もう解散してから40年以上になるんだねぇ。
今夜のNHK「SONGS」はビートルズ。
中学2年生のとき、同じクラスにビートルズの熱狂的なファンが二人居た。
俺はその頃、ビートルズって名前は聞いたことがあるものの、いかなる音楽を奏でるのか全く知らなかった。
「ビートルズって歌も唄うの?」(その頃、外国のバンドはベンチャーズしか知らず、ビートルズもただエレキを鳴らすだけのバンドかと思っていた)。
とか
「ビートルズのリーダーって、リンゴ・スターだよね?」(ビートルズのレコードの中心部分は「りんご」の絵だった)。
なんて言って
「ばっかじゃねーの!」
と言われたことがある。
そして、「これでも聴け!」と言われてプレゼントされたのが「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」というすごい名前のアルバム。ちなみにこの邦題はあの水野晴郎さんがつけたらしい。
曲を聴いて、特別良いとは思わなかった。
でも、当時フォークソングやクラシックを聴いていた俺にとって、今までに聴いたことの無いコードやリズム、転調の連続などは、ちょっとした驚きではあった。
レコードをくれた友達が、「どうだった?」と言うから、とりあえず「まぁまぁかな」と答えておいた。
「じゃぁ、これはどうだ」と貸してくれたのが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」。
「素人には良さがわからないと思うけどね」と、言わなくてもいいことを付け加えられて。
「何だこれは!」の連続。
スタジオ録音だかライブ録音だかよくわからん曲や、インド音楽、鶏や犬の鳴き声が入った騒々しい曲、ドラッグの影響を思わせる幻想的な曲などが入っており、「よくこんな変なアルバムを出したな」と思った。ジャケットも曲も受け狙いとは到底思えない。
友達に「やっぱ素人には良さがわからなかったか」と言われるのが嫌で、何度も聴いた。
それでも、「ビートルズの最高傑作」と言われるこのアルバムの良さはわからなかった。
しかし約1年後、突然ビートルズが大好きになり、ビートルズと名のつくものは片っ端から集め、ビートルズの映画3本だてを続けて観たりするのだから人間というものはわからない。
きっかけは俺の好きだった女の子がビートルズか好きだったから。
あの山下洋輔氏も言っている。
「ジャズを好きになるには、ジャズを好きな女の子を好きになることだ」って。