ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「ウーマン・イン・ブラック」

2015-10-10 22:58:22 | 芝居
8月29日パルコ劇場で、スーザン・ヒル原作「ウーマン・イン・ブラック」をみた(脚色:S.マラトレット、演出:R.ハーフォード)。

休憩15分入れて2時間5分。全2幕。

勝村政信と岡田将生の二人芝居。

枠構造。アーサー・キップスという中年男性が、ある男優に相談に来て、彼の経験した恐ろしい出来事を家族・身内の人々に話して、苦しみから
解放されたいと言う。彼はノートにその話を書いて渡すが、それは朗読すれば5時間はかかりそうな長いものだった。男優は芝居仕立てに
しようとし、自ら若き日のキップスになり、キップスにはその都度彼が出会った人を演じさせる。
最初のシーン。キップスは地味なスーツ姿で舞台中央に立ち、背を丸めて自分のノートをか細い声で読み上げる。男優は途中で止め、もっと
観客に分かり易いように、と注文をつける。
次はキップスの勤めていた弁護士事務所のシーン。相変わらず原稿を棒読みするだけで、男優が戯曲に書き換えてくれたものを、ト書きまで読んで
しまうキップスに、男優がメガネを貸す。それをかけると、あ~ら不思議、ちょっと戸惑った後、キップスは急に芝居ができるようになって…。
それからはもう、上司、列車の客、ホテルのボーイ、亡くなった老婦人の葬儀に案内する男ジェローム、馬車の御者…と様々な人物を変幻自在に
演じ分けるのだった。

彼の思い出の中に登場する黒衣の女が舞台上にもその都度現れる。
館の3階の鍵のかかった部屋は、かつて子供部屋だった。彼が夜一人で遺品整理をしていると、そこから何か物音が聞こえてくるのだった…。
舞台装置がいい(美術:畑野一恵)。特に舞台奥に階上への階段が現れた時は美しかった。

音響効果も馬車のひづめの音など美しいが、女の悲鳴は耳に突き刺さるようで強過ぎる。

ラスト、この話はまだ完結していない、ということらしい。
英国ゴシック小説の独特の世界だ。お陰で、この後しばらくは、夜一人でいるのが怖かった(笑)。
コメント
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