県民活動センターの講座「平家物語を読む」の第一期も早や終盤、佳境に入ってきた。前回欠席したので1か月ぶりの教室、時間前から150名近い受講生にあふれている。最初に、平安末期の京都で流行した俗謡(今様)を集めた歌謡集『梁塵秘抄』のCDを聴く。これは以前、別の講座でも使われたが歌詞と伴奏の音色が何とも哀愁を帯びて心に残っている。今回の<生命を生み、育む女たちの歌>や<女の世界を女が歌う>などの説明も素直に頷けた。そして、この今様を清盛が祇王に歌わせたということで講義は「祇王」(第一巻6)を読み解く四つのポイントに。そのひとつ仏御前の出家と動機は、さらに「出家の意味するもの」の説明へと続く。<ジェットコースターライン(平家の没落の軌跡)+若干の周辺事情>という読み方の話など含め濃密な2時間の講義は終わった。数日後の新聞で<「平家物語の夕べ」国立能楽堂で>の見出しと<簡潔ながら抒情をまとう文体><善悪両面の清盛像>などの内容が目に留まった。なるほど、奥が深い。次回の講座も川上講師の一言一句、名調子につられて聞き流してしまわないように。