ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

井上ひさし作「うかうか三十、ちょろちょろ四十」

2013-06-16 23:42:00 | 芝居
5月21日紀伊国屋サザンシアターで、井上ひさし作「うかうか三十、ちょろちょろ四十」をみた(演出:鵜山仁)。

井上ひさし24歳の幻のデビュー作の由。

お侍医(小林勝也)をお供に村をお忍びで歩いていた殿様(藤井隆)は、美しく働き者の娘ちか(福田沙紀)に一目惚れ。
だが気が小さくてなかなか思いを打ち明けられない。ようやく打ち明けると、権ず(ごんず)という大工と所帯を持つことに
なっている、とあっさり振られ、がっくりして城に帰る途中、嵐に会い正気を失う。
それ以後2人(殿と侍医)は、村を回り、病気の人を見つけては、診察すると称して体を見、どこも病気ではない、健康体だ、
と告げて人々の喜ぶ顔を見て喜んでいた。
ちかの夫となった権ず(鈴木裕樹)は結婚後1年もしないうちに胸の病に倒れ、以来8年間寝たきり。
そこに現れた2人がどこも悪くないと言うので、権ずもすっかりその気になり、夫婦はひと時喜び合う。明日からうんと働くぞ、
と言っていると、侍がやって来て、先ほどの2人連れは気がふれていて病気の人をつかまえては病気じゃないと言う・・と
告げるので、権ずはがっくり。また元に戻ってしまう・・・。
次に2人が村にやって来た時にはちかも権ずも亡くなっており、2人の娘れい(福田沙紀の二役)が母親と同じように歌を歌い
ながら働いていた・・。

うむ、何と言うか、変わった話だ。
まず「村の殿様」はおかしい。村なら名主さまだろう。

自分の子供である「おれい」を母ちかも父権ずも「あのわらし」と呼ぶのはどういうわけか。

殿様はなぜ20年もの間記憶を失うのか。その間侍医も彼の奇妙な行動につき従うのはなぜか。

東北弁は楽しかったが、これまで上演されなかったのも無理はない。

庶民の側にとことん立つ作家の心意気は十分伝わってくるが、んだども後味はあんまし良ぐねえなっす・・・。

東北弁の魅力が味わえたのと、帰りに山形のお米「つや姫」を一人150gずつもらえたのはよかったけど。



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