1995年3月19日。
2日間の休みを貰って、妻と東京へちょっとした旅行に出た。
当時乗っていた水色のマーチで。
出発が遅れ、北茨城の「うぐいす谷温泉」で一泊することになった。
かなりのんびりした旅行になってしまった。
「東京に行く」という目的以外にこれと言った目的がある訳ではないし、のんびり行こうということになり、翌20日は筑波山に寄って観光。
昼近く、頂上付近の食堂兼みやげ屋に入ってテレビを見たら、「東京の地下鉄で多くの人が倒れている。原因は不明」という臨時ニュースが流れていた。何百人もの人が倒れていて、嘔吐している人の映像もたくさん流れていた。
予定通り行けばちょうど東京についていたはずの時間だ。
妻に「これって、オウム真理教じゃね?」と言った記憶がある。
そして2日後の22日にオウム真理教への強制捜査が始まった。
昨日全公判が終結し幹部13人の死刑が確定した。
狂気というのはこういうことを言うのだろうと思った。
麻原彰晃の髪の毛が3000円、血を飲むための「イニシエーション」が100万円だっつーんだから狂っている。
この狂気集団にはエリートと言われる人たちも多かった。
こういう人たちも、ものの見分け方ができなかったってことだ。
オウム真理教に狙われ続けた当時のサンデー毎日の編集長、牧太郎さんは、
パスカルの言葉を借りてこう言っている。
「それが真の宗教ならば人間の義務、人間の無力さ、人間の傲慢さ、人間のとめどない欲をはっきり教えてくれる」 拝金宗教は、それだけで「ニセモノ」である。
俺もそう思う。