ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

寺山修司作「レミング」

2013-06-09 22:55:17 | 芝居
5月14日パルコ劇場で、寺山修司作「レミング」をみた(上演台本:松本雄吉・天野天街、演出:松本雄吉)。

これは没後30年を迎えた寺山修司の「天井桟敷」の最終公演だった作品。

冒頭、男2人が客席に向かって座り、中華料理の名を列挙、しかも早口で交代で。相当練習しただろう。

一群の人々が簡単な打楽器に合わせてリズミカルに行進する。時々リズムが変わる。

2人のコック見習いの男が住むアパートの部屋に、突然隣室の男女がいる。間の壁がなくなったのだ。
男は病気で女が看病している。コック見習いの男は壁をもう一度作ろうとするが・・。

突如、ビデオカメラやマイクなどを持った人々がやって来る。
これは実は、精神病院での治療の一環で、一人の患者のために大勢が演技をしているのだった。

ところが後になって分かったことは、そのシーン全体が、或る人の夢なのだった・・。

コック見習いの男(八嶋智人)の母役の松重豊が怪演(快演!)。その姿には作者とその母との重苦しい関係が反映されている。

「群舞」に近い集団の動きの美しさ。どれほど練習を重ねたことだろう。これがあの「天井桟敷」の最終公演だったのか・・。
コメント
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