今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

人形の日

2007-10-15 | 記念日
今日(10月15日)は「人形の日」
以下参考に記載の「今日は何の日~毎日が記念日」によると、"日本人形協会と日本玩具及び人形連盟が1965(昭和40)年に制定したが、1972(昭和47)年に「抜本的な検討を加える必要がある」として、積極的な活動を休止した。しかし、一般には普及し、この日に因んで全国各地で人形供養や人形感謝祭等が開催される。"とある。
現代の人形には主な用途として、祭礼などの宗教行事や伝統行事、文楽などの人形劇で使われるもの、おもちゃ(玩具)、土産物、鑑賞用の芸術作品など、さまざまな分野のものがある。だから、各人形協会と日本玩具及び人形連盟が”抜本的な検討を加える必要がある」として、積極的な活動を休止した”とあるが、このような多様な人形について、「人形の日」として、1つにくくることは簡単ではないだろうし、共通の催事をするのも難しいだろう。
私などが人形に纏わる記念行事としてよく耳にするのは「人形供養」ぐらいである。人形など、大切にしている物や心を込めて作った物には昔から魂が宿ると言われており、そのような先祖代々伝わってきた人形や、子供の頃から大切にしてきた人形に感謝を込めてお寺で供養をしてもらおうという気持ちになるのは良くわかる。
人形よ 誰がつくりしか 誰に愛されしか 知らねども 愛された事実こそ 汝が成仏の誠なれ (武者小路実篤
これは、京都市上京区にある「宝鏡寺」境内にある人形塚に刻まれている実篤の詩である。通称、百々御所(どどごしょ)とも呼ばれた門跡寺院である。代々の内親王が住持となっており、光格天皇より賜った直衣雛(のうしびな。以下参考に記載の※有職雛参照)をはじめ、皇女和宮の遺愛の品など多くの人形を所蔵し、俗に人形寺とも呼ばれている。ふだんは非公開であるが、春と秋には皇室から贈られた人形などの寺宝を公開する人形展が開催されている。他の寺では「人形の日」に人形供養が行われるところが多いようだが、当寺では10月14日の日に人形供養祭が行われているようだ。
人形がつくられるようになったのは、先史時代から始まったようであるが、古代では、人形は他人に呪いをかけるための呪詛の道具や、人間の身代わりに厄災を引き受けてくれる対象物として使われた。前者の例としては藁人形などであり、後者の例では和紙の流し雛などが挙げられる。後者のうち、現代でも神道の大祓等で用いられる和紙のものは、通常同じ字で「ひとがた」と呼び分けたり、「形代」(かたしろ)と称したりする。また、遺跡等から発掘される人形としては、土偶埴輪等があげられるだろう。
前に、このブログで、5月5日「オモチャの日」8月2日「博多人形の日」のことについて書いたので、今日は、、また、別の視点から書いてみよう。
以下参考に記載の青空文庫の※作家別作品リスト:No.93南方 熊楠の中に、『十二支考04蛇に関する民俗と伝説』にも書かれているように、古来、ヘビは、世界的に信仰の対象であった。日本においてもヘビは太古から信仰を集めていた。豊穣神として、雨や雷を呼ぶ天候神として、また光を照り返す鱗身や閉じることのない目が鏡を連想させることから太陽信仰における原始的な信仰対象ともなった。もっとも著名な蛇神は、頭が八つあるという八岐大蛇(ヤマタノオロチ)や、三輪山を神体として大神神社に祀られる大物主神(オオモノヌシノカミ)であろう。そう思って読んでいるとその中に、『日本書紀崇神天皇十九月の条に載せられている大物主神と倭迹々姫命(ヤマトトトビヒメノミコト)の説話、一般に「三輪山伝説」と呼ばれているものの一文が見られた。
"『日本紀』に、大物主神顔を隠して夜のみ倭迹々姫命に通い、命その本形を示せと請うと小蛇となり、姫驚き叫びしを不快で人形に復(かえ)り、愛想竭(づ)かしを述べて御諸山(みもろやま)に登り去り、姫悔いて箸(はし)で陰(ほと)を撞(つ)いて薨(こう)じ、その墓を箸墓というと戴す。"・・・と。
大物主神とは、日本神話に登場する神であり、大穴持(大国主)の 和魂であるとする。別名 三輪明神。古事記によれば、大国主神とともに国造りを行っていた少彦名神常世の国へ去り、大国主神がこれからどうやってこの国を造って行けば良いのかと思い悩んでいた時に、海の向こうから光輝いてやってくる神様が表れ、大和国三輪山に自分を祭るよう希望した。大国主が「どなたですか?」と聞くと「我は汝の幸魂(さきみたま)奇魂(くしみたま)なり」と答えたという。
倭迹々姫命は、欠史八代の一人で、『古事記』『日本書紀』に記される第7代の天皇(孝霊天皇)の皇女で、巫女的な性格をもつっている。 
『日本書紀』には崇神天皇の治世、疫病が流行し、天皇が原因を占う際、この皇女(倭迹々姫命)が神憑りをし、その後は大物主神の妻と為るが、結婚後はあまり幸せではなかったようで、大物主神が夜にしか姿を見せなかったことを倭迹々姫命は不満に思い、大物主神にお願いして朝まで待ってもらうことにした。大物主神は了承したが姿を見て決して驚かないで欲しいと忠告した。しかし翌朝、姫命は大物主神が小蛇(こおろち)の姿をしていたのを見て驚いて叫んだ。大物主神は驚くなといったのに恥をかかせられたと愛想竭(づ)かしを述べて人形に変わって三輪山に登っていってしまった。姫命は悔いて座り、箸で陰部を突いて死んでしまったと言うのである。このことから倭迹迹日百襲姫命の墓は箸墓と言われ、奈良県桜井市箸中に所在する。この古墳を、『魏志倭人伝』が伝える倭国の女王「卑弥呼」の墓とする(邪馬台国畿内説)向きもある。
記紀によれば、大物主神は、疫病退散の神、酒造つの神など様々な性格を兼ねそなえる。モノ(物)とは一般的に精霊のこととされ、精霊を支配する主・神が大物主神であると思われるが、それが蛇体であったというのである。
何かあまり人形とは直接関係のないような話を書いているようだが、このことを書いていて、私のコレクションの「こけし」のことを思い出した。「こけし」」というのは、東北地方のあの轆轤(ろくろ)で作った頭と胴だけの棒状の人形である。何故人形なのに他の人形のように手も足もない棒状なのか?。これには、何か、東北地方のイタコ信仰などと関係があるのではないか?また土湯系こけしなど頭などに描かれる蛇の目状の模様は何だろうか?。
蛇の目は、ヘビの目を元にした同心円を基調としたデザインで、和傘の代表的なデザインで蛇の目傘として知られている。 足を持たない長い体や毒をもつこと、脱皮をすることから「死と再生」を連想させること、長い間餌を食べなくても生きている生命力などにより、古来より「神の使い」などとして各地でヘビを崇める風習があったことは、南方 熊楠の『十二支考』などにも書かれている。最近でもヘビの抜け殻(脱皮したあとの殻)が「お金が貯まる」として財布に入れるなどの風習がある。また、漢方医学や民間療法の薬としてもよく使われる。日本でも白ヘビは幸運の象徴とされ特に岩国のシロヘビは有名である。
日本各地の原始信仰では、ヘビは大地母神の象徴として多く結びつけられた。山野に棲み、ネズミなどの害獣を獲物とし、また脱皮を行うヘビは、豊穣と多産と永遠の生命力の象徴でもあったからである。また古代から中世にかけては、尾をくわえたヘビ(ウロボロス)の意匠を西洋など各地の出土品に見ることができ、「終わりがない」ことの概念を象徴的に表す図象としても用いられていた。
このこけしが生まれるには、主に次の三つの条件が必要だったと言われているそうだ。一つは、木地師が山から降りて温泉地に定住し、湯治客の需要に直接触れるようになった事。ニつ目は、赤物(赤い染料を使った玩具や土産物のこと)が伝えられた事。三つ目は、湯治習俗が一般農民に或る種の再生儀礼として定着した事。(再生儀礼については以下参考に記載の今日も書道・壺竹書作集(研究室)・NO.19「よごと」を参照すると良い)。
当時の農民にとって湯治は、厳しい作業の疲れを癒し、村落共同体の内外を問わず人々とのコミュニケーションを楽しむ重要な年中行事であったという。農閑期以外に休日を持てなかった激務が続く中で、湯治場において得られる赤物こけしは心身回復のイメージと重ねられる縁起物でもあり、それを自らの家族の下へと運ぶ象徴的な形象であったというのである。これら複数の条件が最も揃うと共に、冷害などのとりわけ過酷な環境の克服を余儀なくされ続けた東北地方において、こうしたこけしが発祥したものと考えられているそうだ。そういわれて考えてみると、こけしの頭などの蛇の目模様もそのようなこととも関係しているのかもしれないね~。
また、日本の古語でヘビのことを、カガチ、ハハ、あるいはカ(ハ)等と呼び、これらを語源とする語は多くあるが、その中に「かかし」(カガシ)もあるそうだ。かかしに「案山子」という字をあてる理由は判然としないが、農耕社会における案山子は、田の神の依代(山の神の権現とも言われる)であり、霊を祓う効用が期待されていた。それは、鳥獣害には悪い霊が関係していると考えられていたためであるという。この、「田の神」のことについては、前に3月16日「十六団子の日」でも書いたので見てください。
(画像は、土湯系こけし〔宮城県・白石市〕。右は頭部の蛇の目模様)
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参考:
人形 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%BD%A2
宝鏡寺 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9D%E9%8F%A1%E5%AF%BA
-京都宝鏡寺-(人形寺)
http://www.tondaya.co.jp/map/houkyou/houkyou.html
箸墓古墳 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%B8%E5%A2%93%E5%8F%A4%E5%A2%B3
淡島信仰と流し雛(流しびな)上・石沢誠司
http://www.geocities.jp/seijiishizawa/NewFiles/hina-okuri.html#Anchor-11481
※有職雛/京のお人形: 京都民報Web
http://www.kyoto-minpo.net/html/naruhodo-kyoto/ningyou/yuusokuhina/index.html
※作家別作品リスト:No.93南方 熊楠
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person93.html#sakuhin_list_1
8月2日は「博多人形の日」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/d/20070802
5月5日はオモチャの日
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/d/20070505
今日は何の日~毎日が記念日~10月15日
http://www.nnh.to/10/15.html
武者小路実篤 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E8%80%85%E5%B0%8F%E8%B7%AF%E5%AE%9F%E7%AF%A4
こけし - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%93%E3%81%91%E3%81%97
今日も書道・壺竹書作集(研究室)・NO.19「よごと」再生儀礼
http://nice.ciao.jp/works/No19/No19page.html#top
3月16日「十六団子の日」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/d/20060316
(社)日本玩具協会
http://www.toys.or.jp/
社団法人日本人形協会
http://www.ningyo-kyokai.or.jp/
日本芸術人形協会ホームページ
http://www.vesta.dti.ne.jp/~jada/
日本着せ替え人形協会
http://kisekae555.blog70.fc2.com/