遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

落語 柳家緑君2

2018-11-13 16:08:40 | 日記
平成30年11月12日(火)

柳家緑君独演会



日曜日に大須演芸場で催された「柳家緑君」の
2度目の独演会、かんから三線の岡大介さんを
迎え、大入りの盛況です。


今回の演目、前半はくしゃみを題材にした、
「棒鱈」と「くしゃみ講釈」
話芸には定評のある緑君、題材の「くしゃみ」
の所作がとても面白い、、、、。
噺家は扇子、手拭等の小道具を上手く使い熟し
亦、飲み食いの音(酒を飲む、蕎麦を喰う等)
等見事で在るが、今回のくしゃみ、最初に鼻が
むずむず、徐々にくしゃみが出始め、遂には
止らなくなり、美味く言葉が発せられず、、
この表情、所作にお客は捧腹絶倒、大爆笑です。



「棒鱈」(ぼうだら)

熊五郎と寅吉が酒を飲んでいると、隣の座敷が
妙に騒々しい、、 酒癖の悪い熊五郎は次第に
不機嫌となり、便所に起った熊五郎は隣を覗こ
うとしてふら付き、襖ごと隣室へ、、、、、
大モメとなり、仲裁に入った中居と伴に、料理
人が慌てて来て、、手に持った「胡椒の瓶」を
つい、振り回し、その場にまき散らす、、、
さあ、その場は大混乱、、、、、、、、

「くしゃみ講釈」(講釈師:今の講談師)

若者が夜半に彼女と逢引の最中、暗闇の中で
犬の糞を踏んだ講釈師に出会う。
講釈師は犬の糞の付いた草履を手に塀の方へ、
居合わせた二人は塀の辺りへ避難、、、、
こちらへ講釈師がやってくる、、慌てた若者
は後ろ手に彼女を庇い、、、、其処へ犬の糞
がついた草履が、若者の鼻面へ、、、、
その事が頭から離れぬ彼女からふられてしまい

収まらぬ若者は報復しようと、兄貴分に相談、
「講釈師に胡椒を嗅がせ、講釈を台無しにして
遣ろう、八百屋にいって胡椒を仕入れて来な」
物忘れの激しい若者は仕入物が思い出せず、
「お前は、覗きからくりの口上が得意だ、、
八百屋お七の愛人の小姓の佶三に託けて、、」
八百屋に出向いた若者は中々思い出せず、
覗きからくりの口上を始める、、、
店の前は黒山の人だかり、ヤット「胡椒」を
所が胡椒は品切れ、、代わりの唐辛子を手に
若者と兄貴分は講釈師の居る小屋へ、、、
火鉢を借け、講釈が始まると唐辛子を火鉢へ
くべ、団扇で煽ぎだす、、、、、
サア大変、講釈師は鼻をムズムズ、、やがて
くしゃみが出始め、、、、、、、、

会場に詰め掛けた老若男女(私を含めて
殆どがお年寄り)お腹を抱え、涙を流して
大笑いでした、、、、。


今日の1句

幕間にも嚏ちらほら寄席の晝    ヤギ爺


※嚏 : クサメ、くしゃみ(冬の季語)


次回は「紺屋高尾」の一席を、、、、