今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

あゆの日

2007-10-21 | 記念日
今日(10月21日)「あゆの日」(毎月第3日曜日)。全国鮎養殖漁業協同組合連合会が制定。アユ(鮎)は、キュウリウオ目・アユ科に分類される。川と海を回遊する魚で、日本では代表的な渓流釣りの対象魚であり、河川における全漁獲量の4分の1を占めるという。
「鮎の子のしら魚送る別(わかれ)かな」 松尾芭蕉
この句は、『奥の細道』に旅立つ芭蕉が門人との別れの際に、千住で詠んだ句だと言われている。しかし、この句は『奥の細道』になく、「行く春や鳥啼き魚の目は涙」が載せられているが、これは、終点大垣での「蛤のふたみにわかれ行秋ぞ」に対をなすよう後から作られた句であり、推敲の過程で、この句に代えられたものだという。詳しいことは、以下参照。
芭蕉db/奥の細道
http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/basho/okunohosomichi/okuno02.htm
芭蕉が千住を発ったのは、1689(元禄2)年3月のこと(江戸時代の3月末=旧暦は、新暦になおすと5月中旬頃)。この歌の詠まれたころの千住付近の墨田川には、鮎の稚魚・しら魚も棲む清らかな流れであったようだ。
ふ化した鮎の稚魚は海あるいは河口付近に下り、ここでプランクトンなどを食べて成長する冬を越す。この頃からスイカやウリに似た香りがするようになるが、これは、アユの体内の不飽和脂肪酸酵素によって分解された時の匂いだそうだ。そして、幼魚(しら魚)は翌春2月~3月に川を遡って秋に上流で成魚となるが、それを芭蕉が自分自身の旅立ちに譬えたものであろうか。
幼魚は、このころから、体に色がつきはじめ、川の中流域から上流にたどり着き、石に付着するケイソウ類を主食とするようになるが、この時、多くの若魚はえさの藻類が多い場所を独占して縄張りを作るようになる。この縄張り内に入ったものには体当たりなどの激しい攻撃を加える。この性質を利用してアユを釣り上げる方法を「友釣り」という。そして、秋には再び川を下って河口近くのきれいな砂地に産卵した後、「落ちあゆ」となって、たった1年の短い一生を終えることから「年魚」とも呼ばれようになったという。
中国で鮎と書けば鯰(なまず)をさしたらしく、鮎は香魚(シャンユイ)と書くらしい。日本の「鮎」は国字で、「アユ」に「鮎」の字が当てられている由来には諸説あり、一定の縄張りを独占する、つまり、占めるところからつけられた字であるというものや、日本書紀にでてくる話に神功皇后が今後を占うために釣りをしたところ釣れた魚がアユであったため占魚とあてられたものといったものがある。下参照。
古事記・日本書紀の神功皇后「筑紫の末羅県の玉島里」
http://www2.odn.ne.jp/cbm54970/tamasima.html
また、鮎の魚名の由来については、以下参考に記載の「WEB大学出版 45号/魚名の由来」が詳しい。
万葉集で鮎の歌を大伴旅人と大伴家持が詠んでいる。親子そろって随分鮎が好きだったのだろうか。万葉集で詠まれた鮎の歌を抜き出したものとしては以下参照。
楽しい万葉集/生き物に関連した歌/万葉集: 鮎(あゆ)を詠んだ歌
http://www6.airnet.ne.jp/manyo/main///animal/ayu.html
大伴旅人と大伴家持のこと、それと歌の解説は、以下参考に記載のやまとうたの千人万首・大伴旅人 を参照されると良い。
旅行などで、山あいの宿などでは鮎の塩焼きは夕餉の膳につきもの。香魚の名前を持つ鮎は、他の魚にはない独特の香りと味わいが楽しめる初夏だけの味覚。鮎の食べ方は塩焼き以外に、唐揚げやマリネ、煮付けにもよく馴染むが、旬の新鮮な鮎は塩焼きで食べるのが一番だな~。しかし、毎月第3日曜日が鮎の日とはいえ、今の時期にこの話は少し時期外れと言うことに・・・(×_×)
(画像は、コレクションの絵葉書「鮎:彩雲閣」。絵は吉田初三郎。お粗末ながら・・・日本ラインの冷味に添えて一筆として、以下の句を詠んでいる。「月とねた ゆめ涼しげや 木曽の鮎」)  
参考:
アユ(鮎)- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A6
ア ユ(神奈川県水産総合研究所内水面試験場)
http://www.agri.pref.kanagawa.jp/SUISOKEN/naisui/n_ayu.asp
芭蕉db/奥の細道
http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/basho/okunohosomichi/okuno02.htm
松尾芭蕉 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B0%BE%E8%8A%AD%E8%95%89
芭蕉全句鑑賞
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Studio/4128/hyousi.html
WEB大学出版 45号/魚名の由来
http://www.ajup-net.com/web_ajup/045/dokusho45-1.shtml
仲哀天皇
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%B2%E5%93%80%E5%A4%A9%E7%9A%87
古事記・日本書紀/神功皇后「筑紫の末羅県の玉島里」
http://www2.odn.ne.jp/cbm54970/tamasima.html
風土記 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E5%9C%9F%E8%A8%98
万葉集 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E8%91%89%E9%9B%86
日本国語大辞典第二版オフィシャルサイト:日国.NET/季節のことば/鮎
http://www.nikkoku.net/ezine/kotoba/ktb026.html
やまとうた
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/index.html
5月11日)は「鵜飼い開き」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/d/20070511
鮎 レシピ 51品 [クックパッド]簡単おいしいみんなのレシピが20万品!
http://cookpad.com/search/?keyword=%E9%AE%8E