令和3年1月19日(火)
寒 椿 : 冬 椿
椿といえば日本の代表的な花木で、多くの品種があり、
花の咲く時期も初冬から晩春迄と多様である。
同一の品種では、温暖な地方ほど早く咲く椿は「春の
季語」であるが、「寒椿」は冬季に咲くものを一般的
にいい、早咲きの椿のこと。
早く咲く種類に、園芸品種の中には寒椿と呼ばれる、
八重咲きのものがあり、山茶花の濃い紅の様な花を付
け、山茶花と同様に花弁がバラバラ散るものも在る。
「俳諧初学校」「毛吹草」「増山井」その他に、「冬
椿」「早咲きの椿」として出て居り、「袖かがみ」
「線車(いとぐるま)大成」に、寒椿として出てくる。
近世の頃から、早梅ばかりでなく、早咲きの椿にも心
を留める風流が広まったのであろう。確かに雪の中の
一、二輪の真っ赤な椿などは、緑の葉の艶やかさと
伴に、人の心を引き付ける美しさに満ちている。
寒気にめがず咲く生命力の様なものも、見る者を力づ
ける。
近世の俳諧の用例では、殆どが「冬椿」を用いている。
近代以降ではむしろ「寒椿」の方が一般的に広く用い
られている。
(新日本大歳時記:冬、句評:鍵和田柚子 より)
徳川園の寒椿も、彼方此方に落椿が目立つ様になった。
紅寒椿
紅小雀
「紅寒椿」「紅小雀」などの品種が、花の少ない冬枯
れの園内で、色を添えてくれる。
落椿となっても、それはそれでなほの事に、艶やかに
燃え盛っている、、、、、、
今日の1句
赤々と盛りの儘に落椿 ヤギ爺