町人文化全盛の江戸。後の葛飾北斎である貧乏絵師の勝川春朗(柳楽優弥)は、不作法な素行で師匠に
破門されたが、喜多川歌麿や東洲斎写楽を世に送り出した版元の蔦屋重三郎(阿部寛)に才能を認められる。
北斎は次々と革新的な絵を手掛け、江戸の人気絵師となるが、幕府の反感を買ってしまう
4部構成の伝記風の作りになっていました。90 年と言う当時では長い人生を送ったため、話を絞る為
だったのでしょうが逆に?でした。青年期を演じた柳楽優弥も、彼しか適任者はいないのではないか、と
思わせる尖った芝居で観る者をを引き付け、どうあがいても追いつけない歌麿、ポット出の写楽とライバル
の成功にやっかむ事しかできない彼の心の内がこれでもか、と描かれる。
それを支える蔦屋・阿部寛の抑制的な芝居で引き立たせてくれている所もは大きいかったが、この「青年期」
が作品の約半分を占めており勿体ないな~と思わせたのが「田中 泯」さんが北斎を演じてからの話が
そういった不満を凌駕してお釣りが来ました「画狂」らしさを存分に味あわせてくれる『田中泯』の
身体表現を含めた演技の素晴らしさ。特に「北斎ブルー」得た時の歓喜のシーンは憑依したかと思える
ほどの渾身の演技だったのでは無いでしょうか・・・
壮大な葛飾北斎の生涯を描くのに、2時間足らずは明らかに尺が足りないと思います
いっその事、青年期を切り捨てるまでは行かずとももう少し短くても・・・☆☆☆