きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「『チャイコフスキー』~生と死のミステリー」ベルリン国立バレエ団

2011年01月20日 | バレエ・ダンス
エイフマンの作品はわかりやすい。
こう書くと叱られそうなんだけど、
宝塚のショーの一場面のストーリーの組立方に似ている。
主役がいて、内面を表すダンサーがいて。
上手く言えないんだけど、
主題へのアプローチしかた、掘り下げ方、浮かび上がらせ方、とでもいうのかな、
その辺が似ている、と思う。

ガラでは、ダンサーとしては
もうかなり厳しくなっているなあ、と思ったマラーホフ。
しかし、こちらの作品では素晴らしく良かった。
エイフマンの作品は、
「この人でなきゃ」というのはあまりないので
他の誰かが踊っても、そこそこ楽しめると思う。
マラーホフでなければ成立しない、とは、違う。
それでも、彼の演技、存在感は素晴らしかった。
生と死、栄光と凋落、正気と狂気、
それぞれがないまぜになっていた。
チャイコフスキーの生涯を駆け抜けていた。

分身はスカIIみたいな存在。
彼の、本当の欲望を、彼に見せつける。

少女は、ミューズでもあるのか。
少女はチャイコフスキーと戯れるときもあれば
いとも簡単に捨て去るときもある。
王子は青春。
そして性の対象。

メック夫人は、チャイコフスキーの「芸術家の部分」を愛する。
しかし、彼の結婚は肯定できない。
そんな気持ちの揺らぎを
クノップは見事に表現していた。


とても濃密な世界だった。


衣装も良かったな~



【配役】
チャイコフスキー:ウラジーミル・マラーホフ
分身/ドロッセルマイヤー:ヴィスラウ・デュデク
フォン・メック夫人:ベアトリス・クノップ
チャイコフスキーの妻:ナディア・サイダコワ
王子(若者/ジョーカー):ディヌ・タマズラカル
少女:ヤーナ・サレンコ

ヤーナ・バローヴァ、マリア・ボムポウリ、アニッサ・ブリュレ、ソラヤ・ブルノ、
エロディー・エステーヴ、ヴェロニカ・フロディマ、マリア・ジャンボナ、ステファニー・グリーンワルド、
針山愛美、ヨアンナ・ヤブロンスカ、エリナー・ヤゴドニク、菅野茉里奈、アナスタシア・クルコワ、
ワレリア・マナコワ、ニコレッタ・マンニ、サラ・メストロヴィック、ナターリア・ミュノス、
クラジィーナ・パヴロワ、クリスティアー ネ・ペガド、巣山 葵、寺井七海、
ヴェレーナ・サーム、クセニア・ウィースト

マルチン・アロヨス、ゲヴォルク・アソヤン、ミハエル・ファトゥラ、アルシャク・ガルミヤン、
ドミニク・ホダル、アレクサンドル・コルン、クリスティアン・クレール、マリアン・ラザール、
アルトゥール・リル、ウラジスラフ・マリノフ、エイメリック・モッセルマンズ、アレクセイ・オルレンコ、
ハビエ・ペーニャ・バスケス、ケヴィン・プゾー、スフェン・ザイデルマン、
アレクサンドル・シュパク、デイヴィッド・シミック、フェデリコ・スパリッタ、
マルチン・シィマンスキー、ウリアン・タポル、メフメト・ユマク


台本・振付・演出: ボリス・エイフマン
音楽: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
装置・衣裳: ヴァチェスラフ・オクネフ


指揮: ヴェロ・ペーン
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


◆上演時間◆
第1幕 18:30 - 19:20
休憩 25分
第2幕 19:45 - 20:25
コメント
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