ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

サルトル作「アルトナの幽閉者」

2014-05-16 22:30:12 | 芝居
3月7日新国立劇場小劇場で、サルトル作「アルトナの幽閉者」をみた(演出:上村聡史)。

1959年ドイツ。喉頭癌に侵され余命6ヶ月と宣告された父親は、自らが営む造船業の後継者を決めるために家族会議を開く。
次男で弁護士のヴェルナーとその妻ヨハンナ、長女のレニが参加する中、父はヴェルナーに会社を継がせ、さらに自宅に住まわせようとする
が、ヨハンナに猛反発される。一同の心に重くのしかかっているのは、長男フランツの存在であった。
彼は13年前にアルゼンチンへと出奔、3年前に彼の地で死んだことになっていたが、実は第二次世界大戦中に、或ることから心に深い傷を
負い、以来、妹のレニの世話のもと、ずっと家の2階にひきこもったまま狂気の生活を送っていた。
フランツを愛する父親の最後の望みは、長男との対面と、彼の世話を次男夫婦がすることであった。ヨハンナの説得により、13年ぶりに
待望の対面を果たした父親とフランツ。果たして一家の辿る運命は…。

長男フランツ役の岡本健一が驚きの熱演。かつてリチャード三世をやった時は特に印象に残らなかったが、今回、大量のセリフをこなし、
痛ましくも特異な人物像を迫力ある姿で作り出した。これは早くも今年の最優秀男優賞候補か…。

次男の妻ヨハンナ役の美波も印象深い。

回想シーンの入れ方がうまい。照明が変わり、目の前に第二次大戦中のドイツ兵たちが現れる。

コメント
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