晴耕雨読、山

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雑記…

『死ぬ気まんまん』で旅立った

2012年11月15日 | 読書

山崎努の読書日記を読んで知った絵本作家でありエッセイストでもあった彼女。がん患者として生きる日々を綴っているのだが、タイトルどおりに暗さが微塵も見られない。医者だろうと長年の友人だろうと、もちろん転移・再発するがんに対しても笑い、蹴飛ばすのである。関川夏央が思い出として書いている<豪放でいて繊細>に加えて、天真爛漫なのだ。それは<ジュリーが江戸時代の人でなく…>とか<特別仕立ての秋晴れだった>などにもうかがえる。残念だが遺作で、その豊かな発想と表現力を追うことにしょう。        

                       

 


『柔らかな犀の角』はプライド

2012年11月15日 | 読書

映画・テレビで存在感のある演技と本のタイトルに興味をそそられて読んでみた。広範囲な読書内容とともに映画や演劇・テレビの話、日々の考えまで投影されていて面白い。そして、インド犀の角の中が実はぶよぶよの肉で武器として使い物にならない、でも無いと犀ではなくブタになってしまう、<角はきっと犀のプライドなのだ>というタイトルの由来も。約180冊の本の中で読んでみたいと思ったのは『きみのためのバラ』『光の指で触れよ』『カデナ』(池澤夏樹)、『新廃線紀行』『芭蕉紀行』(嵐山光三郎)、『役に立たない日々』『問題があります』(佐野洋子)。氏の言う<インドの犀に倣った暮らしをして残った時間を過ごしたい>は同感だ。