遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

侘 助

2021-01-16 16:40:05 | 日記

令和3年1月16日(土)

侘 助 

中国系の椿の交配種といわれる侘助、ツバキ科の常緑高木

花は小ぶりで一重咲、全開しない。

花の数も乏しく、葉も細くいかにも控えめで茶人好み。

茶花として珍重される所以で、日本の庭に似合う花。

色は白、淡紅、赤白の混じりなど薄い色が多い。

名前の由来は諸説あるが、人名(千利休と同時代の茶人の

侘助が気に入っていた花)からの命名という説、閑寂趣味

の「わび」と、数寄者の「すき」とが結び付いたとされる

説があるが、後者の「わび、さび」からという説が多い。

 

侘助の花の定義として、

太郎冠者

侘助の中で有名な古来から在る品種「太郎冠者」(別名

有楽椿)の子孫であることが要因と言われる。

侘助の定義は

「葯」(やく)という、おしべの先端の花粉を作る器官が

退化して花粉を作らないこと。 太郎冠者が侘助の原点。

侘助の花は、椿より小さく、一重咲か猪口咲きが多い。

椿より開花が早い。椿の花には香りが少ないが、侘助は

香りがある。花色はピンク系の薄い色が多い。

数寄屋侘助

胡蝶侘助

紅侘助

紅白混じり

 

コロナ過で自粛が強いられる中、徳川園も閑散としている。

牡丹園を抜け池の畔を散策していくと、花は少なく、、、

冬の今、目に入るのは寒椿、山茶花、そして侘助である。

何れもツバキ科の植物で、見分けるのは難しい、、、、、

椿は花びらも葉も厚く、艶がある。散る時は椿は花ごと、

ごそっと落ち、縁起を担ぐ人に忌み嫌われる。

山茶花は花びらが薄く、花びらが散り落ち、次々に散り

継ぐように花が咲き継いで、花期も長い。

侘助は先に述べたが、小ぶりの花が枝に少なく、物淋し気

である。日本人好みの情感を誘う花である。

曇天の閑散とした園内で、人影は無く、時折の風に揺れる

白い小さな侘助に、、、、ひとしきりの風が止み、薄日が

射して、ホット一息、、、侘びさびもなく、只ひたすらに

人恋しく、園内のカフェレストランへ、、、、、、

 

今日の1句

侘助の風ひとしきり吹きやみて    ヤギ爺