「あほリズム」
(731)
ハイデガーによれば、「現存在は現存在であるかぎり、すでに
負い目あるものである」と言います。つまり、何も存在しない沈
黙の世界を破って、存在するということ自体が負い目だと言うの
です。そして、その負い目こそがわれわれを何ものかに駆り立て
るのです。
(732)
「良心は世界=内=存在の不気味さの中から関心が叫ぶ叫び声であ
り、現存在をひとごとでない負い目ある存在可能へ呼び起こす呼び
かけである。」(ハイデガー著「存在と時間」第59節 良心の実
存論的解釈と、通俗的な良心解意)