熊野三山の一つ「熊野那智大社」の参道は、のぼりの階段が467段も続き、その先に朱色の社が見えてきます。
滝を神とする自然崇拝からおこった社で、那智原生林に抱えられるように佇んでいました。
日本の神話の中で、神武天皇の一行を熊野の海岸から導いたとされている三本足の八咫烏(やたがらす)が、この那智大社ではシンボルとなって柱や絵馬などに多くみられました。またこの八咫烏(やたがらす)のモチーフは、JFA(日本サッカー協会)のシンボルマークとしても用いられています。
この少しユーモラスなキャラクターは、山や森に宿る神仏を祈りとする社に、少しこの神々しい空気を和らげているように思えました。
現在、最も熊野古道の面影を色濃くしていると言われている全長500メートルの石畳、大門坂を歩きました。
苔むした石段の両側に樹齢800年もの杉木立が続き、原始の自然がそのまま息づいていることに、強い印象を受けました。