この二人の名前、読める人は少ないかもなぁ。
今日は「映画を語る会」の今夏のお題である、「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」を見に行った。
上映時間まで駅ビルのドトールコーヒーで読みかけの「テロルの決算」を読む。
「テロルの決算」は確か高校生のとき、週刊誌に連載されていたものを読んだ記憶がある。
テロルの決算 (文春文庫) | |
文藝春秋 |
17歳の山口二矢(やまぐちおとや)少年が、社会党の浅沼稲次郎委員長を立会演説会の場で刺殺する話だ。
日本を思う純粋で真直ぐな心をもつ少年と、穏やかでひたむきな浅沼委員長。二人の生い立ちから、二人の人生が交錯し、少年が委員長を刺殺するまでが細かく書かれている。
最後に山口少年は「七生報国 天皇陛下万歳」と鑑別所の壁に書いて自殺する。
読み終わったのは映画上映の30分前。
お題の映画「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が始まると、最初に出て来たのは何と山口少年。
壁に「七生報国 天皇陛下万歳」と書いてあり、今まさに自殺する場面。
小説の続きを映画で見るなんて何という偶然。
この映画はタイトル通り三島由紀夫を中心に話が進むが、三島と同じぐらい重要な役割を担うのが森田必勝(もりたまさかつ)。
森田もまた、日本を良くするためには行動を起こさなければならないと強く思い込み、山口少年と同じように左翼に対する憎しみから三島と共に決起した。
俺が小学5年の時に決起し、三島は自決するのだが、そのときに介錯したのが森田である。
新聞で見た森田の顔は今でも覚えている。
中央が三島。後列左端が森田。
山口二矢と森田必勝は似ているところが多い。二人とも右翼であったことはもちろんだが、礼儀正しいこと、落ち着いた性格であること、澄んだ目をしていること、そしてあまりにも直線的すぎたこと。
とにかく行動を起こさなければ気が済まない質だったようだ。
テロは許されないが、二人とも劇的なエネルギーを持っていたと思う。
若者が純粋に何かを信じ、それに向かって閃光のように光って散って行く姿は美しくもある、なんて書いたら問題発言か?