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東京で演劇をやってらっしゃる方から、
「原発関連の本でわかりやすい本はどんなものがありますか?」
というお手紙を頂戴しました。
今回の事故をきっかけに、こうした環境問題や原発問題について
関心をもたれたそうで、私の通信も読んでいただきました。
「本屋にある本は、難しいものが多いので、
できればわかりやすくて、定期購読できるようなものがいいです」
という文面に「なるほどなあ」と思いました。
非常に考えさせられた質問でした。
・・・というわけで、これまで読んだ原発関連の冊子や本を、
私なりに真剣にセレクトしてみました。
皆様にも参考になりましたら幸いです。
まずはビッグイシュー
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東京・大阪など都会のホームレスの方は販売する、自立支援のための雑誌で、
1冊300円のうちの160円が、販売者に渡される仕組みをもった冊子です。
最初はイギリスでできた仕組み(というべきなのかな?)で、
都心では駅周辺を中心に販売されています。
雑誌の中身はとっても濃く、非常に読み応えがあります。
特集は、映画俳優やアーティストなど有名人のインタビュー。
それ以外の記事で、一般的なマスコミではあまり扱われない社会問題をとりあげています。
ダンナが東京に出掛けた時におみやげに買ってきてくれた
イシューでは、斉藤和義が特集されているもので、文句なしに「おもしろかった」です。
「ずっと好きだった」というヒット曲を、
「ずっとウソだった」と原発批判の歌詞にかえyoutubeでながし、
話題になったのは記憶に新しいところですが、
ニューアルバムの販売にからめ、原発のことについて語る彼の心情にも
きちんとふれているのは、この雑誌のブレていない編集方針故で、
それがこの読み応えのある文面をつくりあげているんだなあ、と思います。
次に南方新社出版の「地域と出版」
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本で、原発のことについてふれている本ならば、
この本が一番おススメです。
この本は「鹿児島の地方出版社がだした、自らの出版社の歴史本です」
・・・というと、原発と全く関係ないようですが、
この会社で一番最初にだした本が、
「自身の暮らす場所に建つ原発への危険性を訴える本だった」というから驚き。
そして、その表明は、今も出版活動を通して続いています。
いわば、これは権力との闘いの歴史本でもあります。
(ある程度)売れる本を作りながら、今も原発へのNOを突きつける
本を作り続けている一地方出版社の歴史は決して一筋縄では語れません。
一気にぐいぐい読んでしまう、言い様のない力をもった本です。
理屈抜きの原発の危険性を、あらゆる視点で描き出し、
原発が持つ負のパワーにめげることなく、脱原発にむけて発言し続ける
正のパワーがすごい。
電力会社の執拗な攻撃にも負けず、それをネタにさえしてしまい、
めげるのではなく、それをバネにして、さらに力強い文章に変えている。
もしも私が活動家になるならば、この著者のようでありたい、と願ってしまう
勇気を与えてくれる一冊です。
原発というものからの離脱してこそ、地方の財産に気づけるし、
さらに発掘もでき、なおかつ輝く。
実際に著者は、原発の離脱を唱えながらもそれに終始せずに、
鹿児島という地域の「宝」を常に「楽しげに」発掘し、
それを本という形で「お披露目」し、そしてそれをちゃんと「売って」いるのです。
同じ地方である、自分が暮らす「佐渡」にも、その理屈が
そのまま当てはまるように感じ、
なおさらにぐいぐい読みこんでしまった珠玉の一冊です。
最後になまえのない新聞
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ちょっと読みにくいかもしれません。
だけど、強い意志を確実に感じることのできるミニコミ新聞
(といえばいいのかしら?)です。
福島原発についても、いかに政府も県もマスコミも、
県民を守る意志が皆無であるかを、力強く、強烈に訴えています。
マスコミや政府の立場から、ちょっとでも離れた人ならば、必ず声をそろえて強調している
胎児や乳幼児の避難の重要性が、
ここでも実に強くつよく、声高に叫ばれています。
政府は簡単には県民を避難させずに、
「除染」することで「安全な地域」にしようとしているようですが、
ことはそこまで簡単でも単純でもなりません。
「ひとたび胎児や乳幼児が被爆したなら、
もう取り返しがつかない。
必ず一定の確率で奇形児、ガン患者がでてくる。
遺伝子被爆障害による奇形がでるとしても99%は外見に表れず、
器質的な以上であって、
それが生殖可能なレベルなら7世代以上にわたって
遺伝子を劣化させながら受け継がれ、
民俗を滅亡に追い込むことになる。
このため、やがて数世代もすれば被爆遺伝子を受け継いだ人たちと
健常民の間に差別制度がでるだろう」
(なまえのない新聞166号より)
ストレートなこうした物言いは、日本社会だと「恐怖心を助長する」と言われて
非難され続けてきたけれども、この強烈な事実が、真実であることは、
少しずつ判明されています。
隠して隠して「安全」といい続けてきた「汚染の事実」を、
国も東電も少しずつ
認めざるをえなく、そしてマスコミはそれを報道していないのです。
「真実」を知りたい人におススメの新聞です。
本当は、もっと伝えたい本は、もっと沢山あって、全部お伝えしたいくらいです。
しかし、ひと様の書いたものを伝える文章は、本当に難しいです。
時間ばかりがえらくかかってしまいました。
でも、原発関連の本の紹介は、一度したいとずっと思っていました。
かたい文章になってしまって、ごめんなさい。
真実を伝えようとしている人が日本には沢山いるんだなあ、
と気づけることは幸せなことです。
大手の新聞よりも、ローカルな情報誌に目をむけるのもひとつの
「日本再生策」かも?
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「原発関連の本でわかりやすい本はどんなものがありますか?」
というお手紙を頂戴しました。
今回の事故をきっかけに、こうした環境問題や原発問題について
関心をもたれたそうで、私の通信も読んでいただきました。
「本屋にある本は、難しいものが多いので、
できればわかりやすくて、定期購読できるようなものがいいです」
という文面に「なるほどなあ」と思いました。
非常に考えさせられた質問でした。
・・・というわけで、これまで読んだ原発関連の冊子や本を、
私なりに真剣にセレクトしてみました。
皆様にも参考になりましたら幸いです。
まずはビッグイシュー
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東京・大阪など都会のホームレスの方は販売する、自立支援のための雑誌で、
1冊300円のうちの160円が、販売者に渡される仕組みをもった冊子です。
最初はイギリスでできた仕組み(というべきなのかな?)で、
都心では駅周辺を中心に販売されています。
雑誌の中身はとっても濃く、非常に読み応えがあります。
特集は、映画俳優やアーティストなど有名人のインタビュー。
それ以外の記事で、一般的なマスコミではあまり扱われない社会問題をとりあげています。
ダンナが東京に出掛けた時におみやげに買ってきてくれた
イシューでは、斉藤和義が特集されているもので、文句なしに「おもしろかった」です。
「ずっと好きだった」というヒット曲を、
「ずっとウソだった」と原発批判の歌詞にかえyoutubeでながし、
話題になったのは記憶に新しいところですが、
ニューアルバムの販売にからめ、原発のことについて語る彼の心情にも
きちんとふれているのは、この雑誌のブレていない編集方針故で、
それがこの読み応えのある文面をつくりあげているんだなあ、と思います。
次に南方新社出版の「地域と出版」
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本で、原発のことについてふれている本ならば、
この本が一番おススメです。
この本は「鹿児島の地方出版社がだした、自らの出版社の歴史本です」
・・・というと、原発と全く関係ないようですが、
この会社で一番最初にだした本が、
「自身の暮らす場所に建つ原発への危険性を訴える本だった」というから驚き。
そして、その表明は、今も出版活動を通して続いています。
いわば、これは権力との闘いの歴史本でもあります。
(ある程度)売れる本を作りながら、今も原発へのNOを突きつける
本を作り続けている一地方出版社の歴史は決して一筋縄では語れません。
一気にぐいぐい読んでしまう、言い様のない力をもった本です。
理屈抜きの原発の危険性を、あらゆる視点で描き出し、
原発が持つ負のパワーにめげることなく、脱原発にむけて発言し続ける
正のパワーがすごい。
電力会社の執拗な攻撃にも負けず、それをネタにさえしてしまい、
めげるのではなく、それをバネにして、さらに力強い文章に変えている。
もしも私が活動家になるならば、この著者のようでありたい、と願ってしまう
勇気を与えてくれる一冊です。
原発というものからの離脱してこそ、地方の財産に気づけるし、
さらに発掘もでき、なおかつ輝く。
実際に著者は、原発の離脱を唱えながらもそれに終始せずに、
鹿児島という地域の「宝」を常に「楽しげに」発掘し、
それを本という形で「お披露目」し、そしてそれをちゃんと「売って」いるのです。
同じ地方である、自分が暮らす「佐渡」にも、その理屈が
そのまま当てはまるように感じ、
なおさらにぐいぐい読みこんでしまった珠玉の一冊です。
最後になまえのない新聞
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ちょっと読みにくいかもしれません。
だけど、強い意志を確実に感じることのできるミニコミ新聞
(といえばいいのかしら?)です。
福島原発についても、いかに政府も県もマスコミも、
県民を守る意志が皆無であるかを、力強く、強烈に訴えています。
マスコミや政府の立場から、ちょっとでも離れた人ならば、必ず声をそろえて強調している
胎児や乳幼児の避難の重要性が、
ここでも実に強くつよく、声高に叫ばれています。
政府は簡単には県民を避難させずに、
「除染」することで「安全な地域」にしようとしているようですが、
ことはそこまで簡単でも単純でもなりません。
「ひとたび胎児や乳幼児が被爆したなら、
もう取り返しがつかない。
必ず一定の確率で奇形児、ガン患者がでてくる。
遺伝子被爆障害による奇形がでるとしても99%は外見に表れず、
器質的な以上であって、
それが生殖可能なレベルなら7世代以上にわたって
遺伝子を劣化させながら受け継がれ、
民俗を滅亡に追い込むことになる。
このため、やがて数世代もすれば被爆遺伝子を受け継いだ人たちと
健常民の間に差別制度がでるだろう」
(なまえのない新聞166号より)
ストレートなこうした物言いは、日本社会だと「恐怖心を助長する」と言われて
非難され続けてきたけれども、この強烈な事実が、真実であることは、
少しずつ判明されています。
隠して隠して「安全」といい続けてきた「汚染の事実」を、
国も東電も少しずつ
認めざるをえなく、そしてマスコミはそれを報道していないのです。
「真実」を知りたい人におススメの新聞です。
本当は、もっと伝えたい本は、もっと沢山あって、全部お伝えしたいくらいです。
しかし、ひと様の書いたものを伝える文章は、本当に難しいです。
時間ばかりがえらくかかってしまいました。
でも、原発関連の本の紹介は、一度したいとずっと思っていました。
かたい文章になってしまって、ごめんなさい。
真実を伝えようとしている人が日本には沢山いるんだなあ、
と気づけることは幸せなことです。
大手の新聞よりも、ローカルな情報誌に目をむけるのもひとつの
「日本再生策」かも?
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原発問題、気になる人、考えたい人だけ考えてれば?という人も多い中、はっきりとわかりやすく教えてくれるものはとても貴重だと思います。ご紹介ありがとうございました。
こんな面倒なテーマにコメントをいただき、とても励まされます。
地道に「no」を言い続けて行きたいと思います。権力に自分自身がのみこまれないためにも。