令和4年5月6日(金)
菖蒲湯 : 菖蒲風呂
端午の節句に菖蒲の根茎を入れた風呂(湯)
邪気を祓い心身を浄め、疫病除けに菖蒲を浴槽に入れる。
特に蓬を多く添える地方もある。
菖蒲は強い香気を放ち、浴後の肌の爽やかさは格別である。
銭湯などでは5月5日に「菖蒲湯」にする処もある。
菖蒲は池や沼の辺りに生える、サトイモ科の多年草で、葉
は似ているが花菖蒲(アヤメ科の多年草)とは違う。
菖 蒲(サトイモ科の多年草)
花菖蒲(アヤメ科の多年草)
古来中国では、菖蒲は薬草として扱われていた。
根茎を乾燥させるとリラックス効果、血行促進、肩凝りや
腰痛予防、冷え性、筋肉痛、リウマチ等に効能がある。
菖蒲湯の由来は、中国では古来邪気を祓う薬草として考え
られていたが、日本へは天文2年(1533年)の「御湯
殿上日記」に、「五月五日に菖蒲を湯に浮かべ、それに浸
かった」との記述がある。一般には江戸時代にこの風習が
伝わったとされる。
江戸の俳人宝井其角の名句がある、
銭湯を沼になしたる菖蒲(あやめ)かな
当時の銭湯の客は普段の湯銭に加えて、祝儀(おひねり)
を番台の上に置いて帰る風習が在ったという。
ここから現代の銭湯や温泉宿なども「菖蒲湯」をたてる
風習が伝わったようである。
また子供達は湯船につかり、頭に菖蒲の葉を巻きつける
と、暑い夏を丈夫で過ごせると信じられている。
菖蒲の独特な香りは、アロマセラピー効果が在り、心身
ともにリラックス出来ると言われる。
昨夜(5月5日)は、カミさんが菖蒲を用意してくれた。
今日の1句(俳人の名句)
菖蒲湯に深く老躯を沈めけり 富安 風生