京都の下加茂神社では今日は夏越の大祓の由緒ある日なのである。境内を流れる小川を題材に、「風そよぐならの小川のゆうぐれはみそぎぞ夏のしるしなりけれ」と藤原家隆が新勅撰和歌集で詠んでいる。静かなたたずまいの神域には楢の小川の流れがあって、神々しさが漂っている様が彷彿と写し出されている。丁度この翌日、私の故郷の稲荷神社では真菰で編んだ大きな輪を作り、鳥居一杯に飾り付け、その中を参詣人が通り抜け、今年の半年の無病息災を感謝して、あとの半年の健康を祈る訳である。このように地域の神社や鎮守様に、無病の報告とお願いとを祈念する夏越の大祓の習わしの神事である。本年もこの日、既に半年を過ぎて大祓の、禊の日なのである。