連れ合いがクッキーつくり

連れ合いがクッキーを作る、と言い出しました。
バレンタインの時にバイトの方から手作りケーキをもらったから
そのお返しに作るのだそうです。

「忙しいのによく手作りなんてする気になったね」と言ったら
「やろうと思えばできるのに、できないのは悔しいから」という
わかるようなわからないような理屈をのたもうた。

確かに彼は過去に一度だけクッキーを作ったことがあります。

料理のできる男に仕立て上げようと思って、私が

「ポール・マッカートニーはクッキー作りができるんだってさ」とか
「ジョン・レノンってショーンを産んでから５年育児に専念して
パンも手作りしたんだって」と、やんわりと、かつまわりくどく誘導しました。

ようやくその気になってからも長かった。

私のお菓子作り大図鑑の、クッキーの歴史の項目から読み込み、
私に教えられるくらいになってから調理に入りました。
できたクッキーは小麦粉を2度もふっただけあって最初にしてはかなりの
レベル。
しかし「疲れた」と言って、せっかく作ったクッキーの余り生地を
腐らせてしまっていました。

それから二度とお菓子は作らなかったなあ…。


再び一年ぶりに着手しようと思ったのなら、その気持ちを尊重してあげよう
と息子を連れて、一日外出してあげることにしました。

私不在の台所で、どうやら、古風なコントみたいに、

粉を派手に舞い上がらせてくしゃみを連発したり、
電動泡立て器を高速回転にしてボウルがすっ飛びそうになったり
したそうです。

（確かに私がいないほうがよかった、と思われる）

出来上がったクッキーはかなりのものでしたよ。
普段お菓子作りはおろか、料理も作らない男が作ったものとしては。


クッキー型はハートと猫の形の２種類。
それを「物足りない」と連れ合いがいいます。

しかし、私が高校の頃の佐渡では、
ハート型の抜き型なんてしゃれた型は影も形もありませんでした。

松竹梅と菊の花の型しかなかったんですよ！

ネット通販もなかった時代ですからねえ、ハート型が欲しくて欲しくて
仕方なかったです。

そんな私の境遇を教え、「ハート型があるだけいいじゃん！」と言ったら
やたらとおもしろがっていました。

都会人め～！（田舎嫁のつぶやき）