先日、映画「ダウト」(監督ジョン・パトリック・シャンリー)を観た。トニー賞とピューリツァー賞をダブル受賞した監督自身の戯曲を映画化した作品だ。
「2008年に観た芝居」のベスト10に入れたように、昨年4月文学座がこの芝居をやったのを観ていたお陰で、今回その映画化作品を見ながら、まさに至福の時を過ごすことができた。舞台劇が骨格だとすると、それに肉付けされてゆくのを観る喜びだ。
冒頭、日曜のミサに集まる人々、そしてその準備に当たる人々。パイプオルガンは2階後方にあり、オルガニストは講壇(カトリックだから祭壇と言うのだろうか)の方が見えるように鏡の角度を調整する。
そして神父の説教。いきなりdoubtについて。この最初のシーンから最後まで、このテーマが一貫している。
ケネディ大統領暗殺の翌年であることが示され、その一言で時代が見事に設定される。
主役M・ストリープの登場のさせ方がうまい。こういうところこそ映画ならではで、観客の心をときめかせ、いやが上にも期待が高まる。
detailもしっかり描かれている。季節の変化も。
ラスト、クリスマスの讃美歌が流れる中、思いがけないシスターの言葉。ここをどう解釈するか、意見が分かれるかも知れない。
私は、正義のためとは言え、犯してしまった自分の罪を悲しみ嘆く気持ち、心の平安を得ることのできない自分の性格を厭う気持ち、と取った。
シスターでありながら信仰が揺らいでいる(つまり神へのdoubtを抱いている)とまで取るのはちょっと頷けない。
シャンリー監督は劇作家だが、映画の文法を熟知している。だからこそ至福の時を堪能することができた。
「2008年に観た芝居」のベスト10に入れたように、昨年4月文学座がこの芝居をやったのを観ていたお陰で、今回その映画化作品を見ながら、まさに至福の時を過ごすことができた。舞台劇が骨格だとすると、それに肉付けされてゆくのを観る喜びだ。
冒頭、日曜のミサに集まる人々、そしてその準備に当たる人々。パイプオルガンは2階後方にあり、オルガニストは講壇(カトリックだから祭壇と言うのだろうか)の方が見えるように鏡の角度を調整する。
そして神父の説教。いきなりdoubtについて。この最初のシーンから最後まで、このテーマが一貫している。
ケネディ大統領暗殺の翌年であることが示され、その一言で時代が見事に設定される。
主役M・ストリープの登場のさせ方がうまい。こういうところこそ映画ならではで、観客の心をときめかせ、いやが上にも期待が高まる。
detailもしっかり描かれている。季節の変化も。
ラスト、クリスマスの讃美歌が流れる中、思いがけないシスターの言葉。ここをどう解釈するか、意見が分かれるかも知れない。
私は、正義のためとは言え、犯してしまった自分の罪を悲しみ嘆く気持ち、心の平安を得ることのできない自分の性格を厭う気持ち、と取った。
シスターでありながら信仰が揺らいでいる(つまり神へのdoubtを抱いている)とまで取るのはちょっと頷けない。
シャンリー監督は劇作家だが、映画の文法を熟知している。だからこそ至福の時を堪能することができた。