今日(5月23日)は、「ラブレターの日」
「こい(5)ぶ(2)み(3)」(恋文)の語呂合せと、浅田次郎原作の映画「ラブ・レター」の公開初日であったことから松竹株式会社が制定した日。映画のPRに記念日を制定した初のケース。
また、5月21日は「キスの日」でもある。1946(昭和21)年のこの日、佐々木康監督の映画「はたちの青春」が封切られた。今の人なら、馬鹿らしくなるかも知れないが、この映画の中で、主演の大坂史朗と幾野道子がほんのわずかに唇を合わせるが、これが日本で初めてのキスシーンだったのである。この記念日については、昨年のブログ今日(5月23日)は、「キスの日」で書いたので、興味のある人はそちらで見てね。
浅田次郎原作の映画「ラブ・レター」は、浅田次郎が直木賞を受賞した小説「鉄道員(ぽっぽや)」とともに短編集に収められた2作目の短編「ラブレター」が原作になっている。最初の 作品「鉄道員」は皆さんもご存知の娘さんの幽霊のお話で私も見たが、「ラブレター」は見ておらず、小説も読んでいないのでよくわからない。ただ、本や映画の解説を見ると、中井貴一演じる新宿、歌舞伎町のチンピラが金のためにある出稼ぎ中国人女性と偽装結婚をさせられる。実際には会ったことも無い戸籍の上だけの妻が亡くなり、遺品の中に自分に宛てた、たどたどしい手紙があった。それは、心からの思いをこめたラブレターであり、それを読んで男は号泣する。純粋な女性の損得の無い心の美しさ。それが読者の心をせつなくさせる。そんな感動的な映画のようで、小説を読んだ人は一様に、鉄道員などよりもすばらしいといっている。
そういえば、現代人は、文字よりも視覚によって、意味や価値を感じようとしている。かっての文学など、人は、文字によって、その意味や価値・思いなどを伝えようとしたが、文学的には、映像よりも活字によるほうが、その人の想像力をかきたて、今のような映像によるものより、よく伝わったのではないかと思われる。
こいぶみ【恋文】は、恋い慕っている気持ちを述べた手紙。ラブレターをいう。そして、その「恋はするものじゃない・・・堕ちるもの」・・・とも言われるが、そのような恋心・・・「せつない」気持ちなどを相手に伝えるには、今のようにインターネットが発達し、簡単に即情報が伝達できる世の中になっても「メール」などのようなものを送信するだけではなく、自分の手で書いた「ラブレター」、「恋文」を相手に直に手渡すのが一番有効なのではないだろうか。こんなことを書いているうちに、私にも青春時代に、切ない思いを伝えるべき恋文を必至の思いで書いた記憶が蘇ってくる。・・・そして、それを手渡すために・・・・それで結果は?・・・野暮なことは聞くものではないよ・・・。
“砂に文字を書いても、風がすぐに消してしまう。でも、愛するこの思いを書かずにはいられない…”。
パット・ブーンの1957(昭和32)年のヒット曲、「砂に書いたラブレター」・・・丁度私の恋多き時代にそんな甘い恋の歌が流行っていたよ。青春時代にかえって、ちょっと、ロマンチックになりたい方は以下で曲を聴いてみる・・・?。
二木紘三のWebサイトMIDI歌声喫茶・・・→砂に書いたラブレター(Love Letters in the Sand)
あの文豪谷崎潤一郎は、大阪の豪商の夫人である根津松子と運命的な出会いをする。初対面から松子に強く惹かれた谷崎は、ひそかに松子を想い続けるようになり、その頃、谷崎潤一郎が松子にあてた、恋文がある。
「私には崇拝する高貴の女性がなければ思ふやうに創作が出来ないのでございますがそれがやうやう今日になつて初めてさう云ふ御方様にめぐり合ふことが出来たのでございます。実は去年の『盲目物語』なども始終御寮人様のことを念頭に置き自分は盲目の按摩のつもりで書きました」
「私に取りましては芸術のためのあなた様ではなく、あなた様の芸術でございます」・・・。谷崎潤一郎は、『盲目物語』を執筆する際に、物語の中の主人公とヒロインの関係を自分と松子との関係に重ね合わせて書いていたのである。本当に切ない思いであったろう。
古典的な文学「源氏物語」の中には数多くの恋愛が描かれており、当時、男女はお互いに言葉を交わすことはなく、姿さえ見ていないことが多い。そのような状況から、男女がお互いに顔を合わせ、言葉を交わすようになるまでの間に、その人物について知ることのできる有効な手段となるのが恋文であり、また、それは、お互いの気持を伝達し、より恋愛を進展させるというはたらきをもっている。恋文は、男女の恋愛において重要な役割を果たすものであり、源氏物語の中に恋文は262通もあるという。恋の物語は、今も昔も洋の東西も問わない。一番い思い出されるのが、詩人かつ剣客でありながら、大きな鼻のコンプレックスに悩み、生涯ひとつの恋を貫いた男の生涯を描いたエドモン・ロスタンの有名な戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」。人知れず従妹のロクサーヌを愛していたが、彼女は、自分の所属する隊に入隊してきたクリスチャンを愛し、彼もまたロクサーヌに想いを寄せている事を知ると、二人の橋渡しをしようと決意する。だが、文才のないクリスチャンに代わり恋文の代筆を行うシラノだったが、ロクサーヌはその手紙の言葉に恋するようになった。やがて戦争が始まるが・・・・・・、シラノはクリスチャンにも無断でどんなに戦闘が激しくなってもロクサーヌに一日2通の恋文を届けることを忘れなかった。そして、そして14年がたち、修道院で暮らすようになったロクサーヌのもとをシラノが訪ねてくるという日重傷を負うが、はうようにしてロクサーヌのもとへ向かう。そして、あのクリスチャンの恋文を読ませてくれと頼み、シラノは朗読を始めるが、夕闇の中にもかからわず一言一句間違いなく諳んじる聞き覚えのある声に、ロクサーヌははじめて手紙の主が彼であったことを悟る。しかし時すでに遅くシラノはロクサーヌに看取られて息絶えるのだった。・・・本当に切ない恋の物語である。・・・しかし、このような切ない恋の物語などは、現代のせっかちな若者には理解できないのではないだろうかな~。
日本語の文章作成能力を理論的に判定する「日本語文章能力検定協会」は、バレンタインデーやホワイトデーに向けて、意思伝達をテーマに文章作成のノウハウを伝授する目的で、3行60字以内で愛を伝える「心に響く三行ラブレター」を募集している。 どんなものがあるか、以下参考の「三行ラブレター」を見るといいよ。
(画像は、コレクションの映画チラシより、’91年ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞作「シラノ・ド・ベルジュラック」、監督:ジャン・ポール・ラプノー、製作 : ルネ・クレトマン / ミシェル・セイドゥー 、主演ジェラール・ドパルデュー)
参考:
鉄道員(ぽっぽや)集英社文庫: 本
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087471713/250-1228495-5192230
二木紘三のWebサイトMIDI歌声喫茶
http://www.duarbo.jp/songs.htm
恋文歴史館:恋文倶楽部
http://www.ladies-artnature.com/koibumi/rekishikan/tanizaki.html
シラノ・ド・ベルジュラック - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD15916/index.html?flash=1
『源氏物語』研究 恋文の果たす役割
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kokugo/gakkai/99semi/chuuko/chuuko99.html
三行ラブレター
http://www.kentei.co.jp/bunken/event/2005.html
「こい(5)ぶ(2)み(3)」(恋文)の語呂合せと、浅田次郎原作の映画「ラブ・レター」の公開初日であったことから松竹株式会社が制定した日。映画のPRに記念日を制定した初のケース。
また、5月21日は「キスの日」でもある。1946(昭和21)年のこの日、佐々木康監督の映画「はたちの青春」が封切られた。今の人なら、馬鹿らしくなるかも知れないが、この映画の中で、主演の大坂史朗と幾野道子がほんのわずかに唇を合わせるが、これが日本で初めてのキスシーンだったのである。この記念日については、昨年のブログ今日(5月23日)は、「キスの日」で書いたので、興味のある人はそちらで見てね。
浅田次郎原作の映画「ラブ・レター」は、浅田次郎が直木賞を受賞した小説「鉄道員(ぽっぽや)」とともに短編集に収められた2作目の短編「ラブレター」が原作になっている。最初の 作品「鉄道員」は皆さんもご存知の娘さんの幽霊のお話で私も見たが、「ラブレター」は見ておらず、小説も読んでいないのでよくわからない。ただ、本や映画の解説を見ると、中井貴一演じる新宿、歌舞伎町のチンピラが金のためにある出稼ぎ中国人女性と偽装結婚をさせられる。実際には会ったことも無い戸籍の上だけの妻が亡くなり、遺品の中に自分に宛てた、たどたどしい手紙があった。それは、心からの思いをこめたラブレターであり、それを読んで男は号泣する。純粋な女性の損得の無い心の美しさ。それが読者の心をせつなくさせる。そんな感動的な映画のようで、小説を読んだ人は一様に、鉄道員などよりもすばらしいといっている。
そういえば、現代人は、文字よりも視覚によって、意味や価値を感じようとしている。かっての文学など、人は、文字によって、その意味や価値・思いなどを伝えようとしたが、文学的には、映像よりも活字によるほうが、その人の想像力をかきたて、今のような映像によるものより、よく伝わったのではないかと思われる。
こいぶみ【恋文】は、恋い慕っている気持ちを述べた手紙。ラブレターをいう。そして、その「恋はするものじゃない・・・堕ちるもの」・・・とも言われるが、そのような恋心・・・「せつない」気持ちなどを相手に伝えるには、今のようにインターネットが発達し、簡単に即情報が伝達できる世の中になっても「メール」などのようなものを送信するだけではなく、自分の手で書いた「ラブレター」、「恋文」を相手に直に手渡すのが一番有効なのではないだろうか。こんなことを書いているうちに、私にも青春時代に、切ない思いを伝えるべき恋文を必至の思いで書いた記憶が蘇ってくる。・・・そして、それを手渡すために・・・・それで結果は?・・・野暮なことは聞くものではないよ・・・。
“砂に文字を書いても、風がすぐに消してしまう。でも、愛するこの思いを書かずにはいられない…”。
パット・ブーンの1957(昭和32)年のヒット曲、「砂に書いたラブレター」・・・丁度私の恋多き時代にそんな甘い恋の歌が流行っていたよ。青春時代にかえって、ちょっと、ロマンチックになりたい方は以下で曲を聴いてみる・・・?。
二木紘三のWebサイトMIDI歌声喫茶・・・→砂に書いたラブレター(Love Letters in the Sand)
あの文豪谷崎潤一郎は、大阪の豪商の夫人である根津松子と運命的な出会いをする。初対面から松子に強く惹かれた谷崎は、ひそかに松子を想い続けるようになり、その頃、谷崎潤一郎が松子にあてた、恋文がある。
「私には崇拝する高貴の女性がなければ思ふやうに創作が出来ないのでございますがそれがやうやう今日になつて初めてさう云ふ御方様にめぐり合ふことが出来たのでございます。実は去年の『盲目物語』なども始終御寮人様のことを念頭に置き自分は盲目の按摩のつもりで書きました」
「私に取りましては芸術のためのあなた様ではなく、あなた様の芸術でございます」・・・。谷崎潤一郎は、『盲目物語』を執筆する際に、物語の中の主人公とヒロインの関係を自分と松子との関係に重ね合わせて書いていたのである。本当に切ない思いであったろう。
古典的な文学「源氏物語」の中には数多くの恋愛が描かれており、当時、男女はお互いに言葉を交わすことはなく、姿さえ見ていないことが多い。そのような状況から、男女がお互いに顔を合わせ、言葉を交わすようになるまでの間に、その人物について知ることのできる有効な手段となるのが恋文であり、また、それは、お互いの気持を伝達し、より恋愛を進展させるというはたらきをもっている。恋文は、男女の恋愛において重要な役割を果たすものであり、源氏物語の中に恋文は262通もあるという。恋の物語は、今も昔も洋の東西も問わない。一番い思い出されるのが、詩人かつ剣客でありながら、大きな鼻のコンプレックスに悩み、生涯ひとつの恋を貫いた男の生涯を描いたエドモン・ロスタンの有名な戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」。人知れず従妹のロクサーヌを愛していたが、彼女は、自分の所属する隊に入隊してきたクリスチャンを愛し、彼もまたロクサーヌに想いを寄せている事を知ると、二人の橋渡しをしようと決意する。だが、文才のないクリスチャンに代わり恋文の代筆を行うシラノだったが、ロクサーヌはその手紙の言葉に恋するようになった。やがて戦争が始まるが・・・・・・、シラノはクリスチャンにも無断でどんなに戦闘が激しくなってもロクサーヌに一日2通の恋文を届けることを忘れなかった。そして、そして14年がたち、修道院で暮らすようになったロクサーヌのもとをシラノが訪ねてくるという日重傷を負うが、はうようにしてロクサーヌのもとへ向かう。そして、あのクリスチャンの恋文を読ませてくれと頼み、シラノは朗読を始めるが、夕闇の中にもかからわず一言一句間違いなく諳んじる聞き覚えのある声に、ロクサーヌははじめて手紙の主が彼であったことを悟る。しかし時すでに遅くシラノはロクサーヌに看取られて息絶えるのだった。・・・本当に切ない恋の物語である。・・・しかし、このような切ない恋の物語などは、現代のせっかちな若者には理解できないのではないだろうかな~。
日本語の文章作成能力を理論的に判定する「日本語文章能力検定協会」は、バレンタインデーやホワイトデーに向けて、意思伝達をテーマに文章作成のノウハウを伝授する目的で、3行60字以内で愛を伝える「心に響く三行ラブレター」を募集している。 どんなものがあるか、以下参考の「三行ラブレター」を見るといいよ。
(画像は、コレクションの映画チラシより、’91年ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞作「シラノ・ド・ベルジュラック」、監督:ジャン・ポール・ラプノー、製作 : ルネ・クレトマン / ミシェル・セイドゥー 、主演ジェラール・ドパルデュー)
参考:
鉄道員(ぽっぽや)集英社文庫: 本
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087471713/250-1228495-5192230
二木紘三のWebサイトMIDI歌声喫茶
http://www.duarbo.jp/songs.htm
恋文歴史館:恋文倶楽部
http://www.ladies-artnature.com/koibumi/rekishikan/tanizaki.html
シラノ・ド・ベルジュラック - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD15916/index.html?flash=1
『源氏物語』研究 恋文の果たす役割
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kokugo/gakkai/99semi/chuuko/chuuko99.html
三行ラブレター
http://www.kentei.co.jp/bunken/event/2005.html