いやらしいヤツだ。
私が、掃除をし始めると、掃除機の側に、にじり寄ってくる。
そのくせ「いやよ!やめて!こないで~」と、逃げる。
逃げるなら、そのまま逃げておけよ、と思うのだけど、また、じわじわ寄ってくる。
そして「だめ!来ないで!追いかけないで!」と、逃げる。
追いかけてないっつうに。
そうかと思うと、掃除機の行く手で待ち構えていて、そ知らぬ顔で、しら~っと立っている。
そして、すぐ近くまで、掃除機が来た途端、「ああ、びっくりした~~っ!!!突然くるんだもん!びっくりしちゃったっ~!!」って、顔をする。
知ってただろう、オマエ!
ガアガアガアガア、掃除機が、唸っているのにさ。
好きなら好きと、正直になれよ。
掃除機が好きだとしても、私は、笑わないからさ。
愛に、常識はないのだから。