今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

直木賞作家で、前東京都知事でもあった「マルチ人間」青島幸雄の忌日

2007-12-20 | 人物
今日(12月20日)は、直木賞作家で、作詞家、タレント、放送作家、映画監督。その他、元参議院議員、元東京都知事などの政治家としても活躍。多彩な経歴を持つ「マルチ人間」青島幸雄の 2006(平成18)年の忌日である。
青島 幸男(あおしま ゆきお)は、1932(昭和7)年7月17日 東京都中央区日本橋堀留町の仕出し弁当店・弁菊の次男として生まれる。高校時代に結核を患い、1955(昭和30)年,早稲田大学商学部を卒業後、同大学院に進むが、肋膜炎を患い中退。療養中に書いた漫才の台本がきっかけで放送作家としての活動を始めるようになったようだ(以下参考に記載の「スペシャルインタビュー 青島幸男さん:がんサポート情報センター」参照)。フジテレビ開局翌日の1959(昭和34)年3月2日からハナ肇とクレージーキャッツが毎日の新聞記事を基にしたコントを演じた「大人の漫画」でテレビ脚本家に。翌・1960(昭和35)年からタレントに、「青島だぁ」のセリフで人気が得る。「おとなの漫画」に続いて、日本テレビで、1961(昭和36)年6月4日から放送開始された「シャボン玉ホリデー」(日曜夜6:30~7:00。1972年まで続いた)を手がけるなど草創期のテレビ界で活躍した。
「シャボン玉ホリデー」は、双子の女性デュオ・ザ・ピーナッツを主役に、ハナ肇とクレージーキャッツがレギュラーメンバーのミュージカル風のバラエティー番組(作・構成は前田武彦)で、毎回、歌謡界のスター歌手をゲストに迎えた。翌・1962(昭和37)年にこの番組で植木等が歌った「スーダラ節」が流行。作詞は、青島 、作曲は萩原哲晶
「スイスイスーダララッタ、スラスラスイスイスイ ♪」というフレーズをそのままに、ヒットチャートを急上昇した。「スーダラ節」に続き、植木の青島作詞・萩原作曲で作った曲はどれもヒットし、「わかっちゃいるけどやめられない」「ハイそれまでヨ」などのフレーズは、流行語にもなった。「スーダラ節」以下参照。
「スーダラ節」MIDI
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/suudarabushi.html
「スーダラ節」人気から生まれた映画「ニッポン無責任時代」(goo-映画参照)も大ヒットした。主人公のモットーは、無責任と不真面目。忍耐、努力なんて、お呼びじゃない。「コツコツやる奴ァご苦労さん」である。しかし、現実のサラリーマン稼業はそう気楽なものではなかった。満員電車で通勤し、帰りの屋台で飲む「チョット一杯のつもりで飲む」にしても、懐具合が気になる時代。自分と正反対の「無責任男」に、日本の働きバチは見果てぬ夢を託したといえるだろう。しかし、これ以降高度経済成長に入り、「こんなにうまくいくわけはないよ」と思いながらも「楽して儲ける」やり方に大衆は次第に引かれ始めた。青島作詞、萩原作曲によるクレージーキャッツの最後の曲は、1979(昭和54)年「これで日本も安心だ」である。"哀れな中年から今の幸せな若者へのメッセージ"らしいが、この曲のことは以下参考に記載の「これで日本も安心だ 」が詳しいので見られるとよい。日本の若者もかってとは大変身だこの歌の後日本がどうなったことか・・・。
「青島だあ!」と自ら番組に出演して以来、俳優としても活躍。1966(昭和41)年制作・脚本・監督・主演をした映画「鐘」は、翌年カンヌ映画祭国際批評家週間入選。1967(昭和42)年、日本テレビ系ドラマ「意地悪ばあさん」(長谷川町子原作) に主演の意地悪ばあさんの役(波多野タツ)で出演、お茶の間の人気を集めた。主演は最初、青島幸男だったが、1968(昭和44)年の参員選に立候補したため、8代目古今亭志ん馬(落語家)に交代した。また、このドラマは何度もテレビドラマ化されたりが、作者である長谷川町子は、漫画作品とは別と考えており「あれは青島幸男による青島ばあさんです」と述べるなど、テレビでの登場を快く思っていなかった節があるそうだ。
放送作家・作詞家・タレントとして多彩な才能を発揮した青島だが、政界でも活躍し、1968(昭和44)年、35歳の時参院選全国区に初めて立候補し2位で初当選するなど、タレント議員のパイオニア的存在となった。ちなみに、この時の全国区第1位は現・東京都知事である石原慎太郎であった。1974(昭和49)年7月7日の参議院戦では、全国区3位で再選を果たしたが、この時には、青島に続いて、大勢のタレント議員が誕生した。アナウンサーの宮田輝、女優の山口淑子、同じく山東昭子、漫才師のコロンビア・トップの各氏が全国区で初当選を飾っている。また、政界にもその存在感を示す傍ら、小説の執筆もはじめ、初めての小説「人間万事塞翁(さいおう)が丙午(ひのえうま )」 を著す。「塞翁が馬」の「塞翁」(さいおう)は、北方の辺境の砦(塞)に住む老人のことで、人間の禍福は変転し定まりないものだというたとえであり、出典は、中国前漢時代の思想書「淮南子(人間訓)」からであり、「人間万事塞翁が馬」とも(以下参考に記載の「人間万事塞翁が馬の解説」参照)。小説のタイトルは、これを引用したものであり、呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の自らの生家である、仕出し弁当屋〈弁菊〉をモデルに、戦中から戦後へ、激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を描き出した笑いと感動の下町物語である。この小説は1981(昭和56)年に直木賞を受賞している。
1989(昭和64)年には、参院議員4期目途中で消費税法案の強行採決に抗議して議員を辞職するが、直後に予定されていた参院選に立候補するものの落選。この行動は、中途辞職による比例代表名簿下位登載者の繰り上げ当選と、自身の当選によって所属会派の議席増をもたらすため、「比例代表制度を恣意的に利用するものである」と批判された。 それでも、1992(平成 4)年の第16回参議院選挙で、国会議員に返り咲く。1995(平成 7)年には、東京都知事選挙に初当選。2位の官僚出身候補石原信雄を50万票近く離しての圧勝だった。しかしながら、都知事時代は「めざせ開かれた都政」を掲げてはみたが、ビジョンもなく看板倒れに終り、めぼしい業績も残さなかったことや都市博中止以外の公約を反故にした行政をしたことにより、そのカリスマ性も薄れ、以後、、2001年参院選に比例区から、また2004年東京都選挙区から選挙に出馬するも落選が続いた。昨・2006(平成18)年12月20日死去。1991年に悪性リンパ腫が発見され当時の全てのレギュラー番組を降板し治療に専念。後に寛解するもこの時の抗癌剤治療が死因である骨髄異形成症候群の遠因となったと言われているそうだ。
多彩な経歴を持つ「マルチ人間」青島であったが、私個人としては、文化人としての能力面は評価するものの、こと政治に関してはこれといった選挙運動もせずに自宅にこもって選挙をしたり、後年、先にも書いたように体調がよくないにもかかわらずそのような身体で選挙戦に出馬するなど、チョット政治を嘗めているのかと思う節も見られ、少々小生意気で、不遜な感じの青島に対しては、余り好感はもてなかったが・・・。そういえば、青島作詞、中村八大作曲坂本九の歌で知られる「明日があるさ」。その後、ウルフルズなどによってカヴァーされ大ヒットした曲だが、テンポも良い曲で私も大好きな曲。最後にこの曲を聴いて終わろう。以下で聞けるよ。
明日があるさ ウルフルズ
http://homepage3.nifty.com/sinbunyadou/midi/room1/asita_8p_r.htm
(画像は、意地悪ばあさんを演じた青島幸男 。2006年12月21日朝日新聞より)
参考:
青島幸男 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B3%B6%E5%B9%B8%E7%94%B7
「スーダラ節」MIDI
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/suudarabushi.html
植木等 (ウエキヒトシ) - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/cast/88301/
植木等 - goo 音楽
http://music.goo.ne.jp/artist/ARTLISD1148246/index.html
明日があるさ ウルフルズ
http://homepage3.nifty.com/sinbunyadou/midi/room1/asita_8p_r.htm
これで日本も安心だ  
http://morioka.cool.ne.jp/mata326/dumb/hana.html
スペシャルインタビュー 青島幸男さん:がんサポート情報センター
http://www.gsic.jp/survivor/sv_06/02/index.html
人間万事塞翁が馬の解説
http://mizote.info/image/02profile/30kaisetu_jinkan.html
世界都市博覧会 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%83%BD%E5%B8%82%E5%8D%9A%E8%A6%A7%E4%BC%9A
ウルフルズ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%BA