今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

遠距離恋愛の日

2007-12-21 | 記念日
今日(12月21日)は、遠距離恋愛の日。
遠距離恋愛中の恋人同士が、クリスマス前にお互いの愛を確かめあう日。
12月21日の「1221」の両側の1が1人を、中の2が近づいた2人を表すそうだ。その形から離れている恋愛中の男女にエールを送る日とされているのだとか。
人が生まれ、育ち、亡くなるまでの一生を、同一地域で生活していた昔と違って、今の時代は、学生生活も大学になると、いや、良い学校へのこだわりのある場合などにおいては、中学・高校であっても家族と住んでいた所から離れて都市部の有名校などの遼に住んでいる人もいるだろうし、また、同じ学校であっても卒業すると、就職などで、色々な地域の会社へ勤務することになる。そして、就職してからも、ずっと同じところに居れるとは限らず、他所の地域への転勤などの移動も多いだろう。また、就職したからといっても、昔などと違って、終身同じ職場で勤務するという人も少なくなり、他の職場へ転職する人も多くなった。それに、今は、女性も男性と同じ様に仕事を持つのが当たり前のような時代になったのだから、恋愛関係にある人達でも、否応なく、遠く距離の離れた地域に暮らさなければならなくなることも多いであろう。
今、そんな遠距離に住んでいる人同士の遠距離恋愛 が増えているだろうからと検索してみると、ちゃんと「フリー百科事典Wikipedia」に「遠距離恋愛 」のことが掲載されていた。それだけそういう立場の人達が多いと言うことの証でもあるだろう。早速、見てみると、「遠距離恋愛」とは、”居住区における物理的距離が離れている状態での恋愛関係またはその状態のことをいう。しかし、物理的距離が離れている場合以外でも「遠距離恋愛」とされるケースが存在するため明確な定義は存在しない。”として、”恋愛をしている当事者本人が遠距離恋愛だと感じれば、物理的に近距離とされる距離であろうとも遠距離恋愛とされる。”・・・”言い換えれば「なかなか逢えない距離」が「遠距離恋愛」の定義となりうるものだと思われる。”・・・とあった。ま!確かに、ご互いに近い距離に住んでいたとしても、双方の仕事の関係で、また、片方であっても、仕事などが多忙であるとか、サービス業などであれば、休暇日が違う、また、勤務時間帯が違うとかいったことなどから、なかなか2人が会う機会の少ない立場にいる人たちも大勢いるだろう。
なんでも、アメリカの心理学者ボッサードにより発見された「ボッサードの法則」と言うものには、「男女間の物理的な距離が近いほど心理的な距離は狭まる」というものであるそうで、これは逆に言えば、”遠距離恋愛は成就しにくいことを示すものである。この法則を打ち破るには、頻繁に連絡をとる等して互いの心理的距離が遠くならないようにすることが必要である。”・・・としている。何か、心理学がどうのこうの、また、「○○の法則」などと小難しいことを言わなくても、2人の間が疎遠になればなるだけ急速に求心力を失ってしまうということは一般的にいって、当然のことであろうから、物理的であろうが、そうでなくとも、ご互いに相手に対して近くにいると感じさせるということは重要であろう。
2人の間でのコミュニケーションが減れば、2人の中が疎遠になれば次第に自然と別れなければならない確立も高くなるだろうが、この頃は画像も送信できる便利な『携帯電話』のようなコミュニケーションツールがあり、「ボッサードの原則」も最近では少し通用しなくなりかけているかもしれないね。
恋愛とは、人間が特に異性に対して抱く情緒的で親密な関係を希求する感情で、又、その感情に基づいた一連の恋慕に満ちた態度や行動を伴うものである(フランス語のamour、英語のloveの翻訳語)とされているようだが、『広辞苑』では単に「男女が互いに相手をこいしたうこと」と定義されている。しかし、この恋愛の定義などについては、かならずしも明快な答が得られているというものではなく、国語辞典でも様々な解釈がなされており、『三省堂国語辞典』は、「一組の男女が相互に相手にひかれ、ほかの異性をさしおいて最高の存在としてとらえ、毎日会わないではいられなくなること。」と定義しているようだが、このように相互が、「毎日会わないではいられなくなる」存在となると、先の「遠距離恋愛」をしている人達にとっては、単に電話などでのコミュニケーションだけでは、ストレスが沸いてくるかもしれないね~。
特に、独自の記述で定評のある『新明解国語辞典』第5版では、「特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。」と表現されており、この記述では性愛の側面を重視しており、また一方的な片思いでも恋愛は成り立つと解釈できる。このように、恋愛の中に、性愛の側面が強くなってきたら、ますます、「遠距離恋愛」に於ける物理的距離や、近くても合えない状況によって合えないことが続くと、恋愛も破綻につながるのが早いだろう。
同辞典第6版では、「特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、2人だけでいたい、2人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。」と改訂され、性愛についての記述は削除されたようで、何か、第5版のときよりは、少し、高尚な恋愛に代わってきたようだね~。(総じて国語辞典では異性愛を前提とした記述がされており同性愛についての記述は見られないようだ。)
「・・・十代の女の恋愛には、飛ぶ雲のような淡さがあり、二十代の女の恋愛には計算がともない、三十代の女には何か惨酷(ざんこく)なものがあるような気がする。
 本当の恋愛とはどんなのをさして云うのだろう。サーニン(※1)のようなものを云うのだろうか、エルテルの悩み(※2)のようなものだろうか、それとも、みれん(※3)、女の一生(※4)、復活(※5)、春の目ざめ(※6)、ヤーマ(※7)、色々な恋愛もあるけれども、どれもこれも古くさくてぼろぼろのようだが、また、考えれば、どれもこれも新らしいとも云える。――
美しくて朗らかで、誰にも迷惑を及ぼさない恋愛は童児たちでなければ望めないことかも知れない。精神的なものがあふれて来るほど、恋愛は悲劇的でものがなしくなって来る。恋愛の微醺とはどこの国へ行ったらあるのだろうか。どこの国でも、恋愛物語で埋れているようでいて、恋愛の微醺を説いた物語は皆無だ。恋愛は生れながらにして悲劇なのだろう。悲劇でもよいから、せめて浪漫(ロマン)的な恋をとおもうが、すでに、世の中はせち辛(がら)くなっていてお互いの経済の事がまず胸に来る。・・・」。
これは、林 芙美子の「恋愛の微醺」からの抜粋である。※1~※7については、私自身も一寸判らない小説の名も出てくるので調べた範囲でのことを以下に簡単に書いておこう。本の内容が判った方が、上記に書いた、林の文も理解し易いだろうから・・。
※1は、林 芙美子の『放浪記』の中に”私に「サーニン」 を送ってよこして、恋を教えてくれた男じゃないか”といった文が出てくるがこれは、ロシアの小説家アルツィバーシェフ〔Mikhail Petrovich Artsybashev,1878~1927〕の作品『サーニン 』〔Sanin〕。虚無主義者サーニンをめぐる恋愛を描いたもので、大胆な官能描写で有名。サーニズムの流行語を生んだ作品。また、※7も同『放浪記』に、こんな一節が出てくる”糊の抜けた三畳づりの木綿の蚊帳の中に、伸び伸びと手足を投げ出してクープリンの「ヤーマ」 を読む。したたか者の淫売婦が、自分の好きな男の大学生に、非常な清純な気持ちを見せる。尨大な本だ、頭がつかれる。"とあり、このクープリン〔Aleksandr Ivanovich Kuprin,1870~1938〕はロシアの作家で、豊富な体験に基づいて写実的な作品を発表、『ヤーマ』は1910年作。「魔窟」と訳され、娼婦の悲惨な生活を冷静に描いたものとして異常なセンセーションをおこしたそうだ。(以下参考に記載の「放浪記・放浪記以前」参照)。※2は、あの有名なゲーテの『若きエルテルの悩み』。彼は14歳で、年上の少女に一目ぼれしたのを最初に、恋多き人生を送る。※3『みれん』は、シュニッツラーの作品で、ウィーン生まれで軍医や開業医をしながら多くの戯曲や小説を書いているそうだ。シュニッツラーと同年生まれの森鴎外が翻訳してつけたタイトルで原題は『死』だそうだ。当時不治の病であった肺結核で余命1年と宣告された男の死への恐怖、男女の愛蔵を描いたもので、「みれん」は、生へのみれん、女へのみれんをあらわしているのだとか。以下参考に記載「読書エッセイ|本の水脈004: 第4回 森鴎外からスタンリー・キューブリックへ」参照。また、「国立国会図書館/森鷗外 | 近代日本人の肖像」でこの本を読むことができる。※4は、有名なモーパッサンの『女の一生』。女癖の悪い男に騙され、放蕩息子の犠牲になる哀れな女の話である。※5は、トルストイの晩年の長編小説『復活』。若い貴族とかつて恋人だった女の、贖罪と魂の救済を描き、それを通じて社会の偽善を告発している。※6『春の目ざめ』は、森鴎外『沈黙の塔』の中で、"独逸文学で、Hauptmann(ハウプトマン) は「織屋」を書いて、職工に工場主の家を襲撃させた。Wedekind(ウェデキンド) は「春の目ざめ」を書いて、中学生徒に私通(しつう =夫婦でない男女がひそかに肉体関係をもつこと。密通。)をさせた。どれもどれも危険この上もない。"と書いている。内容などは以下参考に記載の「『春の目ざめ』 Frank Wedekind」を参照されると良い。
林 芙美子の言ってると同じ様な、ゲーテの名言がある。
「二十代の恋は幻想である。三十代の恋は浮気である。人は、四十代にして、初めて、純粋な恋愛に目覚める。」
また、シェイクスピアは、以下のように言っている。
「本を読んでも、物語や歴史に聞くところからでも、真実の恋は滑らかに運んだためしがない。」
「恋は、ほどほどにするものだ、そのような恋こそ、長続きする。」・・・と。
恋愛がどんなものかなんてことは、年代を得て、やっと判ってくるものだろう。それまでは、余り熱くならない方がいいような気がするのだが・・・。
モリエールも、以下のように・・・。
「結婚生活の中でこそ真実の愛が育ち、結実していくもので、いままでの恋愛を結婚生活の中で真実の愛へと育んでいくことを示唆します。」といっている。
最後に、遠距離恋愛中の恋人同士がお互いの愛を確かめあうのは良いが、その時は、ラクロ危険な関係」の以下の言葉を思い出しておいた方がよいかもしれない。
「分かっているでしょうが、手紙を書くのは相手に書くので自分に書くのじゃありません。だから自分の考えていることを言うよりは、なるべく相手を喜ばせることを書くようになさい。」・・てさ。これ、手紙だけでなく、話しをするときも同じだろうね。
最近は、ブログなども大流行で、ネットでの出会いなども多くなってきているだろうね。このようなネットでの出会いなどでは、実際の交流もなく、ただネット上だけで交信しているため、自分では気づかないうちに相手を美化していることが多いかもしれない。そのような中で、次第に恋が芽生えたりすると・・・。
(画像は、コレクションのチラシより映画「ユー・ガットメール」。絵本店を経営するキャスリーン〔メグ・ライアン。写真下〕とすぐその近くに大型書店チェーンを出す御曹司のジョー〔トム・ハンクス。写真上〕は最大のライバル同士。反目しあう2人だが、実はインターネットで知り合い、毎日の様にメールを交換する仲だった・・・。今の時代を反映した恋愛映画だ。)
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遠距離恋愛の日:参考

2007-12-21 | 記念日
参考:
恋愛 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%8B%E6%84%9B
遠距離恋愛 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E6%81%8B%E6%84%9B
ココロのカラクリ: 恋愛のココロ ~ボッサードの原則~
http://popminako.blog.ocn.ne.jp/kokoro/2007/04/post_5bab_1.html
林芙美子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%97%E8%8A%99%E7%BE%8E%E5%AD%90
林 芙美子「恋愛の微醺」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000291/files/42337_16286.html
放浪記・放浪記以前
http://etext.virginia.edu/japanese/hayashi/horoki/HayHoro.html#n50
恋愛心理学
http://i-shinrigaku.com/sinri/nagaku/bossa.html
---愛の格言・名言集---
http://kuroneko22.cool.ne.jp/loveword.htm
森鴎外「沈黙の塔」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/3336_23054.html
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ - Wikipedia
http://ja.wikiquote.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%86
森鴎外 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E9%B4%8E%E5%A4%96
『春の目ざめ』 Frank Wedekind
http://www12.plala.or.jp/e-mokuba/frulings01.html
ギ・ド・モーパッサン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%B3
国立国会図書館/森鷗外 | 近代日本人の肖像
http://www.ndl.go.jp/portrait/datas/342.html
読書エッセイ|本の水脈004: 第4回 森鴎外からスタンリー・キューブリックへ
http://www.bunshun.co.jp/series/essay/dokushoyama004.htm
レフ・トルストイ- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A4
モリエール - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB
ウィリアム・シェイクスピア - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%A2
コデルロス・ド・ラクロ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AD