長年にわたって大学病院で救命救急医として働いてきたものの、父・達郎(田中泯)が暮らす石川県の
実家に戻ってまほろば診療所に勤めることにした白石咲和子(吉永小百合)。院長・仙川徹(西田敏行)
看護師・星野麻世(広瀬すず)、そして大学病院の事務職を辞めて咲和子を追ってきた野呂聖二(松坂桃李)
らとともに、在宅医療を通して患者と接していく。救命救急とは違う医療の形に戸惑っていた咲和子
だったが、次第に在宅医療だからこそできる命の向き合い方があることを学ぶ。
コロナ禍や続く自殺のニュース、超高齢化社会による介護問題など、改めて人の命、生きることについて
考えさせられる機会が増えている昨今、そんな現代で命の尊さについて見つめ直すことができる作品。
「命のしまい方」という言葉が出てくるが、死に方を考えるということは生き方を考えるということ。
そんな様々な命との向き合い方をしている人たち、家族が登場する。いろんなケースでの価値観を
知ることができる。只それが数多く、それぞれのエピソードを深く描ききれなかった印象で、次々
変わる展開に気持ちが追いついていかなかった。命の重さを伝える為にも、もう少し絞っても良かった
のでは? ラストは観客の判断を問われるテーマが投げかけられ、それをどう受け止めるか続きを与え
られるのがこの映画の意義ある作品だったと思います
しかし、多少「違和感」が多いのも事実で流石に「吉永小百合」さんが「田中 泯」さんの娘と言う
設定は・・・? 素晴らしい女優さんですが今作品には無理があったかな?
年齢的に無理をしないでほしいと監督から止められながら、5kg減量して臨んだ田中泯の悲愴感溢れる
演技には脱帽。見応えあり。西田敏行さん演じる仙川院長が言っていた台詞「日本人の平均寿命があと
20年長かったら、日本は飢え死にをしている」これを聞いて、人の寿命は生まれた時から決められており
それこそ飢え死にをしないように上手いこと入れ替わるようになっているのではないかと思った。
結末は個人個人の解釈の仕方だろうが
私も「田中 泯」さんの様に(作品場の)管を付けられて生かされるのは御免ですね ☆☆★