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(花の詩)【水 仙】

2013年02月04日 17時47分31秒 | 花の詩
水仙…花言葉「自己愛」
(花の詩集)新川和江 ワーズ・ワース/前川俊一訳
 谷や丘の上を漂う雲のように 私はひとりさまよい歩いていた。そのときふと目にしたのは 金色の水仙の大群が湖のほとり、木立の下で そよ風におどるさま。

 銀色にひしめいて ひかりまたたく星屑のよう彼等は入り江のふちにそって 目路のかぎりつらなっていた。
一目見てざっと一万の花が 頭をふり立て陽気におどっているのだ。

 まわりの波もおどっていた。しかし彼等の歓びようは きらめく波を上回っていた。
 このように楽しげな連中に出逢っては 詩人も心うかれざるを得ない。
 私はただ見とれていたが、その眺めがどのような富を私にもたらしたか、気づかなかった。

 というのは、茫然と、また思いに沈んで 臥しどに身を横たえるとき
 彼等は孤独のよろこびである 内心の眼にひらくのだ。
 すると私の心は歓びにあふれ 水仙とともにおどるのだ。

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