「あほリズム」(717)~(719)

2020-08-15 11:16:45 | アフォリズム(箴言)ではありません

         「あほリズム」

 

          (717)

 

 そもそも閣僚が靖国神社を参拝しようが、それを他国からとやか

く言われる筋合いはないというのはもっともなことだが、ただ、決

して忘れてはいけないのは、かつて日中国交正常化交渉において、

故 周恩来首相が日本に対して戦争の「賠償請求の放棄」を認めたの

は、『「日本人民と中国人民はともに日本の軍国主義の被害者であ

る」として、「日本軍国主義」と「日本人民」を分断するロジック

によって「未来志向」のポリティクスを提唱し、共同声明を実現さ

せた。』(ウィキペディア『日中国交正常化交渉』) からであって、

ところが、喉元の短い我ら大和民族は過ぎ去った熱さをすぐに忘れ

て、1978年にいわゆる東京裁判において処刑されたA級戦犯、

つまり日本軍国主義の指導者たちが、日本人民である英霊が眠る靖

国神社に合祀されたことによって「周恩来の遺訓」(保阪正康)は踏

み躙られ、https://home.hiroshima-u.ac.jp/utiyama/ISIS-12.3.W.html

「未来志向」のロジックは忘れ去られた。つまり中国からすれば、

その経緯を蔑ろにしているのは日本側であって、以来、日本軍国主

義者(A級戦犯)が合祀されている靖国神社への閣僚の参拝を非難して

いる。私から見れば、中国の反発は尤もように思えるが、さらに言え

ば、「台湾は中国の一部」であることも二国間で合意されている。

 果たして、我々はこの約束を守れるのだろうか?

 

            (718)

 

 声高に正義を叫ぶ者は、時として自らの無知に口を閉ざす。

 

            (719)

 

 自虐に厭いたので自惚れよう。そもそも自分たちが何を行なった

のかという事実さえも認めずにいったい何を語ろうと言うのか?

過去の戦争を振り返って自国の正当性を主張すれば、相手国を蔑ろ

にすることは当然の帰趨である。我々は他国への侵略や植民地支配

を行なったのは事実だが、つまり、相手の領土に押し入ったが、し

かし不正な行為はいっさい犯さなかった、と言っているのだ。