ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

燃える秋

2023-09-29 09:11:21 | 音楽

近年、いつのまにやら秋が短くなっている。

いや、秋というには暑すぎる。まさに燃える秋である。覚えている方もいるかもしれませんが男女混成グループのハイファイセットのヒット曲の一つに「燃える秋」という歌がありました。

なんとなく思い出したので検索して、動画で聴き直していますがいい曲です。PCに外付けのスピーカーのいい奴を買っておいて良かったと今更ながら納得しています。

この曲は角川映画の成功を真似て、三越の岡田社長の肝いりで制作された映画に使われた曲なのですが、映画自体を観たことがある人は少ないはずです。この映画は三越のワンマン社長であった岡田氏の悪い面が出たことで知られており、三越の黒歴史として封印された作品となっているからです。

岡田社長はこの映画の前売り券を下請け配送業者の大和運輸に押し付け、それを公正取引委員会に咎められ、それが契機になって大和運輸は三越から手を引き、今日では当たり前の宅配業務に乗り出しました。同時に三越内部で岡田社長のワンマンぶりへの批判が表沙汰になり遂には解任。いわゆる三越事件の発端となった映画でもあります。

だから映画自体はお蔵入りとなり、映画祭などで限定的に上映されるだけ。しかし、ハイファイセットが歌った曲は、これらの事件とは裏腹に大ヒット。作曲した武満徹氏にとって最大の印税収入を稼いだ作品となっています。

実際良い曲ですから、今聞いても楽しめる。ただ、そろそろ映画も解禁して欲しいですね。若き日の真野響子さんの美貌が楽しめる作品だったと記憶しております。

 

 

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寺沢武一の訃報

2023-09-28 09:24:35 | 日記

私がコンピューターなる代物に触れたのは大学4年の時だ。

4年に進級して、講義を選択するときに今までになかった新しい講座が出来ていた。それがコンピューター初級講座であった。キャンパスの端っこに建てられた新しい講義棟には、沢山のコンピューターが置いてあり、大学がかなり力を入れていることが分かった。

さっそくに受講を申し込んだ。自慢じゃないが留年しない程度のお気楽な勉学に終始していた私だが、この講座は休まずに通った。なんとなく未来に必須の知識だと思ったからだ。ちなみに講座の内容はBASICとCOBOLであった。

正直COBOLは自信なかったが、BASICのコマンド入力による操作はそこそこ出来たと思う。ただ、その時、ゼミ室に置いてあったマッキントッシュのPCが気になって仕方なかった。マウスによる画像制作に興味が沸いたからだ。

でもマッキントッシュのPCは高すぎた。当時で一台200万円ちかくした。ちなみに講座で使ったIBM機は30万程度であったから、貧乏学生にはどちらも遠い存在ながら、働きだせばIBM機には手が届くと思っていた。

実際、私が就職した信販会社ではIBM機でのコマンド入力が主な仕事であったから予想通りではあったが、マッキントッシュのPCへの未練はあった。ただ短期間で私は長期の病気療養に入り、PCへの関心を忘れてしまった。

ほぼ10年にも及ぶ病気療養は私に膨大な読書とヴィデオ鑑賞とTVゲームで無聊を癒す日々であったから、徐々にコンピューターへの関心が高まりつつあった。私が聞き及んだところだと、税理士業界で使われるPCはWindowsもしくはオフコンが中心であり、マッキントッシュのPCは使われていないらしい。

少し残念に思ったが、まずは仕事が第一であり、私はWindowsの習得に力を入れた。たしかその頃だと思うが、格安のマッキントッシュのPCが登場したのは。実にスタイリッシュなデザインで、このPCで絵を描いてみたいと思ったが、当時は仕事と難病の治療の両立に悪戦苦闘したので諦めた。

漫画の世界において、PCによる作画のパイオニアと言われたのが先月お亡くなりになった寺沢武一である。ただし人気作「コブラ」ではなく、「バット」の方で使い始めたはずだ。寺沢先生の偉いところは、作画のやり方を独占せず、教わりにくる若手の漫画家たちにも惜しみなく教授していたことだ。

後に悪性の脳腫瘍で障害を負った寺沢武一が、そのハンデにも関わらず漫画を描くことが出来たのは、まさにPCによる作画技術があったからではないかと思う。もっと、もっと作品を読みたかったことを思うと、実に残念な訃報でした。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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日韓のサッカー格差

2023-09-27 11:43:28 | スポーツ

私が十代の頃は、サッカーにおいて韓国に勝つことは不可能だと思っていた。

 

その位、両国の間には実力差があった。チェ・スンポやチャ・ブングンの全盛期を見ていたので、その実力差に絶望さえ感じていた。何故にこれほどまでの格差が生じたかといえば、日本独特のアマチュア至高主義である。

 

具体的にはメキシコ五輪の銅メダルである。クラマー・コーチの指導の下、釜本らがオリンピックで銅メダルを取った時、日本は勘違いをした。もう日本は世界のトップクラスに並んだのだと。

 

当時の日本は五輪で活躍してこそ華。アマチュアイズム絶対の妄論を信じ込み、サッカーの世界ではプロ選手が参加するワールドカップ大会のほうが遥かに格上だと知らなかった。だから日本よりも早くサッカーのプロリーグを作り、全国規模の選抜により優秀な若者を強化して世界に挑ませた韓国とは実力差が広がるばかりであった。

 

日本の勘違いに気が付いたサッカー関係者は、川淵三郎のプロリーグ設立こそサッカー弱者の立場を変える唯一の方法だと考え、遂にJリーグが設立された。オフト監督のもとで最終予選にまで進み、あと一歩のところでイラクに敗れたドーハの悲劇は、その後の強化策の原点となった。

 

Jリーグ人気に便乗して高校サッカーでは外国人コーチを採用し、海外からの留学生まで招聘して強化に努めた。プロチームは若手主体の二軍を作り、地域ごとにリーグを作って高校サッカーとは異なる強化策を作り上げた。

 

福島にJヴィレッジを設立し、若手のサッカー選手の育成専門設備を活用するなどして裾野の広いサッカー強化策を実施してきた。あれから20年、その成果がようやく出てきている。ロシア・ワールドカップ大会及びカタール・ワールドカップ大会において世間的には無名の選手が活躍して決勝トーナメントに進出したのは偶然ではない。

 

Jリーグに注目している人には、三苫や富安、田中碧は注目選手だったが、マスコミが特に取材していなかったために世間的には無名だった。今も野球選手ほどのスター選手こそいないが、実力的には欧州のプロリーグで活躍できる人材は数十人に上る。

 

これは地味ながらも裾野の広いサッカー強化策を粘り強く続けてきた成果である。Jリーグ当初は若く才能ある選手を十代前半で欧州に送り込んだりして失敗していたが、現在は高校サッカー及びJリーグのユース部門で育成してから欧州に売り込んでいるため、いざ日本代表に招聘しても適応が速い。

 

これはアルゼンチンのメッシやブラジルのネイマールらが欧州で育っているため、母国の代表チームになかなかフィットしないことを思えば、非常に賢い方法である。あまりに若すぎる選手の海外挑戦は、むしろ失敗することが多いことからの反省でもある。

 

スーパースターこそいないが、実力ある若手選手の多彩な育成が、現在の日本サッカーの強さを支えている。

 

では現在、日本に連敗を重ねている韓国はどうか。私はさほど弱体化しているとは思っていない。実際、ロシア大会でもカタール大会でも日本と同様に決勝トーナメントに出場している。ただ選手層が薄い。欧州のプロリーグに参加している選手は、一桁台であり二チーム作れるほどの日本とは明白な差となっている

 

これは幼い頃から才能のある選手だけを選抜して強化してきたため本来最も才能を伸ばせる十代後半に新たに登場するような選手を見いだせずにいる。また勝ち負けのあるスポーツだけに、負けたチームの選手たちが将来も頑張ろうとする第二の人生のステージが築きにくいことも影響している。

 

サッカーが生活に根付いている欧州や南米では、代表選手になれなくても地元の町のコーチやサッカー場の管理者などになり第二の人生を歩むことが出来る。日本もこれに近づきつつある。ところが人口が6千万台であり、サッカーは選ばれた選手だけが続ける韓国では、第二の人生にサッカーの世界は敷居が狭すぎる。そのため、他のプロスポーツを目指す若者が少なくない。

 

具体的に数字を上げると、日本のプロサッカー選手は1700名あまり。それに対して韓国のプロサッカー選手は800名足らず。コーチや施設管理者などを含めたサッカー関係者は、日本が70万人余、韓国が9万人程度。人口比は二倍程度ですが、サッカーに関しては圧倒的に日本が母数が多い。これが現在のサッカーにおける格差となっている訳です。

 

まぁ両国ともに少子化が進み、人口減少が予測されていますから、案外と今が最盛期の可能性もありますね。

 
 
 
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マスコミという共犯者

2023-09-25 18:46:50 | 社会・政治・一般

ハイエナのような腐肉食いの記事あまり書きたくないけど、正直憤懣やるかたないので書きます。

例のジャニー喜多川氏の性犯罪ですが、最近それを知りつつジャニーズ事務所のタレントを使っていた企業にも責任はあると書くジャーナリストがいる。誰に頼まれて書いているのか知らないが、誤魔化しもいい加減にしろと思う。

そもそもジャニー喜多川氏の性犯罪を最初に堂々と告発したのは元フォーリーブスの北公次氏だ。1988年のことだが、週刊誌などは取り上げたが、新聞やTVといった大手マスメディアは見事に無視した。これは事実であり、この事実を客観的に判じるならば、大手マスコミもまたジャニー喜多川氏の性犯罪を追認したことを意味している。つまり従犯的行為であり、共犯者と云われても仕方ないと思う。

かつて第二次世界大戦中にナチスの幹部としてユダヤ人を残虐に弑したアイヒマンが、イスラエルの秘密警察モサドに南米で捕獲された。その時、西ドイツのシュピーゲル誌は「裁かれているのは我々だ」との記事を呈した。

これは当時のドイツの大衆にあったユダヤ人への嫌悪感や差別感があったからこそナチスのユダヤ人虐殺がなされ、それを密かに応援していたことを意味する。同時にシュピーゲル誌は、自分たちマスコミもそれに協力していることをも表明していると解される。

顧みて今回のジャニー喜多川氏の性犯罪についてはどうだろう。民放連の会長は既に自分たちも加担していたことを、やんわりと認めているが、個別のTV局はだんまりを決め込んでいる。新聞社に至っては、スポンサー企業にこそ責任があると思わせぶりの記事をライターに書かせて我関せずである。

たしかにジャニーズという商品はマスコミにとって売れ筋のありがたいものであったはずだ。ジャニーズのタレントを起用することで視聴率を上げ、発行部数を稼ぎ、スポンサー企業を集めることは金儲けの王道であった。いわばマスコミにとってジャニーズ事務所は金を産む鵞鳥であった。

だからこそジャニー喜多川氏の性犯罪を黙殺したのだろう。誰にでも分かる理屈である。でも、それを認めて公表する勇気がない。言い換えれば今後も金儲けのために売れっ子タレントを擁する芸能事務所の性犯罪には口をつぐむと云っているようなものだ。

繰り返しますが、ジャニー喜多川氏の性犯罪の共犯者はマスコミです。彼らは金儲けのために若い子たちが性犯罪者の毒牙にかかっている現実を報じない自由を行使したことを痛感すべきです。


追記 この記事は明日26日に投稿する予定でしたが、明日は一日中出張なので今日掲載しました。

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アメリカ流BBQ

2023-09-25 09:16:32 | グルメ

先月のことだが、以前知り合ったアメリカ人からバーベキューに誘われた。この暑さの中、焼き肉かいなと思ったが途中参加で構わないというので日中一仕事終えてから参加した。

驚いたのは、昼頃から適当にやっているとの話であったが、肝心のメインメニューであるテキサスビーフ、それも一塊3キロはある奴が3っつも鉄板の上で焼かれていた。だが、まだ焼きあがっていないとのこと。既に2時間近く焼いているらしい。

肉を焼いて食べる場合、その肉は大きく分厚いのが良いとは知っていた。四谷にある某フレンチの店では、ステーキに1時間以上火を通すことで知られている。いわゆる低温調理である。このやり方は時間はかかるが、その分冷めにくく、しかも上手に焼くと一見生焼けに見えるが、十分に火が通った美味しい焼き肉となる。

ちなみに日本人がやるBBQの大半はグリル焼き、すなわち高温調理である。知人のアメリカ人に言わせると、それは本当のBBQではないという。まぁ定義なんて私にはどうでも良い、要は美味しいかどうかである。

で、結局3時間近く低温で焼き上げたテキサスビーフの肉隗は物凄く美味しかった。A5クラスの松阪牛にも負けぬジューシーな肉で、噛めば噛むほどに肉汁が口の中で弾ける。私がこれまでに食べてきたBBQの肉とは異次元の美味さであった。

ちなみにこのメインのテキサスビーフの塊を焼くのはマスターであるアメリカ人の夫の役割であり、これしかやっていなかった。もう一つの鉄板で奥様とその知人の女性がソーセージやパイナップルを焼いていて、ご主人はそれをビールとともにつまんでいただけ。

この待つ時間があるからこそBBQは美味しいのさと誇らしげに語っていた。まぁ、よくぞ我慢できるものだと呆れたが、あれだけ美味しければ反論なんて出来ないな。

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