滝番小屋

新城市出沢と鮎滝の近況を紹介、その他雑感を少々。

設楽ダム工事現場視察

2018年11月29日 | 設楽ダム

■2018-11-28;1300;風巻P
漁協の設楽ダム工事現場の視察に参加。
本体工事は、資材運搬路と転流工の工事中、
呑み口の仮締切と、トンネルが、≒200m/400m 進捗。
来春転流ができれば、本体工事が本格的に始まるとのこと。

設楽大橋から伊那街道を北上、遺跡調査中の川向を左手に眺め、
八橋のネコギギの繁殖場へ。
立派な施設だ・・。湖底に沈む諸諸を想うと、
ネコギギの特別扱いに、違和感を感じるのは自分だけか?。

仮設の迂回路がくねる、国257号の付け替え道路の現場は、
さながらインターかジャンクションを造っているようだ。
唯唯、規模に圧倒されて、漁協役員の監督への質問も
「あれは何だ?、この道はどうなる?」ばかり。
鮎のことなど、すっかり忘れていた。

『こりゃあ、お金がかかるわ・・』
帰りのバスの中で、ため息一つ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立木トラスト名札掛け

2009年04月27日 | 設楽ダム

 4月26日;出沢区民を代表して、道敏君と二人で立木トラストの名札掛けに参加した。

 当日は雨の予報であったが何とか一日もちそうであった。田口特産物振興センターで昼食後、伊藤会長、伊奈事務局長より経過報告を聞き、家内と二人の名前を書き込んだ札をもって現地に出かけた。
 地元では「赤い橋」で親しまれている設楽大橋を回り込んで、寒狭川の支流境川を800m程下った処だ。申込みが少し遅かったので出沢は290番代、林道から100m近く息を切らしながら登って行って漸く自分の番号を打った木を見つけた。
「ウ~ん…。これで伊藤さんからこの木を一本500円で買ったことになるのか、何だか国交省に嫌がらせをしているみたいで、ちょっとセコクないかなあ?」
 名札を掛けながら呟いていると、隣で掛け終わった道敏君が
『余計なこと考えんでいいだ、反対の署名と同じだよ。それより証拠の写真を撮ってくれ。』
 それもそうだと札を掛けた木と一緒に写真を撮った。

 無事に札掛けも済んだし、さて帰るかと思っていたら、道敏君が寒狭の源流を見に行くという。今日は別に用事もないしそれじゃあ付き合うかということになって、ダムが出来れば湖底に沈むことになる大名倉を通って豊川の上流の方にどんどんと上って行った。

 『キツネの嫁入りだ・・・』

 フロントガラスはまだパラパラと雨粒に叩かれているのに、突然に日が差してきた。途端に辺り一面が明るい新緑色に燃え上がった。丁度斜め前方から巨大なスポットライトが当たっている感じだ。その新緑色の舞台を今や渓流となった豊川が、右に左に躍りながら下っている。美しい・・、言葉には表せない美しさだ。子供の頃にはごく普通の景色だった気がするのだが、今ではこんな情景にお目にかかることは滅多にない。5分程すると日が陰って、以前の灰色がかった薄緑の世界に戻ってしまった。

 『此処も沈むんだよな・・・。』

そうだ、此処も沈むのだ。すると今のは、段戸の山の八百万の精霊たち、八百万の神々の別れの挨拶だったのかも知れない。

《加筆予定》

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

豊川の鮎の現状

2009年04月17日 | 設楽ダム

 「設楽ダムの建設中止を求める会」の市野先生が、豊川の鮎の現状について東日新聞に手記を寄稿されました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立木トラストに参加

2009年03月11日 | 設楽ダム

 家内と二人で、「設楽ダムの建設中止を求める会」が立ち上げた〈立木トラスト〉に参加の申込をした。
  http://no-dam.net/index.html

 寒狭川に頭首工が出来てから、花の木ダムから頭首工までの第一級の漁場が壊滅した。いくら放流しても鮎が定着しないのである。事前の説明では殆んど影響がない筈であった。確かに約束通り水量はそれまでよりも安定して流れているのにである。幸いなことに今のところは数はかなり減ったが、鮎滝まではかろうじて遡上してきている。

 川は生きている。生きているとは絶えず変化し続けていることだ。一定の水が流れているだけなら、それは川ではなく排水路である。雨が降れは増水して流石が川床をたがやし、日照りになれば涸れ日光が川に命を注ぎこむ。その営みこそが藻を育て鮎を育むのだ・・・。SSやBODやDOは人間が作った基準であり、それだけでは鮎は生活できないのだ。所詮、人智は自然には及ばないのだ。なのにである、今回もダムが出来ても「殆んど」影響がないそうである・・・。

 ダムが必要かどうかは難しい問題である。利用できる水は多い方がいいし、景気のことを思えば工事も必要かも知れない。しかし、最も大切なことは、鮎が飛び交う滝を未来に残すことであり、笠網漁を後世に伝えることではないだろうか。そんな思いで立木トラストに参加したのだ。

 私たちは鮎滝を守るために戦ったのだと子供達や孫達に胸を張って云えるように。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遠州森の太田川ダム

2009年02月16日 | 設楽ダム

2月14日、太田川ダムを視てきた。

 自宅から車を走らせること約2時間、引佐、浜北を通り天竜川を渡って周智郡森町の太田川ダムに着いた。途中、大洞院の石松の墓へ寄ってきたから正味1時間半ぐらいの距離だろう。

 8日に設楽町で開催された「設楽ダムの建設中止を求める会」の集会で、太田川ダムの紹介があった。

http://diamond.jp/series/inside/08_11_01_002

 必要性がほとんどないダムであること、岩盤が弱く崩落を止めるために無数のアンカーを打って工事をしたため完成までに20年近くかかったこと、堤体にクラックが入って補修をした、ダムの直下で起きている群発地震はダムの影響で岩盤破壊が起きている可能性がある?こと等々、・・まるで設楽ダムと同じではないか?、設楽ダムの10年後の姿ではないのか?、これは一度自分の目で見ておかないと・・。と出かけてきたのだ。

 貯水量1180万トンは大島ダムとほぼ同じ、事業費385億円は設楽ダムの5分の1といったところだ。だが建設までの流れは殆ど同じに見える。ただ決定的に違うのは、太田川は「かわせみ」で設楽は「ねこぎぎ」だ。(太田川ダムでは一メートル位はあるだろう巨大な「かわせみ」があちこちで出迎えてくれた。ダム湖は「かわせみ湖」メインの橋は「かわせみ橋」の名がついていた。設楽も、まさか「ねこぎぎ湖」はないだろうが、おそらく橋の一つくらいには「ねこぎぎ」の名がつき欄干にレプリカとなって「ねこぎぎ」が生き残るのだろう。)

 ダムは昨年の10月から試験湛水中で、現在の水位は約半分、貯水量は4分の一ぐらいといったところだ。ダムの本体は工事中で立入禁止になっていて近づくことは出来なかった。入口が柵で止めてあって横に「大成・大林・日本国土共同企業体」の看板があった。どうしても、岩盤をアンカーで補強したところが見たかったので、下流から回り込んで行った。車一台が漸く通れるだけの幅しかない道を渓谷に沿って10分ほど登って行くとダムの下に出た。見上げるとなるほど左岸はアンカーだらけだ。
「この道はもうすぐ、工事がすんだら閉鎖されるよ。ダムの管理用道路だから」
5人程でダムの放水路に管理用の橋を賭けているという親方らしい人が云った。
「御苦労さま。すごいね~、ゼニがあれば何でも出来るね~。」
遙かに聳えるダムを見上げると、思わず感嘆の声が出てしまった。
親方がニヤリとしてうなずいた。

 帰りがけ道脇の「巨大カワセミ」に聴いてみた。
「おい。住処が無くなって怒れるか?」
「フフン・・、怒ると云うより笑っちゃうよ。人間は学ぶということができん。」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

設楽ダム説明会(出沢公民館)

2008年06月09日 | 設楽ダム

  梅雨らしいはっきりしない天気になってきました。それに合わせるかの様に滝の方も跳んだり跳ばなかったり・・。梅雨明けまではこんな調子が続くと思います。 

 6日に公民館で設楽ダム工事事務所の所長さん始め関係者の方たちによる設楽ダム建設についての説明会がありました。今回は笠網漁を守る会の役員にのみということで、正副区長を加えて11名が説明を聞きました。 

  「治水・利水のためどうしても必要なダムだから造らなければならないこと」

 「充分な調査をして、あらゆる方法で自然環境への影響を最小限にすること」…。

 いろいろと丁寧に説明して戴いたのですが、結論的にこの2点に集約されると思います。笠網漁を守る会としては、なぜ鮎滝が調査の対象にもなっていないのか、影響はないのかという質問が出たのですが、明確な答えはして戴けませんでした。どうも只持より下流の寒狭川は二つの発電所と長良頭首工で流れを操作しているから(自然の河川の状態ではないから)調査しても意味がない、というのが理由のようです。

 誰が考えても上流に巨大なダムを造れば下流に何らかの影響が出るのは解りきっているのに、「そんなの関係ない」と調査もしないというのは納得出来ません。

  私たちは360年続いた笠網漁を今後も続けて行きたい、それには鮎が跳び続けなければ出来ません。20年後、30年後もアユが跳び続けるようにして頂きたい、と要望してお開きとなりました。(鮎滝については今後とも継続して話し合って行くことになりました)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■設楽ダム建設反対の署名

2008年05月11日 | 設楽ダム

  出沢区内を回覧していた設楽ダム建設反対の署名が集まりました。総勢139名、笠網漁を守る会の代表は林道敏さんになっていますが、これは出沢全戸の強い要望です。

 渦巻く賛否両論が時代の背景の中で歴史を刻んでゆくことになるのでしょうが、その中で笠網漁を守るために私たちが何を考えどう行動したかを未来人たちに語り継ぎたい、そんな気持ちで行動を起こしました。とりあえず、署名を県の河川課に送付することになります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アユ遡上確認できず 徳山ダム下流、放流影響か

2008年05月07日 | 設楽ダム

 試験放流中の徳山ダム(岐阜県揖斐川町)下流で、天然遡上(そじょう)のアユが確認されなくなったことが、地元漁協の調査で分かった。漁協関係者は「遡上のピークを迎えた時期に、姿が見えないのは初めて」と危機感を募らせている。 

 調査したのは、ダムから下流30-50キロを管理する揖斐川中部漁協(揖斐川町)。5分間の目視調査で、試験放流が始まる前日の4月23日には、340匹を確認したが放流翌日から5月2日まで1匹も確認できない日が8日連続した。 2008年5月3日 中日新聞朝刊 TITLE:徳山ダム-流水の正常な機能の維持-

URL:http://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/about/a-o-

runningwater.html 川にいつも一定の水が流れるようにします雨が多い時にはダムに水を貯め、少ない時には放流して川の流れを安定させます。下流の人々の暮らしや、川で生きる動物、周辺で育つ植物の命を守ります。

 設楽ダムのホームページは徳山ダムと殆ど同じに見えます。設楽と徳山を入れ替えたら気がつかないかも知れません。揖斐川の現状は10年後の豊川ということでしょうか。巨大なダムを造り川をせき止めて、自分たちの都合で水を流すというのは人間の奢りなのでしょうね。

 「川で生きる動物、周辺で育つ植物」 達にとっては住み易い環境ではないようです。自然(人間の手の加わらない、そのもの本来のありのままの状態)を守ると云うのは難しいですね。一切何もしないと言うことですから。

 稚鮎の放流だって勿論自然環境を破壊しているはずです。本当に自然を守るのには極限の忍耐力を必要とするようです。おそらく神様でも無理でしょうね・・。仏様ならなんとか持ちこたえるかもしれませんが・・。

 そもそも、自然を守るという考えそのものがおこがましいのかも知れません。守られているのは人間のほうかも・・。 それにしても水余りと反対運動の中、強引に進められて行く経緯は両ダムともよく似ています。何か非常に強い意志のようなものを感じますね。

 そういえば、徳山ダムは下流の横山ダムの浚渫土を使ったとか。たしかあの一帯はイビデンと中部電力(旧東邦電力)発祥の地・・。発電という大義もあったな。ところで設楽には山と「空」以外に何かあったかな・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水掛け論

2008年04月18日 | 設楽ダム

 「津具高齢者活性化センター」にて開催・・。

 いかにも過疎の町で高齢者ばかりです、というストレートなネーミングに、今年60歳になった身として少し戸惑いを感じながら、(設楽ダム建設の是非を問う)住民投票を求める会の集会に設楽町津具まで行ってきました。出かける前、

 国交省の設楽ダムのホームペジ

http://www.cbr.mlit.go.jp/shitara/00home/sitemap.html

 に目を通して、このダムは如何に必要なダムか、ということをある程度理解して行ったのですが、市野先生の「この水系は水は余っているし、設楽ダムは洪水調節には殆んど機能しない、また最大の目的である流水正常機能維持とはダムを造って自然の流れを取り戻すという本末転倒もはなはだしい考え方です。」と言う意見の方が説得力がありました。見方、考え方でこうも違って来るのですねえ。正に「水掛け論」。。

 詳しくは「設楽ダム見直しを求める市民フォーラム」を参照して下さい。

http://www.rokujogata.net/shitara/index.htm) 

 鮎滝保存会としては、

「布里より下流は全く影響がないから調査もしないということ、流水正常機能維持は寒狭川の水を宇連川に流すのを前提になっていること」

 を考えると到底納得出来るものではありません。それでもどうしても必要なダムなら仕方がないとは思いますが、不必要(なくてもなんとかなる)なダムを自然を破壊してまで造ってはいけないのではないか。ということで出沢区内で設楽ダム建設反対の署名を集めることになりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする