小学6年生の時、仲間内でやったクリスマスパーティーの中で、好きだった女の子に「好きな人は誰?」って聞かれて、恥ずかしさゆえ、別の女の子の名前を答えてしまった。
好きだった女の子のびっくりした表情が忘れられない。
1ミリの後悔もない、はずがない。
いい歳こいたおやじだって恋愛小説は読むのだ。
しかし「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品なんて知らないで買ったもんだから、途中「あれれ? 恋愛小説というより、官能小説か!?」なんて思った。
5つの短編からなり、それぞれが関連しあい、共通の人物が出てくる。
4つ目の「穴底の部屋」の性描写は、スポニチの20面辺りに連載されているレベル。
中高生の淡い恋愛に、追憶、郷愁のような切なさも感じる。
最初の「西国疾走少女」がいい。そして「千波万波」の終わり方がホロリと来る。
「日本人は貧しい、しかし高貴である」と戦前、駐日大使だったポール・クローデルは言った。
その言葉とヒロイン由井の姿が重なる。
椎名林檎さんが絶賛したらしい。
人生に疲れ気味の方におすすめ。
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