「アベノミクス」の3本の矢で、『企業が儲かれば、滴り落ちる利益で庶民はそのうち潤う』と安倍首は説いたが、そんな嘘っぱちはもう通用しなくなっている。大企業減税で一部の企業は潤い、内部保留をため込む一方、8%に増税された消費税で、個人消費は落ち込み、給与は上がらず(一部の大企業は少しだけ上がって、安倍はそれを宣伝しているが)、さらにこれが10%になったら、庶民の生活はどういうことになるのだろうか。
更に驚くべきことに、この本によれば、《合法的な減税》以外に、ブラック企業と呼ばれている企業を筆頭に《脱税まがい》の本来納めなければならない税金を免れている《有名巨大企業》が多数存在するということだ。 . . . 本文を読む
「クルーグマン+パパンドレウ」の金持ち増税賛成チームと「ギングリッジ+ラッファー」の金持ち増税反対チームの、カナダでの公開討論会の発言を編集した本である。中身を読めば、明らかに『賛成チーム』の方に理がある。 . . . 本文を読む
2008年に『ルポ・貧困大国アメリカ』が、続いて、2010年に続編の『同・Ⅱ』が刊行されて今回のがシリーズ3回目の完結編である。
フリードマンの経済理論が巾をきかせ、世界を闊歩し始めてから、世界各国で『規制緩和と民営化、小さな政府』の標語とする新自由主義政策を掲げる政府が主導権を握り、それと同時に庶民の間には貧困が押し寄せ、格差が広がり、財政危機を口実に福祉や社会保障は切り捨てられ、大企業だけが肥え太ってきた。
今回は、グローバルに展開した多国籍企業が国家機能をも解体し民営化し、自己の繁栄に取り込んでしまう危機を描いたコーポラティズムの最終章である。
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日曜日の晩の9時から放映されて、最近視聴率が30%を超えさらにうなぎ上りだという。堺雅人の演じる『半沢直樹』のキャラクターが当たったようである。
ドラマは毎回見るのが面倒で普段は敬遠している。しかも、すでに数回放映されているというから原作本を先に読んでみることにする。
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「ニッチ」とは生態系において、それぞれの生物が占める固有の【生態的地位】を示す言葉であるが、この本ではそれを《拡大解釈》して、様々な人間がその地位と性行によって占める場所と時間帯を《住み分ける》ことによって、無駄な争い・軋轢を避ける行動様式に当てはめ話が展開する。更に、主人公が訳あって路上生活者になるが、それにも「ニッチ」が大きく関わり、この本のタイトルとなっている。
元々小説は多くを読む方ではないが、久しぶりにワクワクしながらページをめくり楽しく読めた作品である。 . . . 本文を読む
ベトナムが『アメリカ帝国主義』と戦い、北爆にも耐え勝利をおさめて祖国を統一し、新しい社会の建設に取り組んでいた頃、隣のカンボジアでは『ポル・ポト政権』によりすざましい虐殺が行なわれていた。
その《秘密主義》によって、ほとんど解明されていないポルポト派の実像と虐殺の真相に迫るレポートである。 . . . 本文を読む
池谷祐二の前著『進化し過ぎた脳-中高生と語る「大脳生理学」最前線』【2004年「あさひ出版社」刊-後に講談社「ブルーバックス」】がわかりやすい上にめちゃめちゃ面白かったので、本屋で手にして即買ってしまう。 . . . 本文を読む
折しも上の本を読み始めていた時に、『ベレゾフスキー、ロンドンで死亡!』のニュースが飛び込んできた。25日の朝のことである。
このニュースを聞いてすぐに思い起こすのは『リトビネンコ事件』と『アンナ・ポリトコフスカヤの暗殺』である。 . . . 本文を読む
【『仏果を得ず』 三浦しをん著 双葉文庫 2011年刊 】
「仏果を得ず」のタイトルは、この本の最終章【仮名手本忠臣蔵】の極めつけ【六段目・勘平の腹切り】から来ているが、最終章まで読んで、このタイトルの意味がようやくわかった。
原郷右衛門の
『思へば思へばこの金は、縞の財布の紫摩黄金。仏果を得よ』に対し、
瀕死の早野勘平が最後の力を振り . . . 本文を読む
劇作家・小説家の「井上ひさし」は2010年肺ガンで亡くなったが、作家としての『売り出し』から『こまつ座』の立ち上げまで辛苦を共にし、作家を支えたのは1987年に離婚した元妻の西舘好子(井上好子)であるが、この本は、離婚に至るまでの夫婦の様子を西舘が赤裸々に描いたドキュメンタリーである。 . . . 本文を読む
2004年に映画化され、日本では2006年に公開された『ホテル・ルワンダ』やその後公開された『ルワンダの涙』の描いた同じ「ルワンダ大虐殺」をいち早く扱った(といっても唯一のものしれない)ルポルタージュである。ただし、映画の方が1994年の大虐殺を主に描いているのに対し、こちらは「ルアンダ」建国以来のツチ族とフツ族の確執を書いている。
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著者は『城南信用金庫』の理事長で、以前から金融機関の《理事長らしからぬ》発言に注目していたが、まとまった文章を読んだのは初めてである。なるほどユニークな存在であるが、経営者側(?)にも『こういう人もいるのか』と感心すると同時に、一個人でもここまで出来るのかと、ある面励まされる。それにしても、先達の開拓者は気骨があるし、すごい! . . . 本文を読む
民主党代表選挙と自民党総裁選挙が代わるがわるテレビに映し出されるのを見てウンザリした人も多いと思うが、国民の気持ちとして「いい加減にしてくれ!」と叫びたいのが本心である。そんな中で『維新の会』の橋下代表が国会議員をかき集めて、国政に進出するという。その狙いと『維新の会』の本質を見抜いた、わかりやすい本である。 . . . 本文を読む