ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

世間知らず

2022-06-30 15:44:49 | 社会・政治・一般
相変わらず学ぶことが下手だと思うのが野党、特に共産党がひどい。

選挙があるから有権者の支持が欲しいのは分かる。いろいろと提言するのは自由だが、問題はその中身だ。なかでも問題が多いと感じたのが、全国一律での最低賃金 時給1,500円というやつだ。

これは社会主義の影響を強く受けている共産党が代表だが、相変わらず経済の実態が分かっていない。上から押し付ければ、世の中どうにかなると思い込んでいる。

賃金や給与などは、労働の対価である。インフレが進行して生活費に困窮する庶民の生活の質の向上を目指して最低賃金を国の命令で引き上げんとする意図は分かる。

その善意は分かるけど、この最低賃金の引き上げを強行するとどうなるかも分る。断言しますけど、経済の実態に合わぬ最低賃金の引き上げは、失業者を増やします。

売上の向上あってこその昇給です。売り上げが低迷している実態を無視しての最低賃金の引き上げは現実的ではありません。賃金の引き上げは、同時に社会保険の引き上げであり、源泉所得税の引き上げでもあります。

時給1500円×8時間×22日で試算すれば、月給264,000円となります。でも、そこから社会保険や所得税、住民税を天引きすれば、手取りは21万程度でしょうね。

雇用者たる企業や事業者、店舗は増えた賃金以外に、増額された社会保険、源泉所得税の負担もありますから、経営者の観点からすれば30万円近い支出となります。

それに見合う売上増加があれば良いのですが、なければ資金不足となります。企業はよい人材が欲しい、だけど景気実態に見合わぬ強要された昇給は企業の財務体質を悪化させます。

結果は分かっています。人件費の削減、すなわち解雇です。信じられないのならば、お隣の半島国家を見る事です。お間抜けな前・大統領が最低賃金の引き上げを企業に強要した結果、失業率は上昇しました。

最低賃金の引き上げに応じた大企業や官公庁でも、大幅な財務収支の悪化に苦しんでいます。経済の実態を直視せず、脳内お花畑で考案した景気浮揚策が如何に有害かよく分かろうというものです。

でも、あの方々分からないでしょうね。いや、分る気がない。自らの善意に酔い痴れて現実が見えなくなっている。私は今の自公連立政権がベストの選択だとは考えていませんが、野党に期待がもてない。これこそ日本の抱える深刻な不幸だと思います。
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ロシアの苦戦

2022-06-29 12:26:42 | 社会・政治・一般
ウクライナへ侵攻したロシア軍の死者がおかしい。

異様なほど将官クラスの戦死者が多い。アフガンでも苦戦していたが、これほど将官クラスの軍人が死亡してはいない。旧ソ連軍とロシア軍の編成の違いかと思ったが、どうも違うらしい。

ウクライナ側は乏しい兵器を厳選して、狙撃部隊に重点を置いて将官を狙い撃ちしていることが主な原因であるようだ。

別にロシアに限らないが、国家にとって一番危険な敵は自国の軍隊である。古来幾多の国々が軍人の反乱により滅びている。だからこそロシアは旧ソ連時代から軍人の統制には慎重であった。各部隊には共産党の政治局員を配置して常時監視していたほどだ。

さすがに今は政治局員の監視こそないが、その代わりに権限の上位集中がなされている。すなわち軍隊を指揮する権限を可能な限り上位の将官に集中させる。その結果、現場(戦場)で実際に戦う指揮官の権限が奪われる。

これでは状況の変化に応じた適切な指揮が出来ない。そこで上位の将官が現場(戦場)に出向いて指揮をする。そこをウクライナの狙撃兵に狙われてしまった。元ソ連軍として権限の上位集中を熟知していたウクライナだけに、ロシア軍の編成上の欠点を知っていたのだろう。

本来、前線に出るはずのない将官がウクライナ軍に狙撃されて亡くなると、その部隊は蜘蛛の子を散らすように散じてしまうことが多発しているとの情報もある。前線指揮官に権限を委譲していないロシア軍ならではの惨状だろう。

話は変わるが、日本のメガバンクも似たようなものだ。バブル崩壊後、合併を繰り返して出来たメガバンクは、不良債権を二度と出さないという名目で、現場の権限を大幅に削減した。

そして融資の申し込みの審査権限を、専門の関係会社などにさせることで全国一律の公正な審査をしていると誇る。もちろん金融庁の指針に従ったものである。

その結果、現場において融資先を視る目が衰えた。同時に責任感も大きく減じたように感じる。以前は融資先を自身で視て、自らの判断と決断で融資を決めていた。しかし、審査権限を失ったことで、メガバンクの融資審査能力は大きく衰退した。

金融庁の審査マニュアルに従っていれば良い。そんな安直な融資が増えたように思えてならない。現場の意見を聞かないから、結果的におかしな融資となっても、それを良しとしている。

私の予測だと、ここ数年コロナ禍に対する経営支援型の融資は問題が生じると思う。真っ当に経営している企業に対する融資ならば良い。しかし、銀行から資金を引き出すために方便としての融資が少数だが混じっている。これ、絶対に破綻すると思う。

話をロシアに戻すと、軍隊の統制を重視するあまり、現場指揮官の権限を大幅に奪ったロシア軍は柔軟な対応が出来ずに苦戦している。長期化しつつあるウクライナ戦争だが、最終的にはロシアがある程度の成果(東部の編入等)を挙げての停戦に落ち着くのではと思っている。

ただ、それまでにどれだけロシアの将官の死亡が出るのか、その結果如何では本気でクーデターが起きるかもしれません。なぜならロシア軍の将官は、ロシアの支配階級の子弟中心だからです。

その結果、プーチン以上の独裁者が登場する可能性は極めて高い。ロシアという国は、強力な指導者抜きではまとまれない。西側がいい気になってプーチンを追い詰めることは、むしろ却って危険な独裁国家の再生を促す可能性が高いと思います。
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有坂銃

2022-06-28 11:30:01 | 社会・政治・一般
もしかしたら、日本製の武器で最も多く海外で使用されたかもしれないのが有坂銃だ。

ちなみにその正体は、日本軍が明治38年に採用した38式小銃である。これは同時代の小銃のなかでもかなり優秀であり、第一次世界大戦時には100万丁を超える輸出がされた。使用していたのはイギリスとロシアが主だが、大変使いやすい銃であったので、現在も狩猟家を中心に愛好者がいる。

元々は、明治維新後、有坂成幸が開発した30式小銃が元なのだが、これを南部騎次郎が改良したものが38式である。ボルトアクション・ライフルであり、太平洋戦争まで活躍した日本兵の主力兵器であった。

同時代のボルトアクション・ライフルには、ドイツのマウザー、イギリスのリー・エンフィールドなどがある。アメリカも当初はこのリー・エンフィールドを使用して日本軍と戦っている。

38式小銃の特徴は長い銃身と、整備のしやすさであった。命中率が高く、手入れが簡単であったことが強みだ。しかし、使用する実包の威力は弱く、そのせいでダメな小銃だと誹謗されることも多い。実際、私もそう考えていたぐらいだ。

ただし、これは南部氏の確信的な改良の成果で、欧米の兵士に比べ体格の小さな日本兵が使用しやすいことを第一に考えたからだ。ただその結果として、殺傷率は、マウザーやリー・エンフィールドに劣る。

この38式小銃の印象が悪いのは、1943年にアメリカ軍が採用したM1ガーランドという半自動小銃があまりに優秀すぎたからだ。ただ戦争の大半において、アメリカ兵はリー・エンフィールドを使用しており、日本兵の38式とは常に対峙していた。

ちなみに有坂と呼ばれるのは、どうも元々の30式小銃の開発者である有坂氏が国際的に知名度が高かったからだと思われる。有坂氏の後輩である南部氏は、14年型自動拳銃の開発者でもあるが、この拳銃があまりに悪い意味で有名であったことも関係しているのかもしれない。

余談になるが、この14年式に限らず、日本は拳銃の製造では碌な成果を残していない。拳銃を装備するのは、主に士官なのだが、あまり本気で拳銃を使う気がなかったらしい。拳銃の替わりに軍刀に信を置いており、故障しやすい拳銃には興味がなかったなのではないかと思われる。

故障が頻発する拳銃と異なり、38式小銃は極めて故障の少ないことで知られている。これは部品点数を可能な限り減らした為だとされている。実際、現在小型動物の狩猟に38式小銃を使っている欧米のハンターたちは、この小銃の故障の少なさと命中精度の高さを絶賛している。

小動物用の猟銃として利用されるのは、殺傷率が低いが故に獲物を破砕してしまわないからだ。あまりに強力な殺傷率を誇る銃器だと、小動物は命中した途端に弾け散ってしまう。それを防ぐ意味でも役立つ銃だと評価されていた。

以前にも書いたが、この殺傷率の低さゆえに、敵兵をその場で即死させることは少なかった。だが、重傷を負った兵士は、死んだ兵士と異なり助けなければならない。最低でも二人の兵士が救出に必要だし、貴重品である医療資材を費消させられるのでアメリカ軍の指揮官は、この38式小銃を嫌がったと云われる。

ただ、それ故に印象的な武器だったようで、敗戦した日本から戦利品として持ち帰られた38式小銃はかなりの数に上る。たたし「アリサカ・ライフル」としてである。

拳銃では失敗したが、南部氏はこの38式小銃を作り上げた真の技術者だと思う。今少し再評価されても良い気がします。



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かえるオセロ

2022-06-27 11:55:12 | パソコン・インターネット
あァ気持ちいい。

私はゲーム好きだが、多分一番長くやっているゲームは「フリーセル」か「かえるオセロ」である。

なにがイイって短時間で出来る。ドキュメントのプリントアウト待ちとか、顧客からの急ぎの返信待ちのような空き時間で遊んでいる。

たかがオセロだが、これが結構奥深く、ちょっと油断するとコンピューターに負けてしまう。特に電話待ちで考え事などしていると、大概負ける。カエルに負けた気がして実に悔しい。

だからこそ完勝した時の嬉しさは格別だ。滅多にないだけに嬉しい。ネット上の無料アプリで遊んでいるが、以前よりも難しくなっているのは制作者が工夫しているからだろう。だからこそ遣り甲斐がある。

ただ何回もやると飽きるから、連続してはやらない。だから仕事中でも、仕事を放り出すようなことはない。さて、今日もカエルをボコってやるかな。
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川の危険性

2022-06-24 11:40:47 | 社会・政治・一般
素人は川で泳ぐなと言いたい。

いや、素人ではなく玄人でも危ない。学生時代に水泳部で鍛え、全国大会でも上位入賞する水泳の猛者でも、川では溺れることは珍しくない。

川の恐ろしさの流れが複雑なことが原因だ。水面から水底までの距離、つまり深さが数メートルしかないことが、殊更流れを複雑にする。特に川底の岩などにぶつかり、水の流れが水面下で渦巻いているが、水面からは穏やかな流れにしか見えない。

つまり水面での流れと、水底での流れの速さが違う。具体的に云うと、足を引っ張られて身体が引き込まれる。場所によっては、水底の岩に頭をぶつけることもある。カヤック乗りがヘルメットを被るのには相応の根拠がある。

私自身、沢登りの最中に滝つぼに落下して、いざ岸辺に戻ろうとしたら水面下での渦水流に足を引っ張られて転倒したことがある。幸い背負っていたザックが防護服の役割をして、鋭い岩角に直接当たらずに済んだ。その代りザックは切り裂けたため、道具を流されてしまった。まァ命あってのものである。

川は怖い。ある意味、海よりも怖いと思うことはある。いや、危険性でいえば海のほうが怖い。だが川の場合、なぜだか川の方が安全だと考える人が少なくないことが怖い。

誰だって白波と波音が響く海の怖さは警戒する。しかし、一見穏やかに流れている清流の底に潜む渦に気が付く人は稀だ。

最近、わりと河川での水難事故を報道などで目にする。子供や若者が多いのが気の毒でならない。多分、川の怖さを知らないのだと思う。温暖化のせいか、日中の気温の高さから、ついつい涼を求めて川に入ってしまう気持ちも分からんではない。

川遊びをするなら、安全と云えるのはせいぜい膝の高さまでだ。腰まで入ったら、川底の渦に巻かれて溺れる可能性があると覚悟したほうがいい。また地元の子供たちが遊ぶような場所ならば、比較的安全なはずだ。特に流れが弱い淵ならば、深さはあれども、複雑な流れは少ない。

ただし、天候次第である。水の量が少ないと安心していても、上流で大雨が降れば、あっという間に増水して乾いた河原を沈めてしまうことは珍しくない。どうか、川遊びの際には気を付けて欲しい。
コメント (2)
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