遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

寒 椿

2021-01-19 16:39:23 | 日記

令和3年1月19日(火)

寒 椿 : 冬 椿

椿といえば日本の代表的な花木で、多くの品種があり、

花の咲く時期も初冬から晩春迄と多様である。

同一の品種では、温暖な地方ほど早く咲く椿は「春の

季語」であるが、「寒椿」は冬季に咲くものを一般的

にいい、早咲きの椿のこと。

早く咲く種類に、園芸品種の中には寒椿と呼ばれる、

八重咲きのものがあり、山茶花の濃い紅の様な花を付

け、山茶花と同様に花弁がバラバラ散るものも在る。

「俳諧初学校」「毛吹草」「増山井」その他に、「冬

椿」「早咲きの椿」として出て居り、「袖かがみ」

「線車(いとぐるま)大成」に、寒椿として出てくる。

近世の頃から、早梅ばかりでなく、早咲きの椿にも心

を留める風流が広まったのであろう。確かに雪の中の

一、二輪の真っ赤な椿などは、緑の葉の艶やかさと

伴に、人の心を引き付ける美しさに満ちている。

寒気にめがず咲く生命力の様なものも、見る者を力づ

ける。

近世の俳諧の用例では、殆どが「冬椿」を用いている。

近代以降ではむしろ「寒椿」の方が一般的に広く用い

られている。

(新日本大歳時記:冬、句評:鍵和田柚子 より)

 

徳川園の寒椿も、彼方此方に落椿が目立つ様になった。

紅寒椿

紅小雀

「紅寒椿」「紅小雀」などの品種が、花の少ない冬枯

れの園内で、色を添えてくれる。

落椿となっても、それはそれでなほの事に、艶やかに

燃え盛っている、、、、、、

 

今日の1句

赤々と盛りの儘に落椿   ヤギ爺