晴耕雨読、山

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爽やかな風が流れる『阪急電車』

2012年06月21日 | 読書

電車に乗ることが少なくなったが、この本を早めに読んでいれば味気ない通勤も変わっていたかもしれない。と思ったが満員電車ではなく、休日や昼さがりの電車内での出会いを綴ったミニストーリーである。やや田舎を走る阪急・今津線8駅を折り返しする間に乗り降りする<乗客たちがどんな物語を抱えているかーそれは乗客たちそれぞれしか知らない。人数分の物語を乗せて、電車はどこまでもは続かない線路を走っていく>(本文引用)。どうしょうもない関西のオバちゃん軍団も出てくるが、それは別として車窓に流れる風景と揺れる電車の音が心地よく伝わってくる。同じ著者の『県庁おもてなし課』と同様に爽やかな読後感が残った。