飲み屋の店主のトランスジェンダーの男性が主人公の小説ですが、以前の彼氏が現れて、老後資金に貯めた
1千万円を自分のFXに投資させようとするのを、店員の若いトランスジェンダーの方が、
それを阻止しようとしてそのお金を持ち行方をくらましたのを追う展開でした。
店員の方がSNSで自分を追わせたのを、追っていくうちに元カレが本性を現し、
主人公も店員も激しい暴力にさらされます。
海外ミステリーや映画で暴力シーンがあっても、それ程こちらに痛さは伝わりませんが、
こちらは読んでいて痛さが伝わる描写でした。
それにしても赤松利市さんは、被災地での除染作業のことを題材にしたり、漁師を題材にしたり、
ニューハーフを題材にしたりと、これまでどういう人生を送ってきたのだろうかと考えさせられました。