコール・キッド
マンはともかく、シャーリーズ・セロンは全く言われないと判らないレベルで、驚いた☆

 
左がシャーリーズ右が実際のメーガン    左がニコール右が本物のグレッチェン

 
右が実際のロジャー          右が実際のFOXグループ経営者ルパート・マードック

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2 コメント

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Unknown (みなあん)
2022-07-25 22:50:01
一つのセクハラやパワハラが巨悪に繫がっていて、呆然と立ち尽くすことってありますよね。
長年アムネスティなどで人権活動に関わっていると、人間や組織や国家に絶望することが多々あります。
伊藤詩織さんが「一区切り」とされたことは、本当にお疲れ様と伝えたいですね。
この映画、アマプラの無料にありましたので、ウォッチリストに追加しました!
その際、「これを観た人はこちらも…」のなかに、敬愛するルース・ベイダー・ギンズバーグさんの観ていない映画を見つけ、合わせて感謝です。
フリー・ウィリーも有料でありましたので追加済みです。
そしてウォッチリストが増え続け、時間がほしいと嘆くわけですね〜。
職場ではコロナ包囲網が狭まってきて、いつ再感染しても…な状態です。
今年に入って何度か映画館にも行けて、明日も古い映画の上映会に半休取って行く予定でしたが諦めました。
カラオケもそうですが、庶民の細やかな楽しみを「自粛」で奪われつづけて辛いですね。
この先に明るい未来があると信じて乗り切りましょう!
返信する
みなあんさん☆ (wildrose)
2022-07-26 17:40:34
生きていると、社会において当たり前のようにまかり通る理不尽さに、
憤りを通り越して呆れ果ててしまったり、
「知らなければよかった」と思う醜い現実を観ては、
「絶望」に近い感情にとらわれたりしますね。

私はルース・ベイダー・ギンズバーグさんの映画は未見ですが、
wikiで読む限り、進歩派の判事であったギンズバーグさんの死後、
異例の速さで「保守派の判事」を後任に指名したトランプ大統領のことなど、
当時のアメリカの状況をもっと知りたいと思いました☆

知れば知るほど、トランプ氏の「人としての浅ましさ」がより浮き彫りになりますが、
彼を上回る巨悪と、彼女はずっと闘い続けてきたのかもしれないですね。

米国で「陰謀論」などにより、トランプのような人を擁護してしまう人には
比較的無教養な人が多いと聴きましたが、「そうとは言えない日本人が、なぜ彼のような人物を信じるのか」
と世界で大きな話題になったのは、ほんの一年前の話でした。私も本当に不思議です。
そういう力が、トランプをまた大統領にするのではないかと恐怖でしかないです。

みなあんさん、コロナの亜種にもくれぐれもご用心くださいね☆
私は当分ヒトカラにも行かないつもりです;;
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