きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「マラーホフ・ガラ」ベルリン国立バレエ団

2011年01月18日 | バレエ・ダンス
予定プログラムが発表されたときには「人形の精」もあって、
「それ、なんていう『マールイ』?」って密かに思いました。
演目が変わって良かった。


‐第1部‐
「騎兵隊の休息」よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ、音楽:イワン・アルムスヘイメル
セブネム・ギュルゼッカー、マリアン・ヴァルター


全体的に淡い色の衣装で、可愛らしいけど
田舎臭さとかゴッテリした濃さが無くて、ちょいと寂しい。
1幕物で通して見るとドタバタコメディ振りで見過ごすけど
けっこう難しい技が多く、ガラ向けではあるね。
ヴァルターの手足の伸びは良い。
良いけど、、、
やっぱり、ステパノワ&プハチョフとか
ロマチェンコワ&プロームとかが頭をよぎる。


「ショータイム」よりデュエット
振付:エリック・ゴーティエ、音楽:フィリップ・カニヒト、ジョルジュ・ビゼー
エリサ・カリッロ・カブレラ、ミハイル・カニスキン


本番前、アップをするダンサー二人。
男性は赤いジャージ。全面には「東京」の文字。
なんだか、白いテープを貼っているみたいよ。
ご当地なネタでツアー先の地名を入れるのか
誰かのお遊びなのか。
袖から二人に演技指導などの声がかかる。
「ガンバッテ!」と言ってたのは芸監か。
やがて二人は衣装に本番の衣装に替え
「カルメン」らしき踊りを踊る。

前半が面白かっただけに
最後のオチが、どうなんか。
悲劇を際だたせるための前振りだったのか。

ダンサー二人は、コミカルな演技も
シリアスな踊りも、とても合っていた。


「せむしの仔馬」より "フレスコ" パ・ド・カトル
振付: アルテュール・サン=レオン、音楽:チェーザレ・プーニ
ヤーナ・バローヴァ、サラ・メストロヴィック、
クラジィーナ・パヴロワ、アナスタシア・クルコワ


これもマールイの夏ガラで見た。
女の子達は可愛いし、衣装も可愛いけど、
ちょっと地味かなあ。


「アルレキナード」よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ、音楽:リッカルド・ドリゴ
ヤーナ・サレンコ、ライナー・クレンシュテッター


サレンコは超カワイイ!し、
クレンシュテッターの踊りも決まっている。
(ジャンプしてから身体を捻って欲しかったなあ)
いるけど、、、
やっぱり、キルサノワ&ペトゥホフが頭の中で・・・・


「これが死か」
振付:モーリス・ベジャール、音楽:リヒャルト・シュトラウス
ウラジーミル・マラーホフ
ベアトリス・クノップ、エレーナ・プリス、
ナディア・サイダコワ、ポリーナ・セミオノワ


昨年の本家も良かったけど、今回も良かった。
とても美しい作品だ。
マラーホフの体型は崩れ気味かなあ。
そんな彼の周りを女性が囲み、回る。
人間に訪れる時間なのか。
あるいは、男性が見る人生の走馬燈なのか。
いずれにしても、流れは留まることはない。
ダンサーとしての晩年を迎えつつあるマラーホフに
ちょっと重なるな、と思いました。


‐第2部‐
「スピリット」
振付:ウラジーミル・マラーホフ、音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
セブネム・ギュルゼッカー、イブラヒム・ウェーナル


「人形の精」から変更。
これは面白かった。
なんでしょう、男女の会話、みたいな系統だけど、
ほどよく官能的で、切なくて、綺麗だった。


「ヴェニスの謝肉祭」"サタネラ"パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ、音楽:チェーザレ・プーニ

クラジィーナ・パヴロワ、ディヌ・タマズラカル

タマズラカルの踊りは爽やかで清々しい。
パヴロワは、この位置で踊るには華やかさが足りない。


「ブルッフ・ヴァイオリン協奏曲第1番」
振付:クラーク・ティペット、音楽:マックス・ブルッフ

ポリーナ・セミオノワ - ヴィスラウ・デュデク
エレーナ・プリス - ミハイル・カニスキン
ヤーナ・サレンコ - ライナー・クレンシュテッター
ステファニー・グリーンワルド - マリアン・ヴァルター

マリア・ボムポウリ、マリア・ジャンボナ、エリナー・ヤゴドニク、菅野茉里奈、
ニコレッタ・マンニ、クリスティアーネ・ペガド、巣山 葵、ヴェレーナ・サーム

タラス・ビレンコ、ミハエル・ファトゥラ、クリスティアン・クレール、エイメリック・モッセルマンズ、
アレクセイ・オルレンコ、ハビエ・ペーニャ・バスケス、アレンサクドル・シュパク、フェデリコ・スパリッタ


なんというのか。
「似非」、というよりは、「お手軽バランシン」みたいな。
「水晶宮」チックではあるんだけど、
それよりは、各ソリスト達の踊りのカラーは無い。
もともとの曲が楽章仕立てではなく
けっこう似たようなメロディーが続くので
際だったカラーは出しにくいかも。
それでも、バランシンほど正確さが求められないぶん
キツキツ・キチキチな雰囲気が無いのが良い。
クラシック・バレエの美しさが凝縮されていて
とてもキラキラした作品だった。
コメント
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