小説の「里奈の物語」の中で鈴木大介氏が書いていることは、これまでの一連の
鈴木氏のノンフィクションの中で書かれていたことが多く、それらと比べると主人公の里奈の境遇は
早いうちに児童養護施設に収容されるなどかなり恵まれていて、さらに頭の回転が良く、
知的にも恵まれているほうで、主体的に行動ができて、周囲の人にも恵まれてるが、
同書のレビューを見てみると、里奈や周囲の人たちの境遇にショックを受けたり、
気の毒に思っている人が多いようである。
いかに同じようなテーマに関するノンフィクションに関心がなく、読んだことのない人が
多かったのかが良く解る。
そのことを考えると、今回、同じような事柄について小説で表現したことで、
これまで同じテーマのノンフィクションを読まなかった人たちが読んでいるのかが良く解った。
小説で表現したことで、恵まれない少年少女の事について知る人がかなり増えたようである。
そのことを考えると、今回、小説として書いたことは大きな価値があったようである。