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「おらおらでひとりいぐも」見て来た。玄冬小説の方向性と課題を整理してくれたかんじ。

2020-11-28 13:02:29 | そのほか
11月28日、朝の9:00~池袋で「おらおらでひとりいぐも」を見て来た!
「おらおらでひとりいぐも」といえば、玄冬小説。玄冬って

青春小説の青春
斉藤朱夏の朱夏
北原白秋の白秋のあとにくる
老人年寄の玄冬、その玄冬のようすを書いた小説が玄冬小説で、
「おらおらでひとりいぐも」によって開かれたジャンルと言われている?

なので、その映像手法などもまだ固まっていない
(妄想が中心になってくるんだよね)

そんな中での「おらおらでひとりいぐも」の映像化なんだけど、
感想は、もう一言しかない。
 田中裕子さんはすごい!
玄冬の寂しさがテーマなんだけど、寂しさの中にある別の何かが
田中裕子さんと風景だけで、すべて表現されている。

他にも、蒼井優さんがいいのは、まあ置いておいて(当然なので)、
おばあちゃん役と、若いころに蒼井優さんと一緒に働く女の人と、
田中裕子さんのお嬢さん役をやる人と、そのお嬢さんの子供
(=田中裕子さんの孫)の女の子がいい。

その最後の最後の場面の1分間(田中裕子さんと孫の会話場面)で、
全ての伏線を回収して(伏線が初めから強烈で、ビッグバンから始まり??
一番大事な伏線「ひとりになって、何のために生きて来たのか」という
この映画のテーマとか、親子の関係とか、すべて、本当にすべてを
解く感じ)玄冬小説とは何を表現すべきなのか?に1つの答え
を出すというところが、この映画、すごすぎる。

(ちなみに、玄冬小説の方向性というか、テーマは、多分、青春小説
 の愛(恋愛)とは違った愛(つながり)と青春・朱夏には見えない
 玄冬の世界観の表現だと思う)


・・・っていうと、すごいいい映画のように聞こえてしまうけど、
課題はありありで、「妄想多すぎ!」。妄想が派手すぎて、
この映画、コントなの?って感じになってしまっている。
多分、妄想シーンはもっと表現を整理しないとダメダメで、
自分だったら、妄想シーンは音をださずに、ワンテンポ遅れて、
田中裕子さんにつぶやかせるだろうなあ~とおもう。

ただ、全般的には、田中裕子さんと、前に挙げた人(おばあさん、
同僚、娘さん、孫)がとてもよかったので(自分、俳優さんを知らないから
誰だかわからないけど、たぶん、超有名な人だと思う。でないと
あそこまでうまくないと思う)良い作品だったと思う。
 でも、もっと田中裕子さんとか、まわりの俳優さんに頼って、
妄想を整理したほうがいいと思う。

いずれにせよ、玄冬小説の世界観を提示していて、妄想の
表現の可能性(成功すれば、鈴木凛子さんのような人の考えも
表現できそう。映画の世界観は一気に広がる!)とどうやって
その妄想を表現するかという課題を提示した点で、見てよかった
・・・と思うけど、人に紹介する場合は・・・


(1)予告編、しっかり見ましょう!
 出てくる3人が妄想、
 オレンジ色のシーンは妄想
   (ただし、オレンジでないところも妄想あり)
 蒼井優さんが出てきたら妄想
っていうことを知っていないと、何が何だかわからない作品になる。

 それと、
(2)最後、孫が出てくるシーンまでは?でOKです。
 途中わかんないけど、最後に解けます(よく見てれば)
 ただし、この映画、自由ってことが出てきますけど、キーワードじゃない
 むしろ愛のカタチ、親子愛とかが多分テーマ。
 なので、この映画のコメントに引っ張られないこと!
 →コメントのような映画には見えない。
 「自分が生きて来た意味は何か」という問題に、立った最後の1分間で
 「これだあ~」と答える(答えを書くとネタバレだと思うので
 書かないけど)数学の問題を、制限時間ギリギリで解けるような
 爽快感のある映画だと思う。

以上2点を気にしてくれれば、まあまあ、いいんでないでしょうか。
(ただ、好みでない人は、好みでないかも・・・)

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