「今度の戦争に、だれもかれもが、なだれをうって突っ込んでしまったのは
ひとりひとりが自分の暮らしを大切にしていなかったからだと思う。
人の暮らしの中身がまずしいと、投げやりになり、
いっちょやれ!とおおきいことをやりたくなる。
そうやって戦争になだれ込んでしまった。
もしみんなに、あったかい家庭があれば戦争にならなかったと思う
そういう家庭をつくるためには女の人がだいじだ。」
「花森安治の仕事」という本の中で、雑誌「暮らしの手帖」を作るきっかけになったエピソードが載っていました。
女性のための雑誌をつくって家族を支えたいという著者に、
このように激励して力になると言ったそうです。
「今回の戦争」とは70年前の戦争のことです。
戦争の最前線に立った男性がこのように感じ、考えたのだということ、先進的な方だったのだと思います。
ちなみに暮らしの手帖は戦後直後にできあがり、今も継続して発行されている雑誌です。
今回の戦争法のことを思う時に、このくだりが、しょっ中頭の中でリフレインします。
胸に残った言葉を私は紙に書いて、部屋の片隅に飾っておくのですが、
普段そのフレーズに何も言わない夫が(「言葉」を部屋に飾るのは好きではないそうで)
珍しく、「すごいこと言っているね」と。
あったかい家庭…
自分の暮らし…
今、お母さんたちが子どもを戦争にやるな、と言い続け、立ち上がっている背景に、
花森氏のこの想いが根付いているならば、喜んでいると思います。
そして、生きていたならば、全精力をあげて阻止活動をすると思います。
血みどろさを予想させない、
だけど
これもまた、戦争を体験した人の言葉ですね。
考えさせられます。
だから、考えようと思います。
今日もまた。
写真は植木鉢に種を植える娘。…とちょっかいだす黒にゃあ